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テレビの放送基準とは?どんなことが定められている?

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テレビの放送には放送基準というルールが設けられており、

「こういう表現をしてはいけません」という内容が細かく決められています。

最近はYouTubeの台頭により、テレビ番組がインターネットコンテンツと比べられる機会が増えましたが、

こうした明確なルールがあり、たくさんの人の目で確認をして、「マスメディアが取り扱う内容として適したものになっているかどうか」ということを考えて作られているのは、やはりテレビ媒体の特徴で、

安心して視聴者の方に見てもらうために配慮がなされているというメリットがテレビ放送にはあります。

テレビ局はそれぞれが独立した企業という位置付けではあるのですが、

テレビ局同士のネットワークがあり、日本民間放送連盟という組織において、放送基準が定義されています。

日本民間放送連盟は民間の基幹放送事業者による放送倫理水準の工場、ならびに業界の中での共通課題への対応を目的に設立された非営利団体です。

今回はこのテレビ放送の放送基準について、

どのようなルールがあるのか、ということをざっくりと解説してみたいと思います。

放送基準の構成

日本民間放送連盟が定めている放送基準は以下のような内容で構成されています。

前文
1章 人  権
2章 法と政治
3章 児童および青少年への配慮
4章 家庭と社会
5章 教育・教養の向上
6章 報道の責任
7章 宗  教
8章 表現上の配慮
9章 暴力表現
10章 犯罪表現
11章 性表現
12章 視聴者の参加と懸賞・景品の取り扱い
13章 広告の責任
14章 広告の取り扱い
15章 広告の表現
16章 医療・医薬品・化粧品などの広告
17章 金融・不動産の広告
18章 広告の時間基準
(付)放送音楽などの取り扱い内規
(付)児童向けコマーシャルに関する留意事項

日本民間放送連盟 放送基準より引用

老若男女問わず、多くの人に届けることができる放送という事業は、

逆を言えば、不快なものであったとしても、受け取り手が受動的に受け取ってしまう情報でもあります。

インターネットの情報は「何かを調べたいと思って検索して能動的に取りにいく情報」ですが、

テレビ放送は「テレビを点けたら流れている」ので、受動的に受け取る情報なんですよね。

だからこそ、誰が受け取ってもなるべく不快な気持ちにならないように、安心して見てもらえるように配慮されているのです。

放送基準の構成としては、

まず前文があり、ここに放送基準の理念が示されています。

その後、第1章〜第12章までが番組内容に関する章です。

それに続いて第13章〜第18章までが、広告に関する章となっています。

番組内容として定められていること

第1章〜第12章の中では、

  • 人権を害するようなものや差別につながる表現をしないこと。
  • 法令を尊重し、それを妨げない。政治に関しては公正な立場を守ること。
  • 児童や青少年の人格形成悪影響になるような内容は避ける。
  • 家庭生活を尊重し、社旗の秩序を乱すような言動は肯定的に取り扱わない。
  • 教育番組は社会人として役立つ知識や資料などを放送する。
  • 報道は事実に基づいて報道し、公正であること。
  • 信教の自由を尊重すること。
  • 放送時間に応じて視聴者の生活を考慮し、不快な思いをさせない。
  • 暴力行為の表現は最小限にとどめる。
  • 犯罪を肯定しない。
  • 性に関する内容は視聴者に困惑・嫌悪を抱かせないよう注意する。
  • 視聴者に参加の機会を広く均等に与えるよう努める。

といったようなことが定められています。(抜粋し、内容を端的にして記載しておりますので、全文は引用先よりご確認ください)

簡単に言えば、とにかく、

  • 公平であること
  • 視聴者に不快な気持ちを与えないこと
  • センシティブな内容について、取り扱う時は十分注意すること

というようなことが言われています。

広く色々なジャンルを取り扱うのがテレビ放送ですので、こういった姿勢で放送をしていますという基準はやはり明確にあった方が良いですよね。

制作スタッフも、この精神をもって日々制作に取り組んでいますし、

取り扱う内容によって、「本当にこの表現で良いのか」ということは常に考えています。

関連記事:テレビ番組制作でスタッフが意識している「わかりやすさ」とは

広告について

広告に関する章では主に、以下のようなことが定められています。

  • 広告は真実を伝え、視聴者に利益をもたらすものでなければならない。
  • 広告は広告だとわかりやすくする。
  • 広告が事実であっても、他を誹謗中傷してはならない
  • 広告は放送時間を考慮し、不快な感じを与えない
  • 医療や健康に関わるものは薬事法などに触れるおそれのあるものは取り扱わない
  • 金融業の広告は視聴者の利益に反するものは取り扱わない
  • 週間のコマーシャルの総量は、総放送時間の18%以内とする

(抜粋し、内容を端的にして記載しておりますので、全文は引用先よりご確認ください)

テレビ番組の中で放送されるCMは、

番組本編とは違い、広告である、ということが明確にわかるようにするよう定められています。

広告出稿側としては「自然に広告に触れて欲しい」という気持ちもあるとは思うのですが、

視聴者が「これは広告である」ということを認知した上で広告に触れるよう、放送基準では定めており、広告か本編かわからないような作りにすることは禁止されているのです。

関連記事:CMの考査基準について、広告代理店が解説します!

これからもしテレビを作る側になるのであれば、

一度この放送基準に目を通しておくと良いでしょう。

ABOUT ME
長倉 さやか
ライズプランニング(広告部)」の長倉です。広告手段としてのテレビの使い方やテレビメディアの楽しさを多くの人に知ってもらえるように執筆しております。


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