テレビCMを放送する時に、地元のテレビ局を使って地域性を生かしたCMをするというやり方があります。
全国でテレビCMをやるにはどうしても費用がかかりますので、一定の地域で厚めにテレビCMを放送して、特定の地域で認知度を高める、というやり方です。
今回はそんな地元CMのやり方や地元CMだからこそ出来る事について、広告代理店である弊社が解説してみたいと思います。
ローカルCMのやり方
地元でしかやっていないテレビCMというのをご存知でしょうか?
地方に実家がある方は、帰省した時にテレビを見ていて「このCM懐かしいな」という経験をされる方が多いと思います。
都道府県を跨いで移動することがしょっちゅうあるという形じゃないとなかなか気づかないものですが、実はローカルテレビ局でしかCMをしていない企業というのはたくさんあるのです。
広域圏と呼ばれる関東・近畿・中京エリアでは、複数の都道府県にまたがってテレビCMが放送されていますが、広域圏以外のテレビ局はその県域のみでテレビ番組やCMが放送されています。
全国ネット枠ももちろんあるのですが、ほとんどがローカル枠となっています。
広域圏で放送されている番組が一週遅れて地方局で放送されていたりするのは実は全国ネットワークではなく番組販売と呼ばれる枠で、ローカル局がキー局から番組を購入して放送したりしています。
こうした仕組みがあるため、実は地方に行くとテレビの放送の仕方もその地域性を生かした放送の仕方になっているのです。
地元でCMをする場合、地方であれば地方局を使用することになります。
もし広域圏で地域性を生かした放送をしたい場合は、独立局という選択肢があります。
例えば東京の場合だったらTOKYO MXを使うということですね。
テレビ局の放送枠の値段は視聴可能人口にほぼ比例するような形で設定されています。
番組を見られる視聴者の人数が多ければ多いほど料金が高くなるんですね。
そのため地方局や独立局を使用してテレビCMをする場合はかなり放送枠の値段を安く済ませることができます。
もちろん人口が多い都市のテレビ局はそれなりに値段も高くなってしまいますが、地方局の場合は30万円から50万円程度で出稿をすることが可能です。
独立局も同じで、実は皆さんがイメージされているよりもずっと安くテレビCMを出稿することが可能なのです。
ローカルCMの強み
値段が安い
先述した通り、地方局や独立局でテレビCMをする場合は値段がとても安いというのが最大のメリットです。
例えばスポットCMの場合、キー局であれば最低でも500万円の出稿が必要になります。
地方局や独立局局で500万円と言ったら相当なことができます。スポットではなくタイムCMの選択肢もとることができますしね。
局にもよりますが、地方局の場合は最初は100万円前後でお試しをしてみる、ということが多いので、値段感の違いがよくわかると思います。
キー局で500万円だと本数も少ないですが、地方局や独立局ならかなりの本数を流すことができるので、その地域での認知度を急速に高めることができます。
地元企業や実店舗があるような企業様には、地元CMはおすすめの出稿方法なのです。
親近感を持ってもらいやすい
特に地方に関しては、地元への愛着が強い方も多いです。
だからこそ、地元に特化した内容のCMをすることによって、視聴者に親近感を持ってもらいやすくなります。
スポットで複数の地域に放送するような企業でも、流す地域ごとに県名を入れてCM素材を少しだけ変える、などの細かい作業をやっているところもあります。
地域名だけ変えて素材を作るのは、パターンは多くなりますが、それくらいの編集ならあまり手間にならないので、2種類のパターンを作るから制作費も倍額になる、ということはありません。
地方局は融通が利きやすい
地方局や独立局の場合は、CMの目的に合わせて様々な提案をしてもらえることが多いです。
たとえば、ある程度まとまったスポットCMの出稿があれば、情報バラエティ番組などで商品を紹介してもらったり、社長さんや社員さんに出演してもらって会社を紹介することができる枠を設けてもらえたり、といったことができます。
これらはパブリシティと呼ばれる枠なのですが、おまけ的についてくる枠で、この枠を買う、ということは基本的にできません。
そういったパブリシティでテレビ局はその局のカラーを出している、とも言えます。
関連記事:テレビCMとパブリシティ
地元CMで成功した例
とある実店舗を持っている企業さまで、地元CMをかなり多めに出稿し、地元で「〇〇と言えばこの企業!」と思ってもらえるくらいに認知度をあげてテレビCMの成果を出された企業さまがいらっしゃいました。
全国で有名になるのはかなり難しいですし予算もそれなりに必要になりますが、地元CMをたくさん流して、その地元で有名になる、というのは実現しやすいです。
例えば実店舗がないオンラインのサービスや商品であったとしても、地域を絞ってテレビCMをしてみるというのは良い方法なのではないでしょうか。
関連記事:全国でCMをする3つの方法とそのメリットデメリット