活動写真が日本で上映されたのは、1896年のこと。たった120年前なんですね。
日本でテレビ放映が始まったのは、1953年。YouTubeが始まったのは、2005年。
YouTubeが始まってから、映像メディアは多様化しています。
映像業界といえば、映画かテレビだったのがネットにも広がっています。
映像や編集など特別な技術を持っていなくても気軽に投稿できて
かつ、人気が出ればスポンサーがついて、好きなことをしながら食べていける、楽しいことをして食べいけるイメージもあるようですね。
小学生の将来なりたい職業に急浮上しているのが、YouTuber。
ただ、親は子供にYouTuberになってほしくないようです。
テレビもYouTubeも映像を扱っていますが、何が違うのでしょうか。
関わる人数の違い
テレビは、大人数で制作します。
番組の最後のエンドロール。エンドロールが流れるとチャンネルを変える人も多いと思いますが、機会があればご覧になってみてください。
番組に関わったスタッフの名前が、時には読み取れないほどのスピードで流れていきます。
だいたい、50人から100人くらいの名前がクレジットされています。
一つの番組に関わる人数は、ちょっとした会社規模です。
役割は細分化されています。
- 企画する人
- 構成する人
- リサーチする人
- 管理する人
- 撮影する人
- 演じる人
- 仕切る人
- 小道具を揃える人
- セットをデザインする人
- セットを組み立てる人
- 照明をあてる人
- 音を録る人
- 台本を書く人
- 撮影する人
- 演出する人
- 編集する人
- キャスティングする人
- 衣装を揃える人
- メイクする人
- 番組を宣伝する人
- 音楽をつける人
などなど。
そして、番組は30分から2時間と長尺ものが多いです。
さらに放送日と放送時間が決まっています。
これは、テレビ局には、編成局という部署があるほど、どんな番組をいつ放送するかは、緻密に調査したり計算したりされています。季節や社会的なイベントも加味されますし、他局はどんな番組を流すのか予測をたてることもします。
改編期にもなると、各局、新番組の告知が始まりますが、それまでは、極秘扱いです。
一方、ネット。
動画投稿は、ほとんど、企画・出演・撮影・編集はほぼ1人。撮影者が別にいることもありますが、たいていが少人数。
テレビが組織で制作しているのに対して、ネットは個人や少人数が作っている、という違いがあります。
個人で作るので、自分のやりたいこと、表現したいこと、世界観が作れます。
プロデューサーやチーフディレクターにダメ出しされたり、厳しい指摘をされることなく、自由に表現ができます。
動画投稿は、尺を気にしなくていい、というのは利点です。
納品するべきタイムのフォーマットがない、というのは、気が楽です。
1分程度の短い尺でもいい、というか、短い方が見てもらいやすいようです。
それに、編成など気にすることもありません。好きなときに、好きな本数、好きな分数で投稿できます。
投稿したあと、リアクションをみて、修正することも可能。日々、ブラッシュアップすることができます。
テレビは電波、ネットは通信
電波に映像をのっけるのは技術的な知識をもっている専門スタッフが行うことなので、詳しくは説明ができないのですが、
大雑把に言うと、電波にのせるために、電波用のデータに変換しなくてはならないんです。
映像を送り出すための機械にテープ(データではなく未だにテープです)をガッシャンとセットして、スイッチオン。
とにかくなにもかもが前時代的で大がかり。
一斉に多くの人が、同じ映像を見て、情報を共有するためには、電波が適切だったのです。
テレビ放送というシステムは、人と機械と電波で関わりあっているので、技術が進んでいっても、機材をいきなり変更するというのは難しいんですね。
そうしたハードな機材は高額なものですから、一斉に新しいものに買い換える、というのはできないのです。
これが未だにテレビ業界がアナログなところが残っている原因の一つです。
大がかりなシステムになっているので、フットワークがきかないことが多々あります。
個人でできる最先端の編集作業が、テレビではできないことがたくさんあります。
アプリで簡単に映像を加工できますので、テレビならこんなこと、簡単でしょ、ということが、意外とできません。
