テレビ業界の裏話 PR

バラエティ番組の制作は過酷である

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テレビ番組制作を、仕事として選んでくださる若い方々の中には、
バラエティ番組をやりたい!とワクワクしながらいらっしゃる人が多い。

でも、バラエティ番組からのスタートはおススメしない

 

バラエティ番組制作の必要性

 

バラエティ番組は大好きだ。
笑いを人々にもらたすのは、すばらしい仕事だ。
バラエティ番組が存在する理由も十分に理解している。
笑いというのは、人々の生活を豊かにする。

そして、笑うことによって、健康が維持され、寿命が延びる。と言われています。

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笑いがある生活を一人ひとりが送っていたなら、
むやみに人を傷つけたり、自分の不幸を他人のせいにしたりしないでしょう。
笑いがある世界は平和。
だからバラエティ番組というのは世の中には必要なのだと思う。

笑いがあるから平和なのか、平和だから笑いがあるのか、
どちらでもいいことで、
嘘の笑いや、無理やりの笑顔であっても、プラスの効果があると言われています。

なので、笑いは平和と健康に効果的だ、というのは間違いない。

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バラエティの制作を仕事にする覚悟

 

しかし、バラエティ番組の制作を仕事にするのは、相当な覚悟が必要。

バラエティ番組が面白くて、楽しいから、という理由だけでは、続けていくことは難しい。
バラエティ番組で癒され、楽しんできたから、
仕事としてやっていきたい。というのは、

心意気は素晴らしいが、見て楽しくても、制作現場が楽しいわけではない。

テレビに映っているのは、スポットライトが当たっているほんの一部にすぎない。
スポットライトが当たらない部分の方が面積は広く、
そして、途方もない人たちが関わっている。

人を笑わせるというのは、芸人さんの力だけでは難しい。

テレビに映っている部分は、氷山の一角の部分で、それを支えているのは、果てしない時間と労力なんです。
綿密な計画や計算が潜み、
小さな仕掛けがたくさん仕組まれているんです。

バラエティ番組を見て、その世界観だけで制作の現場を訪れると、痛い目にあうし、
そういう目にあって消えていった若者をたくさん見て来ました。

せっかく、希望を持ってこの業界に入ってきてくれたのに、
自らを消耗させ、自信を失い、
プライベートな時間や、自分自身の楽しみや笑顔ややさしさを失って、
消え去ってしまう。

バラエティの制作現場は、
100人入ったら、残れるのは一人

それくらいの厳しい確率。

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1日で消えてしまう新人も多い。
3カ月もてば、いいほう。
1年もたてば立派なもの。

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なぜバラエティ番組制作は過酷なのか

 

ある日、突然来なくなった、
買い出しに出かけて、そのまま帰ってこなかった、という話は、よく聞くこと。

意気揚々と入った若者が、
すぐにやめてしまうのはなぜかというと、
仕事がキツイということだけではなく、

自分が番組制作の役に立っていないということを、猛烈に感じるからではないかと思う。

最初にやらされることは、おおかた、
小道具を買いに行くか、作らされるか、
はたまた、ロケさせてくれる人を探したり、場所を探したり。

小道具をきちんとそろえても、一生懸命作っていても、
様々な事情で変更になることがあります。

構成作家とタレントと制作ディレクターの間で、企画を練りこんでいる打ち合わせで、

「やっぱりこうしたほうがいいんじゃないか」
「こっちの方がおもしろいんじゃないか」と、どんどん変化していく。

朝、頼まれたことが、昼にはひっくり返されるなんてことはしょっちゅうで、それが、準備をしている下っ端のADの耳に入るのはずっと後。

せっかく用意したものが
結局使われずじまい、ということがよくあります。

自分が一所懸命つくっていた時間はなんなんだ…
探していたのはなんなんだ…
出演してもらえるように頭を下げていたのは、なんなんだ…と、

自分がやっていることが不毛に感じてしまうのです。

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加えて、バラエティを担当しているディレクターは厳しい人が多い

なぜなら、自分自身が厳しい道のりを経験して、生き残っているから。

制作現場で厳しい人たちにもまれ、その中で育っている人なので、人当たりがキツい。
そして、そういう厳しさを乗り越えないと、
一人前にはなれないと思っている節がある。

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制作の仕事はバラエティ番組以外からでも

 

テレビ番組の制作、最初はバラエティ番組から始めなくても、というか、
わざわざ厳しいところから始めることはないと思います。

テレビというのは、どういう人たちが関わって作っているのか、
テレビが存在する意味ってなんなのか、
テレビは社会でどういう風に役立っているのか、
テレビ局の仕組みは、どういうものが企画になって、
どういうのが企画にならないのか、
どういう流れで番組は出来上がっていくのか、
テレビ制作ではどういうことに気をつけなければならないのか、
ネット動画とテレビの違いってなんなのか、
制作に大事なことはなんなのか──

そういう、制作の基本の基本を勉強できるのは、
必ずしもバラエティ番組だけではありません。

自分で見聞きして、体感して、
仕事をしながら制作の基礎から身に着けていく。それは、2年3年かかるけれども、

それから、方向転換するのは全然遅くないんです。
むしろ、基本的なことが分かっているスタッフということで、どこに行っても歓迎される。

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2年3年やっていくうちに、
自分が本当にやりたいことが見つかることだって、あるんです。

それがバラエティ番組とは限らない。
また、自分が得意なことというのもわかってくる。

見て好きなこと、やってみて好きだと思えたこと、やってみて楽しいと感じること、サクサク作業ができること。

これらは、同じようで、微妙に違う。

まずはやってみて、
違うと思えば、方向転換すればいい。

20代は、あなたが本当にやりたいこと
できることを見つける期間。そう思っていいんです。

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テレビ制作歴25年。テレビの業界の内側と、テレビ番組の裏側をわかりやすく発信していきます。


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