番組制作をする時に知っておかなくてはいけないことがあります。
それは「公共放送」であるテレビを作るためには様々な権利をクリアにしていかなくてはいけない、ということです。
テレビを制作する上で関わって来る権利というものは色々なものがあります。
普段何の気はなしに見ているテレビですが、様々な権利の交渉を行って、権利関係をクリアにした状態のものを放送しています。
そこにはたくさんの努力があるんですね。
これからテレビ業界に入って制作に携わりたい、と思っている方には
ぜひ様々な権利の中でも著作権について、知っておいていただきたいと思います。
著作権とは
著作権(ちょさくけん、英語: copyright、コピーライト)は、人権(財産権)の一種。
著作者の権利として「著作権」と「著作者人格権」という二種類があり、このうち著作権は著作者の財産的利益を保護する。
Wikipediaより
Wikipediaにはこのような記述があります。
著作権の権利は著作権と、著作者人格権という二つの権利に分けることができますが、そのどちらにおいても
「写真・映像・絵画・文章・音楽などあらゆる創作作品を許可なく勝手に利用し公表すること」を禁じています。
権利、と言っても何か申請が必要なもの、というわけではなく
創造物が創造された時に発生する権利、という扱いになっています。
関連記事:ADが仕事でやってしまいがちな3つの失敗
著作権の帰属先
著作権は何かしらの創造物に対して創造した著作者本人に帰属するのが一般的です。
ですが、その作品を他人に譲渡することにより、その著作権の帰属先も譲渡先に移ることもあります。
あるいは料金を支払って、著作物を著作権ごと買い取る、という場合もあります。
また、個人、もしくは誰かと共同で著作物を制作した場合でも、会社に所属している人の場合は、
その制作物の著作権が会社に帰属する、ということもあります。
ただ単なる事実、つまりニュースや、アイデアとして扱われるものには著作権が発生せず、著作権に守られないこともあります。
そのため、著作物でも何かしらの「事実」として引用される分には問題ない、ということもあるんですね。
こういったところが多少著作権のグレーゾーンとも言えるかもしれません。
著作権で守られるような制作物にしたいのであれば、
アイデア段階のものもしっかりと制作物として形にすることが大切だ、と言えるでしょう。
制作物がしっかりと著作権で守られるべき著作物だ、ということをアピールするために「コピーライト」という記号が使われることがあります。
みなさんもよく見たことがあるであろう「©️」というマークです。
関連記事:テレビ番組の「制作」と「製作」の違い
テレビに関わる著作権
テレビ番組制作の現場にもさまざまな著作物が関わっています。
例えばドラマであれば、ドラマの脚本なども著作物です。
原作も著作権が発生するものですし、ドラマで使われている劇伴なども著作物です。
それは勝手に使ってい良いものではなく、
それを使用するために使用許諾をとったり、料金を払わなくてはいけません。
また、著作権だけではなく、著作物を伝達するためのもの、つまり
- 放送事業者
- 有線放送事業者
- レコード会社
などには「著作隣接権」という権利が認められています。
関連記事:テレビ局と番組制作会社の関係性とは?
著作権は簡単に侵害できる
著作権は簡単に侵害することができます。
インターネットが台頭してから、テレビ番組を録画してそのままネット上にアップロードしたり
流用することができるようになってしまいました。
著作権侵害は多々あるものの、それに法律や処罰が追いついていけていないのが現状だと言えるでしょう。
営利目的でなかったとしても、著作物を使用許諾なく流用することは著作権侵害に当たります。
個人が簡単に著作権を侵害することができるようになってしまっているので、そういったところには注意が必要です。
ただ、先ほどもお話した通り、放送された内容の一部を流用して
「こういう放送があった」という事実として伝える分には著作権侵害には当たらない、ということもあります。
著作者は著作権を守ってもらえるようにコピーライトをしっかりと明記すること、
さらに著作物を「事実」として引用する場合は、引用元をしっかりつけること、
これだけの配慮があるだけでも随分変わって来るでしょう。
引用元をしっかりと明記している場合は、著作者が「勝手に使われた」ではなく「著作権のことをわかった上で使ってくれている」という認識に変わると思います。
また、著作物を引用することによって、著作者に良い影響がある場合は、その引用が悪いことではなく、良いことだと認識してもらえます。
例えばSNSで番組を引用するにしても、それにたくさんの人が反応してくれれば、それは番組にとっては宣伝になるので、良いことでしょう。
そういった曖昧なところが多いですが、
著作権についてきちんと知識があるのとないのとでは、著作物を扱う時も丁寧さが大きく変わってくるので
制作に携わっていきたい、という人は著作権について一通り勉強をしておくことをおすすめします。
関連記事:ADの仕事をやってみて苦労するだろう事。
では今日はこのあたりで。