弊社ライズプランニングはテレビ局出向型の番組制作会社です。
主に情報・報道番組の制作に携わっています。
今回は昨今かなり厳しくなっているテレビ番組のコンプライアンスについて。
コンプライアンスが何たるか、というお話は別の記事で詳しく解説していますので、そちらをぜひご覧ください!

テレビ番組でお店の取材をさせていただくロケをする時に、撮影に行く前の下準備としてロケハン、というものを行います。
ロケハンとは、実際に撮影場所に訪れて、どのように撮影を行うか、何を撮影するか、といったことを考えることです。下見や下調べ、といったところですね。
このロケハンにおいて、コンプライアンス遵守の観点から、どのようなことをチェックしているのか、ということを今回はご紹介してみたいと思います。
取材先の情報を徹底的に調べる
ロケハンに行く前に、取材先のことは徹底的に調べておくようにします。
お店の基本情報(お店の名前、住所、連絡先)はもちろん、
お店の口コミなどもチェックして、悪い評価も見ておきます。
特にGoogle mapやSNSなどの口コミには、辛辣が意見が書かれていることもあります。
それらを事実として知っておくことは大切なことで、やはりテレビ番組は「公平公正」を意識して制作しなくてはいけないので、
あらかじめネガティブな意見にも目を通しておくようにします。
飲食店などの場合は、取材前にスタッフがお客さんとしてお伺いする、ということもよくあります。
テレビの取材だから!と言って張り切っていつもよりもお料理を大盛りにしたり、サービスをしてくださるお店があるのですが、
結局これは、番組として放送した後にその内容を期待して行ったお客さんの期待を裏切ることになります。
いつも通りのお店を取材させていただく、ということがとても大切。
それを見抜くためにも、お店のことはあらかじめしっかり調べておきます。

撮影場所の管理者を確認する
テレビ番組の撮影は必ず許可を取って行われます。
よく一般の通行人の方にお話を聞くシーンが番組内でありますが、
これもお話を聞いた後に同意書を必ずもらっており、「取材させて頂いた内容をテレビで放送して良いかどうか」ということを確認しています。

この確認が取れない限りは勝手に放送をすることはできません。
お店などの取材も同じで、必ず取材許可を取って撮影・放送を行いますが、
取材先であるお店が商業施設やテナントビルに入居している場合は、施設やビルの管理会社等に撮影許可を取ります。
お店の方が
撮影して大丈夫ですよ!
と言ってくださっていても、その建物の管理をしている人がOKをしてくれない場合もありますので、管理者を特定し、許可をもらうようにします。
また、
- 公園などの公共施設
- 市場の中
- 神社仏閣の敷地内
など、それぞれの場所で独自の撮影規定を設けているようなところもあり、そういう場合はそのルールも確認しなくてはいけません。
撮影をしてはいけないところで撮影をしたものを放送したり、
然るべきところから許可を得ていないままに放送をしてしまうと、あとからクレームが来て、今後一切出入り禁止となってしまう、ということもありますので慎重に動かなくてはなりません。

取材先が法律などを遵守しているか

取材先が飲食店などの場合、お店として運営されているから法律もちゃんと遵守している、というわけではありません。
例えば
- 道路交通法
- 衛生管理法
- 景品表示法
- 風営法
といった法律が関わってくることが多いですが、こういった法律をきちんと遵守しているかどうか、ということもチェックしなくてはいけないポイントです。
地域によっては、店内での販売は可能だが、店外での販売は不可!といったルールを設けているようなところもあります。
それなのに、店外で販売をしてしまっているお店を取材し、それを放送してしまった場合、クレームが来る可能性があります。
テレビ局にもクレームが来るでしょうし、お店にもクレームは来るでしょう。
- テレビ局
- 番組制作会社
- 取材先
関わっている全ての関係者にとってマイナスな結果となってしまいます。
こういったところもしっかりチェックしなくてはいけないですね。

誰がどのようにチェックする?
このようなチェックポイントを見ていると
自分にそこまでチェックできるか不安…
と感じる新人の方もいらっしゃるでしょう。
こういった内容は、ディレクターもアシスタントディレクターも、現場に関わる全員が意識してチェックします。
下調べなどは新人アシスタントディレクターが行うことも多いですが、こういった放送の反響に重大な影響を及ぼしそうなことは、みんなで確認を行います。
先輩たちがチェックしているポイントを聞いて覚えるようにしていけば、自然とそういう勘が備わってくるようになるので、あまり心配しなくて大丈夫です。

