テレビ局の将来は終わったなんて言われている。
テレビ局がいちばんキラキラしていた時代を作ってきた先輩諸氏が、テレビ局はもう終わりだ、将来はないと、暗い表情でおっしゃるのも聞く。
果たして将来はないのでしょうか。
テレビ番組が人の仕事のきっかけになる
NHKのドキュメンタリーなんか見ていると、
時代の先端を突っ走っているようなクリエイティブな人が、
なぜ、その仕事をしているか、というインタビューを受けていて、
「学生時代にテレビ局の番組で見て知った」とか、
「テレビ局でやっていて、これなら自分でもできると思って」とか、
意外にテレビ局の番組がきっかけになっているのを知ることがある。
彼らにとっては将来を決めるきっかけになったということだ。
テレビ局の番組を見ない、
持っていない20代の若い世代の方々の中にも、
テレビ局に期待していたり、番組が支えだったりする、人もいる。
私はテレビ番組が大好きで、
朝は連続テレビ小説、
そしてそのまま、あさイチを見る。
帰宅してから、マツコか、松ちゃんか
WBSを追いかけるか、録画してあるのを倍速で見る。
これまでもそして将来もそんな生活をしていくと思う。
ときどき、
うわあ見てよかったなあ、と思うドキュメンタリーに出くわすと、
黙っていられずに、SNSにあげたり、
友人に話したりする。
いやいや余談になってしまったが、
こんなに素敵なコンテンツが
スイッチを入れただけで見られるのだから、
見ないのはほんとうにもったいない。
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テレビ番組の中にある膨大な情報量
NHKのドラマなんて、民放のと比較すると、
一つの画面の中を埋める情報量が半端ない。
インテリアや小道具がすばらしい。
時代ものであっても、隅々まで、モノが埋まっている。

もちろん、
細かいところを見ていけば、ボロも出てくるけど…
それは無粋だと思う。
そんな重箱の隅にこだわるのは、
素人がつくったテーマのないドキュメンタリーを
見せられているようなもんだ!。
あ、話しを戻します。
20代男女がテレビ局の番組を見ていないのは、すでにデータとなって表れており、
総務省のデータにも出ているし、
視聴率の世代別でみても、とにかく20代は見ていない。
だから将来も20代男女は見ないかもしれない。でも
なんで見ていないかっていうと、
「だって途中からじゃん」とツイートされていて、
そうか、動画がはじめから見られないから見ないのか。
ということが分かった。
だからといって将来がないのだろうか…
というか…
見たいときに、最初から見ることができれば、
復興のチャンスはあるわけです。
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テレビは受動的に情報が受け取れる
全国すべての20代が、
スマホやPCで、
見たい動画を探し当てられているわけではありません。
PCを持たない若者さえ増えていて、
すべてスマホですませているほどです。
スマホで使うのは、ラインとゲームだけ、の若者も多いのです。
自分で探す。検索する。ことをしない人も一定数、
しかも、高い割合でいます。
さらに言えば、
自分が見たいもの、知りたい事がない人もいるのです。
そうした人は、テレビ局が作る番組を頼りにする場合があります。
とりあえずそれを見ていれば、
今流行っていることもわかるし、
テレビ局が作る報道、情報番組では
世界情勢も把握できる、
経済の面倒な事も丁寧に解説してくれる、
売れているモノ、本、グルメもわかる、
ドラマでキュンキュンできるし、
バラエティを見て仕事のうっぷんを吹き飛ばすこともできるし、
ドキュメンタリーで感動もする、
最新治療について知る事もできるし、
芸能ニュースもわかる。
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テレビの長所から考える将来
知りたい情報はたくさんあるけれど、
供給される情報の中から、
知ってよかった、これを知りたかった! と思える情報って、
ほんのわずかで、
どれくらいかっていうと、
世界中の砂浜の砂粒の中から、
一粒を探し出すくらいの確率である。

例えば、あなたが子供なら、
世の中にはどんな職業があって、
どんな職業に自分が興味あるんだろう、って考えたときに、
自分で探し当てるっていうのは、不可能じゃないかと思う。
テレビ局の番組を見ていると、いろんな仕事と出会える。
楽しそうな職業、わくわくするような仕事、
つらそうな職業、謝っている偉い人、
絵ばかり描いている、スーツを着ている、
もじゃもじゃ頭でもまじめそう・・・・
いろんな人が登場するのを見て、
これならできる、将来こういう人物になりたい、
将来これをやってみたい。
そういう見方だってできるし、
実際にそう考える人達は多い。
突発的に、偶然に、見て、知る。
それができるのがテレビっていうものだと思う。
テレビ局の将来は?
そう思うと、将来がないとか
先がないなんて言えない。
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