高校生から、
「将来テレビ番組の制作をしたいのですが、どんな大学を選べばいいのでしょうか。」と質問を受けました。
高校2年生の3学期になれば、進学相談や志望進路について、先生と相談する機会があるようです。
「映像制作が学べる大学に行ったほうが、有利になるのでしょうか。」
そんな質問もいただきました。
テレビ制作やテレビという媒体について学べる大学を、まとめてみます。
今回は関西地方で集めてみました。
見出し
立命館大学 映像学部
総合的な視点で映像を捉える映像文化の創造者を目指す
アート・ビジネス・テクノロジーの領域から映像にアプローチする総合大学ならでは の学びを展開。
広い視野を持ち、映像を目的に応じてプロデュースできる、確かな専門能力と深い教養、総合的な視点―「プロデューサー・マインド」を育みます。
とあります。
5つの学びのゾーン 「映画芸術」「ゲーム・エンターテインメント」「クリエイティブ・テクノロジー」「映像マネジメント」「社会映像」を横断し、自分にしかできない新しい領域をつくる。
「映画芸術×ゲーム・エンターテインメント」だと、ストーリー性のあるゲームの創出。
「映画芸術×社会映像」だと、映画の手法でドキュメンタリー制作。
「映画芸術×クリエイティブ・テクノロジー」だと、最新映像技術を使った映画作成。
などなど、視野が広がりそうですね。
1回生から「映像制作実習」がスタート。
演出、シナリオ、撮影・照明、音響、編集、など映像制作に必要な基本的表現について学びます。
京都太秦の松竹京都撮影所と連携した大学専用の実習施設があるようです。
就職先は
- 映画制作会社
- 映像制作会社
- 番組制作会社
- CM制作会社
- ゲーム制作会社
- コンテンツ、ソーシャルメディアサービス系
など
大阪芸術大学
放送学科 制作コース
コンテンツと呼ばれる各種番組の制作について、多面的に学ぶコースです。
「ラジオ実習」「ドラマ実習」「ドキュメンタリー実習」「スタジオ・中継実習」の4つの方向が用意されており、そのいずれかを選択します。
どの実習の場合も、学生自身がプロ仕様の機器を実際に使い、プロの手順で制作していきます。
また放送報道論、放送映像論、放送音響論、放送脚本論など、放送に関わる多くの講義が用意されており、知識を深めながら判断力を高めていきます。
いわば、放送という業務の全体像を俯瞰し、その中で各仕事の詳細を理解していくコースです。
番組制作について学べる大学には、テレビ局のようなスタジオ施設や副調整室が実習用設備として備わっていますが、
こちらの大学には、実習用のテレビ中継車もあります。
教授陣は、テレビ番組制作を実際に経験してきたディレクターやプロデューサー。
テレビ番組制作の現場そのものを学べます。
卒業したら、即戦力となりそうですね。
映像学科 映像コース
将来、ドラマの制作をしたいのなら、映像学科の「映像コース」か、「映画コース」のどちらかがよさそう。
「映像コース」では、短編ドラマを実際に制作していきます。
3・4年次の2年間で、10~20分の短編ドラマなどをつくります。
短編制作は長編とは異なる難しさがあります。
「短編ドラマとは何か」を充分に考慮した素材を選定した上で、脚本を執筆し、制作を進めることが大切です。
また映像作品の成否を決める企画やシナリオを重視し、作者の思いやねらいを、いかに見る人に理解させるか、つまり「わかりやすい作品」という、プロの作品への扉を開けることを中心とした指導がおこなわれます。
大手前大学 メディア・芸術学部 メディアコース メディアコミュニケーション専攻
私たちは情報メディア(新聞、テレビ、スマートフォンなど)を通じて築かれるメディア文化の中で暮らしています。
多様なメディアから伝えられる情報をいかに読み解き、どのようにそれを利活用して情報発信をしていくか。
メディアコミュニケーション専攻では、あらゆる業界で活躍するための基盤となるメディア・リテラシーの修得をめざします。
こちらの大学では映像制作という実習よりも、メディアが果たす社会的な役割を学んでいきます。
