弊社ライズプランニングはテレビ局出向型の番組制作会社です。
主に情報・報道番組の制作に携わっています。
今回は報道番組で使われている報道ヘリコプターの仕組みや、報道ヘリで取材をするということがどういうことなのか、ということを解説してみたいと思います。
ニュースを見ていると、事件や事故などの様子を上空から映している映像が流れたりしますよね!
あれを映しているのが報道ヘリなのです。
ヘリコプターが報道に使われれる理由
まず、どうして報道の取材にヘリコプターが使われるのか、ということについて考えてみたいと思います。
そもそもテレビ番組の放送が始まったのは1953年ですが、実はこの当時から報道取材にはヘリコプターが使われていました。
当時はフィルムに撮影したものを素材として使っていましたが、1975年からはヘリコプターからのテレビ生中継が行われるようになりました。
スピードが速い
報道取材を行う時にヘリコプターが使われるのは、まず航空機の中でも小さく、機動性が高いということがあります。
航空機は取材現場に素早く到着することができるというのがメリットですね。
移動手段の中ではやはり車や新幹線よりも、航空機の方が速いです。
航空機の中ではヘリコプターは多くの人が搭乗できる機体ではありませんが、取材クルーだけであれば数人でことたりますし、少人数だからこそスピード感を持って現地に向かうことができるというのもありますね。
危険な現場でも空中から取材することができる
地震や津波、火災など大規模災害の取材をする時は、地上から行ってしまうと取材スタッフも被災してしまう可能性があります。
上空から現地に行くことで、リスクを抑えて取材をすることができるのが報道ヘリの良いところです。
報道ヘリは災害対応が一番業務の中でも多くなります。
分かりやすい映像を撮影することができる
上空から撮影することによって、どれくらいの規模で事件や事故、災害が起こっているのか、といった規模感の伝わりやすい映像を撮影することができます。
さらに、地上からでは見えない部分も上空からだと具体的に見えたりもするので、映像としてもよりリアルで分かりやすい映像を撮影できます。
関連記事:テレビ局のスタッフルームや撮影現場で使われる専門用語
報道ヘリコプターは誰が操縦してる?
ヘリコプターによる報道取材は報道機関のスタッフが行っています。
テレビ局の他に新聞社も取材で報道ヘリを使うことがありますね。
ではこのヘリコプターの管理や操縦は誰が行っているのか、というと、これはヘリコプター運用会社が別にあります。
この運用会社が販売したりチャーターしたりしているヘリコプターに放送スタッフが搭乗しているんですね。
昔は取材でヘリコプターが必要になった際にその都度、ヘリをチャーターして利用していましたが、
現在は自社の報道取材専用機を所有するテレビ局が増えています。
もちろん専用機があったとしても、常にその専用機を自社でスタンバイさせているわけではなく、管理などは運用会社に任せているところがほとんどです。
ADS-B Exchangeから情報を取り、各社の報道ヘリの位置をほぼリアルタイムで確認することができる日本の報道ヘリというサイトもあります。
関連記事:報道系情報番組のアシスタントディレクターの日常業務
報道ヘリのお仕事内容
報道ヘリには、機体そのものにすでにカメラが取り付けられています。
まずは機材のチェックから。
コントローラーを操作して、カメラの動きなどを確認します。
カメラマンは撮影だけでなく、撮影した映像の確認と電送、無線の確認や連絡など全ての業務を1人で行います。
そのため、機材のチェックは入念に行わなくてはいけません。
カメラのズームやフォーカスが行えるか、カメラの向きを変えたりすることができるか、実際にヘリの乗り込んで機材チェックをします。
機材チェックが終わったら、本社の出動要請があるまでは控え室で待機します。
控え室では新聞やニュースを見ながら、出動要請があるかもしれない案件を追っていきます。
いつ出動要請があるか分からないので、すぐに出動できるようにしておかなくてはいけません。
もちろん要請がない時もありますが、それでも、常に出動できる状態を保たなければならないのです。
緊急災害だけでなく、休日の人出なんかを撮影することもあります。
休日の渋谷の人出、とかですね!
ちなみにヘリカメラマンは現場リポートも行うことがあるため、きちんと喋れるようにもしておかなくてはいけません。
やることがいっぱいあって大変そうです…!
撮影を行っている途中に事故や災害などが起きて、別のスポットへ移動する、ということもあるそうです。
地上からは撮れない状況がわかる映像を撮る大切なお仕事ですが、
あまり同じ場所にいすぎると騒音問題が発生したりもするので、周囲への配慮も必要です。
各局、時計まわりで飛ぶことがルールとなっているのだとか。
焦らずに落ち着いて、撮りたい映像を撮る、報道には欠かせない大切なお仕事です。