そろそろ卒業式と入学式のシーズン。
子どもの成長の節目に立ち会える貴重な日ですね。
ビデオカメラで撮影する任務を負った親御さんや兄姉も多いのではないでしょうか。
しかし、式典中は移動できない、撮影禁止など、制約も多いもの。
テレビ番組の撮影でも、この場所以外からの撮影はだめ、あそこは映りこまないように、など制約が多く、代替えのシーンや撮影の仕方を工夫するのがディレクターです。
式典以外のシーンをたくさん撮影しておくことで、特別な1日の思い出動画にすることができます。
小学校の卒業式をイメージして、撮影しておくといいシーンや撮影のポイントを書いてみました。
見出し
今日が最後。今日が始まり。
卒業式は学校最後の日。この日しか撮影のチャンスがない、のはどんなことでしょうか。
例えば、制服を着るのも最後ですし、朝の過ごし方もその日が最後かもしれません。
小学生最後の日。子どもが起きるところから、身支度をして、朝ごはんを食べて、家を出るところまで撮影してみては。
入学式の日であれば、その日が通学最初の日。制服が少し大きめだったり、パリッとハリのある上着に袖を通す姿は初々しいはず。
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その日がどんな日かを物語るモノを撮っておく
この日がどんな日かわかるものを撮影します。例えば、学校の校門に掲げられた「祝 卒業」「入学式」の看板は最たるもの。
撮り方は、空からパーンダウン。
空を撮影するのは、この日の天気がわかるから。春らしい暖かな雲一つない快晴の日だったのか、それとも、冬に逆戻りしたかのように寒くて雪交じりの雨だったのか。
天気のわかる映像はあとで見返したときに、そのときの心情を思い出させたり、思い出すスイッチになったり、映像に膨らみを持たせることができます。
パーンを撮るときのコツ
パーンするときのコツは、
①動き始めと止めるところを決めておく。
②カメラを動かす前後、それぞれ5秒間、撮影しておく。
ちょっと丁寧に書きますと、
カメラの動き始めの位置を決めたら、録画ボタンを押し、そのまま5秒数えてからカメラをパーンさせ、カメラの動きを止めたらそのまま5秒数えて録画ボタンをオフにします。
通学路を撮影しておく
自宅から学校への通学路も卒業式が最後。
- 途中にある桜
- 街路樹の芽吹いた葉
- 花壇に植えられた小さな花々
- 学校内の植栽
- 自然豊かな地域なら
- 山や海
- 川
- 田畑
など。
子どもが毎日通った通学路もこの日が最後。
子どもが毎日見ていた自然や特徴的な建物なども、学校へ向かいがてら撮っておきます。
特別な日だから大げさに
特別な日だから、主役も家族もみんな大げさにリアクションしてみましょう。
普段通りのままでもいいですが、特別な日をみんなで盛り上げて1日をイベント化するのも一興。
思春期の子どもたちは気恥ずかしいことも、イベントにすれば照れながら乘ってくれるかもしれません。
いつもはさせてくれないハグも、久しぶりにさせてくれるかもしれません。
式典が撮影OKなら、撮影のコツは…
式典の撮影がOKなら、必ず、前日にカメラの動作確認をしておきます。
撮影が失敗するか、成功するか、はこの動作確認次第と言っても過言ではありません。
なぜなら、カメラというのは、いざというときに機嫌を損ねるもの、だからです。
確認しておくのは次の3点。
- ホワイトバランス
- ピントの合わせ方
- 音声の撮り方
①ホワイトバランス
ホワイトバランスは、光の色合いを補正する機能です。
人の目は白を白と認識できるのですが、機械はそれができません。
蛍光灯と白熱球と太陽光では、同じ白、でも違う色に見えます。
ホワイトバランスをとることで、白の調整をすることができます。
カメラが自動的にホワイトバランスをとってくれる「オート」と、自分でホワイトバランスをとる「マニュアル」の設定があります。
自分の目で見て、心地のいい「白」を設定して、「ホールド」にしておけば、そのバランスがキープされます。
②ピントの合わせ方
設定をいじった記憶がないのに、撮ろうとしたらなぜかピンボケ、ということもよくあること。
あらかじめ、ピントの合わせ方を今一度復習しておきましょう。
③音声の録り方
マイクの設定も確認しておきます。
音声レベルを画面表示できる機能があるはずです。
カメラ前に立ってもらって、しゃべってもらうと音声レベルが振れます。動画で音が録れていないのは残念です。
保護者席からの撮影は周囲に迷惑がかからないように制限があるはず。
間違いなく撮影するためには基本の撮影動作を確認しておきましょう。バッテリーの充電と予備のSDカード(録画メディア)もお忘れなく。
式典後の教室、クラスメート、担任
式典後は教室での最後のお別れ。
撮影可能なら、クラスメートや担任の先生とのシーンを撮影しておきます。
撮影するときのポイントは、教室の後ろからではなく、正面から撮りましょう。ひとりひとりの顔がわかるように撮ります。
学校生活で一番の思い出とその場所を
子どもが教室以外で過ごした思い出の場所やお気に入りの場所を撮っておきましょう。
校庭の遊具、ドッジボールやサッカーをしたグラウンド、本をたくさん借りた図書館、合唱コンクールの練習をした音楽室など。
校舎がそのままの形でずっと残されるわけではありません。
20年30年経つと老朽化で建て直されたり、統合されてなくなるかもしれません。卒業してしまうと容易に中に入れません。
いろいろ書いてみましたが、いちばんは、子どもの顔、お友達の顔、先生の顔を撮ること。
そして、奥さまや兄弟、ご両親の表情、撮影しているご自身の姿も忘れずに撮りましょう。
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