テレビ番組を見ていると番組の間に挟んであるテレビCMも一緒に見ることになりますが、
番組の内容が気になるのに「またCMだ〜〜〜!」となることありますよね笑
テレビ局はそのCMによって事業が成り立っています。
CM多いな〜!と思うこともあるかもしれませんが、
一応テレビ業界では、1週間のうちにCMの総量が総放送時間の18%以内になるよう、基準を定めているんですね。
テレビ局にとってはCMの放送枠というのはとても大切な収入源となる枠なのですが、
テレビ番組を楽しく見てくださる視聴者の方のために、見やすい放送になるよう、色々な配慮はしているのです。
そしてテレビCMの放送量を定めているのがこのCM総量規制です。
CM総量規制とは
1週間のうちの全部の放送時間のうち、CM放送ができる量を、
日本民間放送連盟では、18%以内としています。
これがCM総量規制です。
さらに、プライムタイム(局の定める午後6時から午後11時までの間の連続した3時間半)の中の番組内では、番組の長さによってそれぞれに規定があります。
- 5分以内の番組…1分00秒
- 10分以内の番組…2分00秒
- 20分以内の番組…2分30秒
- 30分以内の番組…3分00秒
- 40分以内の番組…4分00秒
- 50分以内の番組…5分00秒
- 60分以内の番組…6分00秒
- 60分以上の番組は上記の時間量を準用する。
※日本民間放送連盟放送基準より引用
ただし、スポーツ中継については各放送局によって規定が異なり、
オリンピックやサッカーワールドカップなどの全国で放送されるようなものに関しては、CMの流し方や総量が通常とは異なります。
つまり1週間のうちの総量にも規制がある上で、
さらにプライムタイムに関してはさらに細かく規定がある、ということですね。
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テレビ局はそれぞれ別企業だけど、連携している
地上波の民放テレビ放送局は127局あります。
大きく分けると、
- 放送規模の大きいキー局
- 地方のローカル局
- 広域圏のうちの特定の県域で放送をしている独立県域局(13局)
の3つのタイプに分けることができます。
それぞれのテレビ局は別の会社ですが、
テレビ局全体で連携してネットワークを形成しています。
一番大きい規模で放送を行っているのが、東京にある
- 日本テレビ
- TBS
- フジテレビ
- テレビ朝日
- テレビ東京
の在京5局で、
次に規模が大きいのが、大阪、名古屋の10局となり、これらは準キー局と呼ばれています。
そして最後に全国各地にあるローカル局、というように繋がっており、
このネットワークを利用して全国に放送される番組のことをネット番組、特定のエリアでしか放送されない番組をローカル番組、と呼んでいます。
最近はローカル番組として始まった番組が人気を博して、全国ネットデビュー、なんていうケースもよく見るようになりました。
そんな番組で一番有名と言っても過言ではないのがやはり『水曜どうでしょう』ではないでしょうか。
私も好きでよく見てしまいます笑
水曜どうでしょうはもともと北海等テレビ(HTB)が制作していた深夜のバラエティ番組です。
人気が出て全国各地で放送されていましたが、ついに2007年に47都道府県全てで放送された、とのことでした。
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テレビ局のネットワークはどうして必要?
このようにテレビ局がネットワークを形成しているのにはどのような理由があるのでしょうか?
報道をより速く、地域性も大切に
民間放送局では地域ごとに電波が割り当てられているので1局で全国全ての報道を行うことができません。
そのため、ネットワークを組んで、地域ごとに分担をして、それをキー局が番組として編集したのちに、各系列局で放送を行っています。
報道番組にも地域性があり、
そのエリアに住んでいる人に必要な情報が迅速に届けられるように工夫されているんですね。
お天気なんかは良い例で、
出張や旅行などで移動をすると、その地域のお天気がわかるようにニュースが作られているはずです。
お天気以外にも、ここに新店舗がオープンします、だとか、今日はここでこんなイベントをしていますので来てみました〜というような内容で情報番組が作られています。
普段住んでいるエリアから離れてテレビを見る時は、ぜひその地域性に注目してテレビ番組を見てみてください。
番組販売などを行い、充実したコンテンツ作り
全てのテレビ局で、番組を放送している時間帯の番組を全部制作しているわけではありません。
ほとんどはキー局や準キー局が中心となって番組を制作しており、
地方局が自社で制作している番組は多くても、全体の2〜3割程度です。
このようにテレビ局同士が連携して、別のテレビ局が作った番組を買い取る形で放送している番組は多く、
これを番組販売(ばんはん)と言ったりします。
こうして番組をシェアすることによって、コンテンツを充実させているんですね。
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このように、テレビ局はそれぞれが独立した企業ではあるのですが、ネットワークを形成し、協力しあって放送業界は成り立っています。
そのため、全てのテレビ局で「こういう時はこういうルールでやりましょうね」という基準を設けており、
CM総量規制もそのルールのうちの一つなのです。