CM総合研究所から2022年度(2021年11月度~2022年10月度)のCM好感度ランキングが発表されました。
2022年度 銘柄別CM好感度トップ10(全6833銘柄中)は以下の通りです。
順位 | 企業名『銘柄名』 | 代表作品名 |
---|---|---|
1 | KDDI『au』 | 「三太郎シリーズ:進め!そっちだ!」篇 |
2 | リクルート『タウンワーク』 | 「吊り橋」篇 |
3 | ユニクロ『UNIQLO』 | 「ワイドパンツはみんなのものへ。」篇 |
4 | アサヒビール『アサヒ生ビール』 | 「2022年もおつかれ生です」篇 |
5 | KDDI『UQ』 | 「UQUEEN・カモの親子」篇 |
6 | Uber Eats Japan『Uber Eats』 | 「今夜、私が頂くのは…帽子」篇 |
7 | ソフトバンク『ワイモバイル』 | 「家族はいいのだ」篇 |
8 | サントリーホールディングス『BOSS』 | 「宇宙人ジョーンズ・禁じられた惑星」後篇 |
9 | 出前館『出前館』 | 「Demaecanしよ?スイーツ」篇 |
10 | アサヒビール『スーパードライ』 | 「最高の渇きに。イチロー」篇 |
CM総合研究所のサイトによると、このCM好感度というのは、モニターにノーヒントで「好きなCM、印象に残ったCM」をアンケート用紙に直筆で回答してもらっているそうです。
さらに好感した理由を15項目から選び(複数回答可)、商品・サービスについて「ためしてみたい」「ためしたくはない」「愛用している」「愛用をやめている」のいずれかを回答します。
CM総合研究所 CM好感度とは より引用
この結果より、最近のCMの流行や、どのようなポイントが消費者に好まれるのか、ということを考えてみたいと思います。
1位は8年連続のau
まず1位はKDDI「au」でしたが、
auはなんと8年連続の好感度ランキング1位獲得です。
「三太郎」シリーズには物語性があり、定期的に新作が放映されています。
このように、コンセプトがあり、物語で見せていくCMをすることによって、多くの方の記憶に残りやすい仕掛けがしてあるな、と感じます。
CM出演者もどんどん増えており、次は誰が登場するのか、どんな物語展開になっていくのか、ということを視聴者に期待させる力がありますよね。
CMをある程度たくさん本数を打っており、
さらに定期的にCMを放映する、というのが大切ですね。
もちろんその度に制作を行うわけですし、大量のCMを打ち続けるというのは予算的にかなり大変です。
ただ、定期的にCMを放映し続けることによって、「思い出してもらう機会が多くなる」というのは間違いないでしょう。
例えば地方ローカルなんかでよくみる「地元でずっと昔からやってるCM」というのがあると思います。
あれも、認知度で言えばもう充分そのエリアに住んでいる人には認知されているものでしょう。
それでもCMをし続けるというのは、「思い出してもらうため」もっと言えば、「忘れられないため」なのです。
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タレントの持つ力が強い
第2位を獲得したリクルートの「タウンワーク」は、木村拓哉さんと芦田愛菜さんが出演。
芦田愛菜さんは他にも「Uber Ears」「ワイモバイル」とトップ10の中に入っているCMに出演されています。
トップ10以外には「ECC」「日立」「サントリー」など、合わせて18社のCMに出演。
木村拓哉さんも、「日産」「日本マクドナルド」など、合わせて7社のCMに出演されていらっしゃいます。
タレントさんによる訴求力やイメージ力というのはとても強いものがあるように思いますね。
CM制作時、タレントさんのギャラ部分が一番変動するコストではありますが、
ここに予算を割けるのであれば、好感度の高いCMを狙う場合、好感度が高いタレントさんをキャスティングする、というのが定石かと思われます。
CMのトレンド
日本の産業が変わっていくとともに、CM好感度ランキングで上位に入ってくるCMにもまた変化が見られるようです。
- 1980〜1990年代は自動車産業
- 2000年代は携帯キャリア
そして近年上位に上がりつつあるのが衣食住関連。
今年はUNIQLOが初めての年間トップ3入りとなりました。
衣食住関連で言うと、
- 4位アサヒビール「アサヒ生ビール」
- 6位Uber Eats Japan「Uber Eats」
- 8位サントリー「BOSS」
- 9位出前館「出前館」
- 10位アサヒビール「スーパードライ」
衣食住は特に低単価なものが多く、CM好感度が商品への好感度にも繋がりやすい分野だと言えるでしょう。
そのため、いかに生活の中に入り込んでいくイメージを持ってもらえるようなCMにするか、というところが肝心になってきそうです。
CMを見て「その洋服を着ている自分」「それを飲んでいる自分」、というように、
自分がその商品を手に取っている姿を想像してもらえると、消費行動に繋がっていくと思います。