私たちはさまざまなメディアに接しています。
見ようと思わなくても、いたるところから情報が入ってくる環境のなかで、どの情報が自分にとって必要か、というのは瞬時に取捨選択しています。
その情報が正しいのかどうかは、自身で判断することが必要。
こうしたメディアが果たす役割や、どんな意識で制作するのか、という感性を磨けそうな学科です。
京都造形芸術大学 映画学科
本コースでは、スタジオにセットを建てて撮影出来る環境が完備されており、カメラ、照明、録音などの機材も入学時から使用可能です。
1年次から教員と密接に関わり、企画、脚本、演出、撮影、照明、録音、編集、美術など基本から学習していきます。
単に映画技術の習得だけではなく、映画という集団制作の中で長い時間をかけてひとつひとつの問題を解決することで、社会に出たとき役に立つコミュニケーション力を向上させます。
また個人での発信力が集団制作を支えるという考えのもとに、個人での制作の授業もあります。
学べる分野は
- 監督
- 撮影
- 照明
- 録音
- 映画美術
- 編集
- 脚本
- プロデュース
- 配給・宣伝
- 映画批評・研究。
映画に関するあらゆる方面のことが学べますね。
映画だけではなくて、ドラマ制作をしたい人や、テレビ業界でも撮影や編集、美術など技術方面へ進みたい人によさそうです。
京都造形芸術大学 美術工芸学科 写真・映像コース
こちらの学部は、1年次に大判カメラと銀塩フィルムを使用して、写真撮影と暗室作業を学ぶんだそうです。
時間をかけて撮影・現像することで、対象物と向き合いながらテーマを見つけていく過程を大事にしています。
「撮影」という行為に興味はあるけど、どんな機材が向いているのか、その機材で何を撮りたいのか、が漠然としている人にとって、親切な学部ですね。
また、スマホや小型カメラを駆使して機動性のある撮影をしながら映像制作の基礎を学んでいくそう。
2年次にはドローンやアクションカムなど最新の機材を扱う実習があり、撮影機材を駆使して自分なりの表現をしていく技術が身に付きそうです。
この学部では、チームワークで作品を作るというよりは、個人で作品を作ることが多いようです。
テレビという制作の組織よりは、個人が何をテーマにして、どう撮影していきたいか、が学べそうです。
最初の大型カメラを扱うことで、時間をかけて撮影対象を探したり撮影したりすることで、自分と向き合えそうですね。
自分と向き合う。表現方法を知る。というのも、大学だからこそできること。
京都精華大学 芸術学部 造形学科 映像専攻
映画やテレビドラマのようにストーリーがあって成り立つ映像だけでなく、映像そのものの力で人の心を動かす「アートとしての映像」を学ぶのが映像専攻の特徴。
たとえば、建物や壁に映像を投影するプロジェクションマッピングや、楽曲の世界観を表現するミュージックビデオ、CGやクレイアニメを使ったアニメーションなどの制作を通して、映像による芸術表現を学んでいきます。
また、卒業後にチームで制作することを見すえて、映画監督や映像作家、CMディレクターと一緒に作品をつくるワークショップ形式の授業も用意しています。
こちらの大学では「アート」としての映像が学べます。
テレビ制作のこれからは、こうしたアート的な表現がもっと必要とされるでしょう。
バラエティ番組や教養番組では、ゲーム的な見せ方をしたり、CGで説明したり、が増えています。
一番興味がわく方へ進もう
今回は、関西方面の大学を集めてみました。
テレビ制作や映像制作について、しっかり学べる大学もあれば
テレビの役割を社会全般から学べるメディア論として学べる大学もあり
一連の制作過程が身に付く大学もあれば、最先端映像技術を学べる大学もありますね。
大学の4年間は、やってみたいこと、興味あることにどんどん手を出していける期間です。
そのなかから、最終的に、いちばん楽しいことに絞り込んでいけばいいと思います。
進路や進学についてのご相談はLINE@からどうぞ。
関連記事:大学と専門学校・どちらがテレビの仕事に就きやすいか