みなさん視聴率、という言葉はよく耳にすると思いますが、延べ視聴率、という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
延べ視聴率はGRPとも呼ばれますが、
これによってそのCMが実際にどれくらい見られているのか、ということがわかります。
今回はこのGRPとCMの関係性についてお話してみたいと思います。
GRP(延べ視聴率)という考え方
広告の業界ではGRPという言葉がよく使われます。
しかし、CM広告をやった事がないという企業様もたくさんいらっしゃると思いますし、まずはGRPの説明から始めた方が良いと思うのです。
聞いたことがなくても難しいものではないので、ぜひこのGRPという言葉を知っておくと、良いと思います。
GRPとは日本語でいうと「延べ視聴率」です。
延べ視聴率というとちょっとわかりやすい感じがしませんか。
これは何かというと
視聴率10%のところに10本のCMを流すと
10% × 10回 =100GRP
と、こんな感じで表すのがGRPなんですね。
つまり視聴率の合計なのです。
同じように考えて、視聴率1%のところに10本のCMを流すと
1% × 10回 =10GRP
となるわけです。
このGRPという考えを使えば、同じ10本という本数でも、延べ視聴率が違うので、見ている人の数が全然ちがう、
つまり広告効果も違ってくるということが少し分かってくるのではないでしょうか。
もし視聴率10%のところに5本と1%のところに5本のCMを流すとすると
(10% × 5)+(1% × 5)=55GRP
となるんですね。
実際にCMを流す時は同じ番組だけでなくいろんなところに流します。
(ただしタイムと呼ばれるスポンサー型のCMの場合は同じ番組に流れます。詳しくはこちら→番組のスポンサー【タイムCM】とは)
視聴率は番組ごとに異なりますから、もっともっとこの計算が長くなって、合計のGRP(延べ視聴率)が計算されるわけです。
関連記事:企業が採用のためにCMをする効果
CMを打つ時は本数より視聴率を重視
始めてCMを打ってみようと考えた時、最初に浮かぶことは、
- どれくらいの金額がかかるんだろう
- 何本のCMが打てるんだろう
ということではないでしょうか。
事実そのようなお問い合わせを頂くことが多く、
- 「CMっていくらくらいかかりますか?」
- 「1本いくらですか?」
とよく聞かれます。
また実際にCMを打った会社の人からもCMを何本打った、というような話はよく聞きます。
ところが実際にはCMを何本打ったのか、ということはあまり重要ではありません。
弊社はCMテレビ・CM広告において、大切なのはGRPだと思っているのです。
CM本数が少ないより多い方がいいに決まっていると思うかもしれません。
確かにその通りかもしれません。
でもそれは打つCMの全てが同じ条件でCMを打つ時なのです。
同じ条件であれば多い方が良いですよね。
では同じ条件とは何かというと、同じ視聴率のところにCMを打つということなんですね。
もしそれができるなら、CMは少ないより数多く打った方が良い、と思います。(もちろんご予算の範囲でですが)
大切なのは、GRPだと考えます。
関連記事:効果的なCMを作るために考えるべきこと
視聴率の高い番組はどんな番組?
GRPについて考える時には、視聴率が基準になってくるので、少しだけ視聴率について書いていきたいと思います。
昨年の例で見てみるとテレビ番組の中で最高視聴率を取ったのはNHKの紅白歌合戦でした。
視聴率は約40%だったようです。
今もやっぱり人気があるんですね。
かくいう私もなんだかんだで、全部見てしまいました。
そういえばあの歌手がまだ出てないなあ、そろそろ出るのかな?なんて思ってるとついつい見続けてしまうんですよね。
自分が興味のない人の歌が続くと、チャンネルを変えようかなと思うものの、
またお笑いタレントさんなんかが出てきてついつい見てしまう。
といった感じでなんやかんやで最後までずっと見てしまった結果「しまった!全部見てしまった」という若干の「してやられた感」が湧くのは何故なんでしょうか?
NHK恐れ入りました。
関連記事:今のテレビはつまらない?その理由は?
