テレビCMをする際には大きく分けると業態考査とCM素材の考査の2つがありますが、
そもそもテレビは公共の電波であるという前提があるので、
それ以外にも表現上の配慮というのもあります。
これは放送内容全般にかかわることなので、番組だけでなくCMにも関わってきます。
今回はCMにもかかわる表現の配慮点について書いてみたいと思いますので
CMを作る際の参考にしてもらいたいと思います。
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CMに適正な言葉について
CMにはわかりやすい言葉と文字を用いるように努める配慮が必要です。
テレビは不特定多数の人が見るものなので、一般視聴者が理解しにくいような言葉、また文字の使用も、大げさではなくまた不足しない言葉の選別が必要なんですね。
一部の人にしか理解できないような業界用語や隠語、楽屋落ちの類はできるだけ避けるかわかるように表示する配慮が望ましいとされています。
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CM放送時間への配慮
CMの内容は放送時間に応じて視聴者の生活状態を考慮し、不快な感じを与えないようにする配慮が必要です。
例えば、食事時に流れるCMは食事にふさわしくない内容は避けるよう配慮したほうが望ましいです。
時間帯を選ばないスポット型のCMを打つ場合、または食事時を狙ってCMを打つような場合は食事時に不快感を感じるようなCMにならないようにしましょう。
少し普段の食事の時間からずれた時間に食事をしながらテレビを見ていると、ゴキブリ退治のための薬品のCMを見てしまって「うわっ」となってしまった経験みなさんにもないでしょうか?
やはりそういったCMは時間の配慮は必要になりますよね。
基本的に生活時間に応じた感情や心理を考え不快な印象を与えないような配慮が必要です。
深夜帯は小さな子供が見ていない時間帯ですが、とはいえ過激にならないよう、適正な就寝の妨げにならないような配慮が必要ですね。
方言の配慮
方言を使う時はその方言を日常使っている人々に不快な感じを与えないように配慮しなければいけません。
方言やなまりを揶揄して使用することは慎むべきです。
方言は確かに面白い雰囲気になることが多いですが、それを日常的に使っている人がCMを見た時に不快なものになっていると、大衆向けとは言えません。
CMにおいては方言は一部の人に不快感を与えることが往々にして起きやすいので、避ける傾向があります。
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芸術に関するもの
たとえ芸術性を主眼とするCMであっても不快な感じを与えるような下品な表現、卑猥な表現は避ける配慮をする必要があります。
外国の芸術や、風習、週間、伝統などをCMに用いる際は日本との違いを配慮し、誤解を与えることのないようなものにします。
また、たとえ芸術性があるとしても心中、自殺に関すること、人命尊重は基本理念であるので、否定的な内容にならない配慮が必要です。
芸術には表現の自由がありますが、テレビCMは多くの人に届けられるものであり、
CMは芸術ではなくあくまで広告になりますので、やはり最低限の配慮は必要になってきます。
精神的肉体的に障害のある人への配慮
精神的肉体的に障害がある人に関連するCMの場合これらの人々の感情に配慮しなくてはいけません。
本人のみならず、家族や関係者の立場を十分に配慮しその感情を害さないように注意するべきとされています。
作り手だけの目線で制作すると見落としがちになってしまうポイントですね。
残虐、悲惨な表現を避ける配慮
病的、残虐、悲惨、虐待などの情景を表現するときは視聴者に嫌悪感を与えないようにします。
インパクトを与えるのが目的であっても、嫌悪感を与えてしまう可能性がつよいので、そのような表現は避けておきましょう。
特に年齢制限がついている映画作品やゲームなどのCMに関しては配慮しなくてはいけないことが多くなるかと思います。
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不安、焦燥感、あるいは楽観への配慮
医療医薬品関係のCM考査はとりわけ厳しいのです特にそうですが、医療医薬品関係以外においてもCMにおいては安全で正確な情報である配慮が必要です。
健康に関することについてはその人が置かれている立場に応じて反応が様々であるため、大げさな表現になっていないか、期待や不安をあおっていないかの配慮すべきです。
逆に必要以上に楽観してしまうような表現も問題があるので、配慮が必要になります。
人体の健康に関する商材に関しては全般的に配慮が必要という認識だと良いと思います。
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迷信、伝説など
迷信を肯定的に取り上げるような表現は使わない配慮が必要になります。
良識から見て非科学的な迷信や、これに類するもの
- 人相
- 手相
- 印相
- 家相
- 墓相
- 風水
- 運命
- 運勢鑑定
- 霊感
- 霊能
などは断定的に扱わないこと。
伝説を取り上げる場合も、問題ないが誤解のないような配慮が必要です。
これらに関してはなかなかCM表現が難しいので、BSやCS、もしくは独立局などの、考査が比較的ゆるいテレビ局でないと、放送ができないかもしれません。
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サブリミナル的手法
視聴者が通常完治し得ない方法によって何らかのメッセージの伝達を行う方法、いわゆるサブリミナル的表現方法は公正とは言えないので注意する必要があります。
一度問題になったことがありましたが、感知できない映像や音声を挿入することにより、何らかの効果を狙う行動は、潜在意識に訴えようとする意図の有無にかかわらず、放送には適さないので、行ってはいけません。
また短いカットの積み重ねや編集や、画面を強調するための白身、砂あらしなどの手法も、必ずしも制限するものではないですが、配慮が必要です。
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視聴者への身体への影響の配慮
細かく点滅する映像を使うCMは視聴者への身体の影響を配慮するする必要があります。
また、急激に変化する映像手法についても同様に視聴者への身体の影響を配慮しましょう。
- 鮮やかな赤の点滅
- コントラストの強い画面の反転
- 規則的なパターン模様を使用する場合
これらは注意が必要です。
光感受性を持つ視聴者もいるので、その発作を誘発しないよう配慮が必要で、発達途中の児童、青少年などへの影響も考えて制作するべきとされています。
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音楽の取り扱いについて
CMに関しては番組ほど音楽の取り扱いについて敏感ではないと言えますが、それでも使用する音楽については配慮が必要です。
- 基本的に音楽についてはCMに付随する音楽であっても公序良俗に反し、家庭、特に児童、青少年に好ましくない影響を与えるものを放送に使用することは差し控える。
- 人種、民族国民、国家について誇りを傷つけるもの、国際親善上悪い影響を及ぼす可能性のあるものは使用しない。
- 個人団体等の名誉を傷つけるものは使用しない。
- 心身に障害のある人々の感情を傷つけるおそれのあるものは使用しない。
など。
ここにあげた以外にも配慮しなければいけないことは様々あるので、CMにおいては、広告代理店と相談しながら慎重に進めていくと良いと思います。
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