テレビ番組を見ていて、
街の人たちの声を聞いてみました…
といって、街ゆく人たちのインタビュー映像がたくさん流れることはよくあることですよね。
皆さんも一度は目にしたことがあるでしょう。
この街頭インタビューは、テレビ業界では「街録(がいろく)」と呼ばれています。
この街録、なかなか大変なもので、一般視聴者として見ている分にはとても面白いのですが、
これを自分で撮影しようとするとかなりしんどいです。
インタビューを断る人は多い
もしかしたら街を歩いていて
〇〇テレビの〇〇という番組なのですが、インタビューさせていただけませんか?
という声をかけられた経験がある方もいらっしゃるかもしれません。
私も何度かあります。
特に会社が新橋にあるので、新橋のSL広場は、この街録をやっているスタッフさんがいっぱいいます笑
想像していただければ分かるかと思うのですが、
このようにインタビューをお願いして、快く受けてくださる方がまず少ないです。
- 映るのが恥ずかしい
- 急いでいる
- めんどくさい
- うまく喋る自信がない
こういった様々な理由で断られることばかり…
断られることが続いても、何度も何度もインタビューのお願いをしなくてはいけないのは、正直メンタル的にもきついのです。
さらに、インタビューに答えてもらえたとしても、それが「撮りたい映像かどうか」というのはまた別のお話。
意図していた内容ではない場合は、せっかくインタビュー映像を撮らせてくれる方がいたとしても、編集時に「放送では使えない」と判断されて採用されないこともあります。
実はインタビューに答えてくれやすい人の特徴というのもあります。
そちらはまた別記事で解説していますので、ぜひそちらも読んでみてください。
関連記事:テレビインタビューに答えてくれやすい人はどんな人?
街録は出発前の準備も大切
街録は出発する前の準備もとても大切です。
街録はディレクターからの「街録行ってきて!」という指示で撮りにいくことが多いです。
この時、ディレクターに、
- インタビューのターゲット層
- インタビューで聞き出したい内容
を確認しておくと街録が効率的に行えます。
ディレクターの頭の中には「こういう街録が欲しい」という正解があるものです。
その正解を先に教えておいてもらえれば、インタビューをする時にどういう質問の仕方をしたらいいのか、どういう回答をしてもらえたら撮れ高となるのか、ということが理解できます。
もちろん実際には街録でインタビューをする人は初めて出会う人です。
思ったようなインタビュー回答が得られないこともよくあります。
ですが、正解が分かっていれば、「全くディレクターの意図に沿わない素材だったので撮り直し!」となることはありません。
また、ターゲット層が分かっていれば、どこに街録に行けばいいのか、ということも決めやすいです。
例えば都内だと、以下のようなターゲットと街録場所スポットがお決まりとなっています。
- ビジネスマン…有楽町駅や夜の新橋駅前
- 夫婦、家族連れ…銀座の歩行者天国
- 若者…渋谷駅前、新宿駅周辺
- 高齢者…巣鴨の地蔵通り商店街
「こういう人のこういうインタビュー映像が欲しい!」というのをイメージしてから、街録に出かけていくわけですね。
また、番組によっては出演同意書をインタビューに応じてくださった方に書いていただく必要があったり、報道腕章の携行が必須な場合もあります。
これらの街録に必要な持ち物も忘れないように、事前にチェックしておきましょう。
関連記事:ADの持ち物紹介!持っておくと仕事で役立つものとは?
インタビューの流れ
実際のインタビューをする時の大まかな流れは以下のような感じです。
- インタビュー許可を頂く
- 簡単なプロフィールを聞く
- リアクションは大きく
- ディレクターに撮れ高の報告
インタビュー許可
インタビューに答えてくれそうな人に声をかけてインタビューのお願いをします。
無断でカメラを向けることは絶対にしてはいけません。
「〇〇テレビの[番組名]ですが、少しだけお話よろしいですか?」と声をかけて、インタビューの趣旨を説明します。
OKがもらえたら立ち位置に戻ってインタビュー準備に入ります。
カメラで撮影することはきちんと伝えておきましょう。
簡単なプロフィールから聞いていく
インタビューの始まりでは
- 年齢(年代)
- 職業
- 複数名のグループの場合は、関係性
といった簡単なプロフィールを聞きます。
これらは実際に映像として使うかはわかりませんが、どんな人なのか、ということが分かりやすいので、最初に聞いておくと良いです。
また、複数名の場合は関係性を聞いておくことで、話を振りやすくなったりもします。
リアクションを大きく
声に出してしまうとインタビューに応えてくださった方の声とかぶってしまって使えなくなることがあるので、
なるべく無言で、その上でリアクションは大きくするようにしましょう。
普段人と話す時と同じで、相手のリアクションが良いと人は話しやすくなります。
ディレクターに撮れ高の報告
ディレクターはインタビューの内容を踏まえて構成や他のインタビューなどを考え、番組制作の切り口を変えることもあります。
どのような内容が撮れたのか、報告をしっかりするようにしましょう。
新人のうちは慣れずに大変だと思いますが、街録が好き!という方もいらっしゃいます。
断られることも多いですが、元気よく臨みたいですね。
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