今回は靴のCMをする場合について、効果的な方法について考えてみたいと思います。
一年で購入する靴の数はどれくらい?
そもそも靴の需要はどれくらいあるのかについてですが、
ある調査によると年間で購入する靴の数は男女とも一足という答えが最も多く
男性の約40%、女性の約30%の人が一年間に購入する靴の数は一足と答えています。
また男性の場合は年間2足購入する人が約25%、3足が約10%と減っていくのに対し
女性の場合は2足が約27%、3足の人が約20%のように、減り方が少ないのが特徴です。
年間2足以上買うのは女性の方が多いということですね。
また年間4足以上になると数値はぐっと減ってしまいますし、
一方で年間1足も靴を買わないという人も意外に多く、男性で約25%、女性でも約10%はいることがわかっています。
靴に興味が無い人が男性の場合5人に一人程度はいるようです。
また買うタイミングとしては
- 痛んできたから…約85%
- 安かったから…約30%
- 運動、雨用、行事用に必要だった…約20%
のようになっています。痛んできたという理由が一番目に来るのは当然ともいえますが、
2番目に安売りが来ていることから、バーゲンをすることはかなり効果があることもわかりますね。
その他女性は季節の変わり目に買う、用途に合わせて買うという答えが男性よりも多くなっており、全体としては靴への興味はやはり女性の方が強いことがうかがえます。
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靴を選ぶときに何を重視するのか
次に靴を購入する際に何を重視するのかについてですが、ある調査によると
- 歩きやすさ
- デザイン
- フィット感
のような結果が出ています。
また、デザインについては、約7割の人が色がまず気になると答えていますので
色から入って、サイズ、履き心地などの歩きやすさ、フィット感を確認するというのが実際の流れなのではないでしょうか。
最近の傾向・スニーカーの用途が広がった
最近の傾向として大きな変化はスニーカーの定着ということがあります。
かつては靴と言えば革靴が主流でしたが、2000年代になってライフスタイルにスニーカーが根付いてきました。
かつてスニーカーは運動時に履く靴だったのですが、運動以外の普通の生活においてもスニーカーを履くという生活が浸透してきました。
そもそも皮革を商品として使えるようにするための処理は手間と費用がかかります。
その対策として作られた人工皮革の品質が良くなってくると、若い世代を中心として
本物の皮革と人工皮革の差を感じなくなり、値段の安さも手伝って皮の貴重性が薄れてきました。
更に機能性が高いスニーカーなどの靴がスポーツ時だけでなく日常生活に取り入れられていった経緯は靴業界に大きな変化を与え続けてきたといって良いでしょう。
2017年にはスポーツシューズが前年比約10%の伸びとなり、その後増え続けて2000年代にはすっかり定着した一方で
パンプスのような靴は減り続けるという傾向になっています。
カジュアルへの移行はアメリカの例を見ても、元に戻ることは無く履き心地重視、歩きやすさ重視は更に増えて、TPOの配慮は必要はですが、日ごろはカジュアルという路線は全世代にさらに定着していくと思います。
靴をどこで買うのか
では靴をどこで購入するのかについてですが、
- 駅ビル
- デパート
- ショッピングモール
- 靴専門チェーン
- ECサイト等ネットで
のようになっています。
この中で靴専門チェーンと答えた人が約6割おり、かなりの人数を占めていることがわかっています。
またネットで購入するという人も約2割おり、この中には靴を履かずに買う人の他、実際に履いてみた後ネットで購入するという人もいます。
靴を履かずに買う場合も、買ったことがあるブランドであることが多く、メーカーによる靴の傾向や自分との相性を、消費者自身が把握しており、履かなくても購入できるということがあるようです。
気に入ったブランドであれば試し履きせずにネットで新たな靴を買い替えていくという流れですね。
スニーカーなどは特にこの傾向が強いので、
CM等でブランド名やブランドの中の商品名を定着させていくのは大きな意味があると思います。
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どんな価格帯が売れるのか
では靴にはどれくらいの金額までをだせるのかについてある調査によると
約半数の人が3万円までと答えています。
また5万円まで出せるという人が約5%。
1万までが約15%、5000円までが約10%となっていました。
一方で実際にいくらくらいの靴を買うかという問いに対しては女性の場合
- 2000-4000円以下…約30%
- 4000-6000円…約25%
- 6000-8000円…約15%
- 2000円以下…約10%
- 8000-10000円…約10%
のようになっており、最初の問いで約半数の人が3万円まで出せると言っているのに対し、実際に購入している靴の価格は理想と現実で若干乖離していることもわかります。
同じ質問を男性にすると、男性の場合4000-6000円が約25%と最も多くなっており、
また2万円以上の靴を買うと答えた人も女性が1%未満だったのに対し、男性は約4%いるため、全体の傾向としては男性の方が女性より若干高めの金額を靴に投資していることもわかっています。
靴のCM戦略をするなら
ではCMで靴のブランド力を上げる、あるいは売り上げアップを図るにはどのような進め方が良いのでしょうか。
テレビCMやテレビ通販における売れ筋価格帯というのは食品なら5000円以下、食品以外なら8000円以下と言われます。
これは主婦が夫に相談せずに自分だけの判断で購入できる金額範囲だといわれています。
仮に失敗しても大丈夫と思えるぎりぎりの金額は5000円というところでしょう。
やはり靴ですから履いてみるに越したことはありませんがテレビCMする場合はECサイト等のネットでも購入することを念頭に入れて
- パンプス等レディースシューズは基本的には履いたほうが良いので失敗しても良い金額で5000円以下の価格帯
- 一般的なスニーカー類は相談せずに購入できる8000円以下のもの
- ブランドや商品名が定着している人気シリーズは8000円以上の価格帯も可(リピーター狙い)
のように価格帯によってニーズを分けたCMをしていくのがおすすめです。
またスニーカー等のカジュアル靴については、通勤着やおしゃれ着とのコーディネートという路線をさらに定着させるために、実際の靴と洋服の合わせ方をはっきりと表すようなCMも効果的でしょう。
こんなおしゃれ着にもスニーカーを合わせてみる。
こんな固い通勤着にもラフなカジュアル靴を合わせてみる。
のように、CMの映像ではっきりイメージを打ち出すことで、CMで見た→店頭で購入、またはネットで購入、という流れを作りやすくなると思います。
また、靴を買うタイミングとして、バーゲンと答えている人が多いことから、靴のバーゲンCMは効果があると思われます。
バーゲンのためのCMは短期間で良いので、始まる前の1週間程度に絞ってCMを投下していくと良いでしょう。
特にネットでのバーゲンはどこからでも購入できるので、効果が見込まれます。
効果を測りたい場合は、地域を限定してCMしてみてCM効果を査定するのも良いと思います。
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