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テレビ番組制作の現場で使われるフォント、画面作りの話

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弊社ライズプランニングは、テレビ局出向型の番組制作会社です。

主に情報・報道番組の制作に携わっています。

今回はテレビ番組を制作する上で重要な役割を果たす、フォントについて解説してみたいと思います。

画面を作っていく上で印象を大きく左右するのがフォントです。

テロップとは

番組制作においてフォントを意識しなくてはいけなくなるのはテロップを入れる時です。

テロップとは、映像状に文字や画像をのせる表現のことを総称する言い方ですが、

もともとは「Television Opaque Projector(テレビジョン オペーク プロジェクター)」という商標だったものが一般化したものなんですね。

また、映像に文字を表示する「字幕スーパー」という言葉もありますね。

これは「複数のものを重ね合わせる」という意味の「Superimpose (スーパーインポーズ)」から来ている言葉です。

色々と言い方はありますが、

  • テロップ
  • 字幕
  • スーパー

などはテレビ業界では同じものとして使われていることが多いです。

このテロップですが、実は日本独自の文化が見られます。

海外のテレビ番組を見ていると、日本のテロップがいかに見やすく、出演者の言葉を拾って番組の演出をしているか、ということがよくわかります。

出演者の言葉にテロップをつけて強調する演出の仕方は、「探偵ナイトスクープ」が最初なんだそうです。

テレビの音声を消してもテロップがあれば大体番組を面白く鑑賞することができますし、テロップの果たす役割は大きいんですよね。

テロップはただ文字として書き起こされているのではなく、

雰囲気や気持ちなどが伝わるように、色々な工夫がされているのです。

いくつかフォントを並べてみましたがどうでしょうか。

たとえば右上にあるモトヤ古印体なんかは、とても恐ろしいイメージを感じます。

恐怖映像やホラーなどのシーンで使えそうなフォントですよね。

それに対して、左真ん中にあるじゃんぴょんまるというフォントは、可愛らしくてポップな印象を受けます。

このように、テロップのフォントだけでもかなり印象を変えることができるのです。

関連記事:テロップ入れのテレビ的ルール

テレビ番組制作でよく使われているフォント

では、使用するフォントはどのように決めていけば良いのでしょうか。

テレビ番組などでは、番組ロゴから派生したものや、近い形のものを選んだり、

番組の雰囲気に合っているものを選んだりしています。

最初のうちは周りのスタッフに聞いて覚えていくと良いと思います。

ちなみにテレビ朝日では、テレ朝UDというオリジナルのフォントが出ています。

報道番組のデザインに注目!ニュース画面のテロップと「テレ朝UD」

【テレビ朝日】報道番組のデザインを統一し、ブランディング強化に取り組むために開発した「テレ朝UD」

フォントが開発されてから、2022年10より、

  • グッド!モーニング
  • 羽鳥慎一モーニングショー
  • 木下容子ワイド!スクランブル
  • 報道STATION

など、さまざまな番組でテレ朝UDが使用されています。

シチュエーションごとに使いやすいフォントをいくつか書いておきます。

使いやすい王道フォント

  • 金剛黒体 Medium
  • 平成明朝体S W5
  • 青花ゴシック体 W7

怖い気持ちを表すフォント

  • 古印体 W5
  • ホラーB W5
  • 行楷書 W5

日時や場所など情報を伝えるフォント

  • 平成ゴシック体S W7
  • POP ミックスS W5
  • 太丸ゴシック体 S

コメントフォローに使えるフォント

  • 特太ゴシック体
  • シネマ凛S W4

などなど。

デザイナーさんなんかは「絶対フォント感」をお持ちで、

フォントを見ただけでどのフォントか言い当てられる、という方もいらっしゃいます笑

関連記事:テレビ番組編集でも行うカラーグレーディングとは?

フォント以外の工夫、デザイン

フォントだけでなく、テロップにはデザインをつけて、さらに見やすくなるように、印象も変わってくるように工夫がされています。

エッジ(境界線、枠線、縁取り、白抜きなどとも呼びます)

文字を別の色の線で囲む方法で、背景の上に乗せても文字を判別しやすく、文字が読みやすくなる効果があります。

また、色を出演者によって変えるなどすることで、基本ベースは同じフォントでも、別の人が喋っていることが、より視聴者に分かりやすくなる効果があったりもします。

グロー(光彩)

ぼんやりとしたぼかしを文字の形に沿って入れる方法で、ネオンやイルミネーションなどのライトのように見せられる手法です。

夜空や暗い場所などの濃い背景に映える表現で、キラキラとしてロマンチックな雰囲気の時に使えるデザインですね。

ドロップシャドウ

文字に影をつける方法で、文字を立体的に見せることができます。

背景を選ばずに伝えたいことを強調することができるので、強調したい部分にだけドロップシャドウをつける、といった使い方をすることもあります。

テロップベース

テロップベースは、テロップの下に敷く帯状の画像です。

「座布団」「マット」と呼ばれることもあり、敷く帯の形状によっても呼び方が変わります。

横全体に伸びるものは帯テロップと言われたり、伸びないものは板テロップと呼ばれることもあります。

複雑な背景の時はテロップベースを敷くと文字が読みやすくなります。

情報番組なんかでは、お料理紹介・商品紹介をする時に値段や品名を入れる時によく座布団がつけられていますね。

今回はテレビ番組制作の時のフォント・テロップに注目して解説してみました。

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長倉 さやか
ライズプランニング(広告部)」の長倉です。広告手段としてのテレビの使い方やテレビメディアの楽しさを多くの人に知ってもらえるように執筆しております。

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