ただ、 NHKはCMがありませんよね。
そこで昨年の視聴率がよかった番組を民放各局で見てみると
- 「笑点」
- 「ドクターX」
- 「世界の果てまでイッテQ」
などなど。
どれも耳にしたことがある番組ではないでしょうか。
そして
- 「オリンピック」
- 「箱根駅伝」
- 「FIFAワールドカップ」
なども視聴率は良かったようです。
こうやってみると高視聴率には箱根駅伝などの単発のスポーツ系が強いのがわかりますね。
大相撲の千秋楽なんかもとても高いんですよね。
スポーツ人気って強いなあと思います。
こういった視聴率の高い番組に対して、視聴率が5%以下の番組、中には1%程度の番組も実は数多くあります。
言うまでもないことかもしれませんが、視聴率というのはテレビを見ている人がどれくらいいるか、の数値です。
視聴率について詳しくはこちら:視聴率とCMの関係性
仮に人口が100万人で視聴率が10%なら約10万人の人が見ている事になりますが、
同じ人口で視聴率が1%しかないと約1万人の人しか見ていない事になりますよね。
(実際には視聴率は世帯で見ますが)
例えば「CMを10本流した」としたとすると…
視聴率10%のところにCMを10本流すと延べ100万人の人が見ることになります。
つまり、GRPで考えると、100%ですね。
それに対して
視聴率がたった1%のところに10本流すと延べ10万人の人しか見ていないことになります。
これだとGRPは10%という事になります。
つまりCM10本という同じ本数なのに見ている人の数が片方は100万人、もう片方は10万人と、これだけ違ってしまうことになるんですね。
だから打ったCMの本数というのは実はあまり重要ではないのです。
関連記事:タイムCMとスポットCMの違い。どちらを選べばいいの?
GRPの目標目安
GPRがわかったところで、では実際にCMを流す時はGRPの目標はどれくらいが妥当なのかと、思うと思います。
これは大変難しく、実は明確な正解は無いと思います。
なぜならCMの最終目的は
- 商品が売れる
- お客様が来てくれる
- 会員になってくれる
などのように売り上げという形で成果が上がることだと思いますが、
CMはあくまで知ってもらうための認知の手段ですから仮に知られたとしてもそれが購買まで至るまでには様々な要因が絡んでしまうからです。
ただし、認知ということで言えば目安はあります。
通常300GRPまではあまり認知効果は無いと言われ、400GRPから効果が上がり始めるといわれます。
通常同じCM3回以上見ると脳裏に残ると言われるのですが、それとつながっている数字なんだと思います。
300GRPは視聴率が延べ300%。
つまり人口の100%(全員)が見ているとしたら3回見ていることになるのです。
でも、実際にはこの300%という数値は皆が3回見ているというわけではなく、
多く見た人もいれば少ない人もいて、その合計ですから、実際には400GRP位から認知が上がってきているのだと思われます。
よく大きな企業さんでは1000GRPを目指す!とか3000GRPを目指す!などとという言葉が聞かれます。
一度に1000GRPというのは費用的にも大変ですし、最初はもう少し少ないGRPを目標にして徐々に認知を高めていくというのが一般的でしょう。
CMは認知と言いましたが、最終的には売り上げに貢献しないと意味が無いですよね。
CMをGRP1000まで到達したからといって必ず売り上げが伸びるかというと必ずしもそうでは無いと思います。
実際の売り上げ(購買)に至るまでに障害となるものが実はいろいろあるんですね。
例えば
- CMは見たけど1回しか見なかったから記憶に残らなかった。
- 記憶には残ったけどいったい何のCMなのかわからなかった。
- 記憶には残ったけど商品自体に魅力がなかった
- 本当は魅力的な商品かもしれないけどCMのイメージが良くなかった
- 欲しいけど値段が高すぎる
- どうやって買うのかわからない
- CMだけだといいことしか言わないので本当に良いのかちょっと心配
などなどきりが無いくらい購買を妨げる要因があるのです。
弊社ライズアドバートでは一度に高いGRPを追求するのではなく最初は少なめのGRPで、場合によっては場所を限定して(地方など)流し徐々に改善していくことをお勧めしています。
関連記事:CMのお試しをしてみませんか?
特にCMやその投下のやり方自体に問題があることも意外に多いので、お試しでCMを何度もやり、その過程で
- よりわかりやすくするとか
- 種類を増やしてみるとか
- 流す時間帯を変えてみるとか
いろいろ試していくことをお勧めしています。
関連記事:新商品のCMを地方局からやると効果的?
CMをやる時に考えるべきGRP
広告業界のGRPという言葉についてお話してみましたがいかがだったでしょうか?
GRPという言葉を知っておくとCMをやろうというときに、ちょっと考えやすくなるのではないかと思います。
CMをやりたい、という時、
特に初めてのCMの時はわからないこともたくさんあるかと思います。
弊社ライズアドバートではCM素材の制作から実際の放送枠の獲得までワンストップで承ることができます。
ご相談・ご質問等ございましたらお気軽に下記フォームよりお問い合わせください。
ではでは