みなさんテレビの仕事にリサーチャーと呼ばれる仕事あがるのをご存知でしょうか?
テレビ業界におけるリサーチャーの仕事とは主にテレビ番組で扱うネタ探しのための情報収集のことです。
リサーチャーの仕事にもリサーチャーならではの苦悩があります。
テレビ業界のリサーチャーとは
テレビ業界におけるリサーチャーの仕事とは、テレビ番組の内容を考えるネタ探しを行う人です。
テレビは毎日別の内容を扱いますし、視聴率をあげるために日々テレビが面白くなるよう邁進していますから、日々こういった努力とともに番組を作っているんですね。
リサーチャーがリサーチすることはわかりやすい具体例をあげると
- 行列ができる店
- 最近人気のスポット
- 季節のイベント
こういったことです。
かつては多くのリサーチャーがこういった情報を探していました。
私の会社にもリサーチャーの人がいる専門の部門があって、リサーチャーさんたちは毎日熱心にネタ探し、お店探しをしていたものでした。
リサーチャーさんの印象は?、というとあまり派手ではなくどちらかというと物静か。
コツコツ型でちょっと知的なイメージ。
そしてリサーチャーさん達がよく行く場所と言えば
本屋、そして図書館。
最近はインターネットの普及でリサーチャーさんの仕事のやり方もずいぶん変わってきました。
インターネットの力はすごいですね。
今は入りたてのAD(アシスタントディレクター)さんでも簡単なリサーチならインターネットでできるようになりました。
そのためかリサーチャーの仕事を専門にしている人はずいぶん減ったと思います。
しかしリサーチャーの仕事は誰でもできるようになったとはいえ、ネタ探しという仕事は相変わらず難しいものです。
ある大企業の入社試験の話ですが、課題を与えてどんなキーワードで検索したか、つまり
今風な言葉で言うとどうやって「ググったか」を見るそうです。
これによっていかに能率的に仕事ができるかがわかるわけです。
これには私はちょっと冷や汗…。
自分のググり能力には全くもって自信がなく、つい最近までand(スペース)とorの使い方も知らず、頭に浮かぶ文章で検索していました。
「赤坂のおいしいお店に行きたい」とこんな感じで…
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どんな基準でリサーチしているのか
あるリサーチャーさんにテレビで紹介するお店はどうやって調べるのか聞いてみたことがあります。
その方がおっしゃるには「これはあらゆる媒体の基本だと思いますけど」と前置きしつつ
「タイトルとショルダー」が書けるお店かどうか。
と仰っていました。
ショルダーというのはタイトルの補足、興味をそそるためのコピーといったところ。
それが書けるのはきちんとお店の特徴やポイントが自分なりに整理されているから。
その上で、何も書けない、キャッチー(印象に残りやすい、受けやすい)な事柄が無いお店は選ばない。
なぜそのお店を、今、選ぶのか?がきちんと説明できるかどうかが重要なんだそうです。
「なぜ選んだ?」という時に
- 前に取材したことがある
- 知っている人の店だから
- なんとなく…
というのはあり得ないこと。
テレビはいつだって視聴者に新しいものや驚きを届けることを大切にしているので当たり前といえば当たり前の話かもしれません。
テレビCMでも同じことが言えると思います。
リサーチャーさんがお店を選ぶときは自主的にお店に行ってみることも大切だ、とも仰っていました。
- 店の雰囲気 (清潔か、荒れてないか)
- サービスはどうか
- メニュー構成
- 料理の質と価格
- 販売しているもの
- 店員の応対
などですね。
こういった要素からリサーチャーさんは本当にテレビで紹介できるお店なのかどうかということを見極めている、ということです。
そしてそのお店の方といろいろ会話もしてみる。
新店は特に。
とは言っても一人で行くには限りがありますよね。
夕食なら2軒くらいなら頑張って食べに行きますけど。
「ある意味フードファイターですね」と笑いながら仰っていました。
リサーチャーさんが行くことができないないお店は、過去に一緒に仕事をして好みも基準も知り得ているプロのライターさんや、食通の営業マンなど、お店を判断しているプロの意見を参考にすることもあるそうです。
それもできないお店は「まだ行ってないから下見必要」と言い添えてネット情報を担当者に渡すそうです。
さらに、頭の中でこの季節ならこれかな?、ということをいつも考えてリサーチャーの仕事をしているとも仰っていました。
例えば、エビは2月は禁漁だけど3月になったから解禁。じゃあエビを取り扱う店を探してみようという具合に。
食材であれば旬がいつなのか、解禁はいつなのか、といった基本的な情報がすべて頭に入っているようです。
どうやってリサーチャーのそういったノウハウを覚えたのか?と聞いたところ、自ら勉強してきた情報の蓄積、と仰っていました。
さすがですね。
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テレビリサーチャーに必要なもの
リサーチャーさんに不可欠なのがコミュニケーション能力の高さです。
お店に取材交渉するのは難しいものです。
きちんと相手の立場を尊重して、その上で番組の趣旨を伝え、協力をお願いしなければなりません。
お店が協力的でなければ取材は絶対にスムーズに行きませんから。
もちろんそもそも協力的ではないお店もあります。その辺の見極めも大きなポイントでしょう。
また、観光客を相手にしているのか、そうではないのかといったお店のスタンスなどもさりげなく見ていきます。
もちろんどちらが良い悪いではありません。
このようにいろんなポイントを見極めながらリサーチしていくわけですが、最も注意していることはまた別にあるとのこと。
それは「自分の好みで見ないこと」です。
人間ですからどうしても相性や、好き嫌いがあります。
そういった個人的感情をなるべく入れずに、客観的にリサーチャーとして仕事をすること。
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ブロガーさんもチェック
さて、ググり方の上手い下手もさることながら、リサーチャーさんはまとめサイトや、ブロガーさんたちの情報もチェックしてます。
- ペット喫茶ならあのブロガーさん
- 大食いネタならあの人のサイト
などといったことですね。
ネットはどうしても情報の信憑性に欠けるものも多いのでリサーチャーさんにはメディアリテラシーが求められますが、特化して記事を書いているブロガーさんたちは情報も早いので、
きちんとした情報を見極める能力さえあれば、ゼロからリサーチするより早く適格な情報が得られることもあるわけです。
とくに有名なブロガーさん達はアフィリエイター(自身のブログで商品などを紹介することで購入等、成果が上がった際に広告収入を得ている人達。
誰でもできる一方で、内容的にしっかりしたブログでないと収入を得るのは難しい。
その情報量、内容はリサーチャーにとって見逃せないものです。
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リサーチャーのやりがい
数年前に日本でミシュランのお店が発表になった時のこと。
リサーチャーさんが発表当日までにたぶんあそことあそこかな・・と予測していたところが的中し当日すぐに動くことができた、ということがあったそうです。
発表は午前中でしたからもたもたしていたら夕方の放送に間に合いません。
急な取材でも引き受けてくれそうなお店を、発表と同時に瞬時で選んですぐにディレクターさんに連絡!「○○と○○‥に行って!」と。
無事、その日のうちにオンエア(放送)することができ、3カ所のお店を取材、放送できたのはうちの局だけだった。
その時にリサーチャーさんはその仕事にとてもやりがいを感じたそうです。
リサーチャーはきっとやり方も基準も人それぞれ。
いい情報を得るためにはやはり努力が必要なんですね。
自分なりの基準を低くしないことがプロの技なのかもしれません。
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