日本のテレビCMと海外のテレビCMだと、作りが全く違うということがわかります。
例えば日本企業が広告主となるCMも、日本をターゲットにするのと、海外でのプロモーションでは内容が全く異なってくるんですよね。
今回は日本のテレビCMと海外のテレビCMの違いについて、
広告代理店のライズアドバートが解説してみたいと思います。
国内だけにとどまらず、国外にもプロモーションをすることを考えている企業さまには、ぜひ読んで頂ければと思います。
広告のルールが大きく異なる
まず国内と国外で大きく異なるのは広告のルール。
日本では「こういった表現は使ってはいけない」というルールが広告業界の中で細かく定義されています。
詳しい内容に関しては別の記事で解説しております。
例えば分かりやすいもので言うと、比較表現です。
日本では、商品のテレビCMを行う時に競合商品の名前を出して「あれに比べたらこっちの方が断然良い!」というような表現をすることはできません。
そこに科学的根拠があって、そのデータソースもしっかりしたものであれば、こういった比較表現が可能な場合もありますが、
そもそもこのような「他のものを落として自身を上げる」というような表現は消費者にも印象が悪いでしょう。
これはもう日本の文化的背景から言えることだと思います。
協調性を重んじる国民性というのがありますよね。
それに対して、例えばアメリカではこういった比較表現がバシバシ使われます。
コーラVSペプシの熾烈な戦いは多くの方がご存知でしょう。
また選挙シーズンになると敵対する政党を貶めるようなネガティブキャンペーンを行うCMがずっと流れているのがアメリカのテレビです笑
日本では禁止されている表現も、アメリカでは当たり前のように流れている。(※ヨーロッパだとアメリカほど比較表現に対して寛容ではありません)
それが視聴者にも受け入れられているわけですから、やはり国外へのプロモーションを行う時は、その国の文化や国民性をしっかりと学んで、プロモーション内容を企画していく必要がありますね。
弊社でも海外のクライアントさまからお問い合わせをいただくことがありますが、
日本のCMでできないことを説明するということはやはり最初にしておかなくてはいけないことです。
なかなか全てをお伝えするのは難しいものの、どういったプロモーションを行いたいのか、に合わせて、できることの中からご提案させていただく形です。
タレントにイメージを任せる日本、ストーリーに重きを置く欧米
日本のCMでは、有名タレントが多く起用されています。
日本では「アイドルの誰々がCMに起用されているから、あの商品を買ってみよう」という消費行動をとる人も多いので、とても有効な手段でしょう。
同じ商品・ブランドには同じ有名タレントが長期的に起用される、ということもよくあることです。
〇〇のCMならあの人!みたいなのがありますよね。
逆にタレントに不祥事があると、CMも降板になったり、イメージが悪くなってしまったことによる訴訟なんかも起こりますね。
これに対して、欧米のCMはストーリー性のあるCMが多く、
有名タレントが起用されるよりも、物語勝負、アイデア勝負といったものが多いです。
一時期私もヨーロッパで生活をしていたことがありますが、ハンドクリームのCMなのにずっと踊っていたり、
スーパーのCMで、スーパーの商品を使ってお菓子作りをする、というようなCMが流れていてびっくりしました。
しかも出演者は美男美女というよりは、一般人のような方が多いのです。
プロポーションも抜群!というわけではなく、本当に近所にいそうな人、という感じなんですよね。
これもきっと国民性や文化が関係しているのだと思います。
有名なタレントが使っているから、という理由では海外では商品は売れないのでしょう。
日本は人種が多様ではないので、文化が単一化されている、つまり好感度が高いタレントというのはちゃんと万人受けするのです。
逆に海外では文化が単一ではなく、人種も多様なことが多いです。
なので誰か一人に商品やブランドのイメージを任せるのではなく、
その商品そのものが持っている魅力やそこに詰まったストーリーを引き出すCMを作らなくてはいけないのです。
関連記事:CM制作をする時にヒアリングさせていただく5W1H
国外プロモーションでは、全く違う視点が求められる
国外のプロモーションを行う時は全く違う視点が求められるということがよくわかったかと思います。
まずは人種・歴史・文化について学んでいく必要があります。
現地のCMもたくさん見てみると、日本のCMとの違いがだんだんわかるようになってくるかと思います。
欧米という言い方をすることもありますが、アメリカとヨーロッパではまた全然違ったりもします。
文化的に受け入れられないことをしてしまうと、大きなネガキャンになる可能性もありますので、
できれば現地のテレビ局スタッフともコミュニケーションをとりながら、受け入れてもらえるCMを目指したいですね。
もちろん弊社でもお取り扱い可能ですので、お気軽にご連絡ください。
関連記事:CM制作をする時にヒアリングさせていただく5W1H