視聴者目線でいうと、テレビは、局が編成してくれてますから、放っておいても色々な要素の映像を見ることができます。
- 情報
- 天気予報
- ニュース
- 芸能
- 流行もの
- 教養
- バラエティ
- ドラマ
- 音楽
- ドキュメンタリー
特に興味がなくても、引き付けられる映像に出会える可能性があります。
幼いころにテレビで見て、その世界を知ることができたから、その道を目指した、という人は少なくありません。
ドキュメンタリーで密着されていた人が、「なぜ、その仕事をしているのか」、というインタビューに
「こどものころにテレビで見て、こんなことができるのか、と知ったから」と答える人は意外と多くいます。
ネットは、自分で検索して、自分に当てはまる興味や関心をつきつめていくのに向いています。
料理好きなら、動画レシピで見ればいいし、新しいメイクを取り入れたければ、チークやアイシャドーの使い方を探っていくことで、テクニックを真似できます。
ゲームの攻略や家電の新商品を専門的に投稿しているYouTuberもいます。
特別に何か知りたいときには、ネットで検索するのが早い。
仕事として考える場合、どちらが儲かる、と断言することはできませんが
YouTuberとして知名度が高い方はテレビ業界で働くよりも儲かっている方も多いと思います。
なぜそんなに儲かるのか、といえば、それは、ご本人が24時間全てを動画にささげているような生活をしているから、というのと
自分が作ったコンテンツが半永久的に楽しんでもらえるものになる、つまり資産になるからでしょう。
動画を作ることが片手間の趣味ではなくて、プロの仕事として成り立っています。
そこにはビジネス的な目線もかなりあると思います。
視聴エリアの違い
テレビと動画投稿の違いで大きな違いはもう一つあります。
それは、テレビ番組は限られた人しか見れないのですが、YouTubeは世界中で見ることができるという
エリアの違いがあります。
テレビは、電波が届いている地域しか見ることができません。
全国ネットで10%の視聴率をとれたとしても、視聴者数は1000万人ほど。
YouTubeであれば、世界中で見られることができます。再生回数が世界中で1000万回越えることも可能です。
テレビの1000万と、YouTubeの1000万回、何が違うのかというと、テレビはながら見している人が多いこと。
テレビがつけているだけの状態かもしれないこと。
時計代わりにつけているだけかもしれません。
YouTubeは、これを見ようと、集中してみてくれています。
その動画のテーマに興味や関心が深い人、投稿者のファンの人がみてくれているので、集中してみてくれています。
テレビは幅広い企画が必要で、いろんな役割をもった人たちが集まって組織で作られるもの。
YouTubeは、ニッチな企画で、1人でワンオペで制作できるもの。
どちらもいい面もあれば、そうではない面もあります。
YouTuberのつらいところは、企画を日々、自分で考案していかなくてはならない、ということがあると思います。
映像が面白いか、そうではないか。
おもしろいと感じるのは、多種多様。
大人数が関わることで、いろんな方面から、面白くしよう!というアイデアが集まりますが、1人で制作をするYouTuberは1人っきりです。
最近ではUUUMなど、YouTuberをマネジメントする会社が上場して、企画面をバックアップする会社も登場しています。
企画だけではなくて、企業とYouTuberを結びつけています。
YouTuberを掬い取ってくれる組織も誕生しています。
これからますます、変容を遂げていく可能性があり、テレビとYouTube、
融合していくのか、それぞれ独自路線をいくのでしょうか。
ただ一つ言えることは、テレビ的な映像というのものを学ぶことによって、
視聴者にどのような映像が面白いと思ってもらえるのか、ということを感覚的に理解できるようにはなる、ということです。
テレビ業界で仕事をしていれば、自分でこだわって映像を作っていきたい、と思った時も
必ずその経験を活かしていくことができるでしょう。
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では今日はこのあたりで。