ここでご紹介した文例や解釈は、筆者が経験した個別の案件に基づいて書かれています。法的な有効性を保障する内容ではありません。
実際に許諾や契約書を作成される際は、それぞれの案件に沿った内容を加筆・修正した上で、各自の責任でご使用ください。
弊社ライズプランニングはテレビ局出向型の番組制作会社です。
主に情報・報道番組の制作に携わっています。
今回は、取材や街頭インタビューをする時に必要になって来る「取材同意書をもらう」ということについて、解説してみたいと思います。
テレビ取材同意書とは?
テレビで取材をさせて頂いた方に関しては、必ずテレビ取材同意書というものを書いて頂くようにしています。
これはどの現場でも同じです。
取材ではなく、出演同意書、という書き方をしてるところもありますね。
とにかくカメラに向かってお話をされた方、被写体となる全ての方が対象となります。
背景として映り込んでしまう方にはそこまでしていませんが、あまりお顔が判別できないくらいの距離のショットにしたり、モザイクをかけるなどして配慮はしています。
ちなみに通行人の映り込みに対しても、張り紙の掲示などをして注意を促したりもします。
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取材同意書に書かれている内容
同意書には主に、以下のような文言が書かれています。
私は、次の事項を確認・同意の上、テレビ番組『〇〇』(○年月放送予定)に出演することを承諾しました。
(1)私が出演している部分(シーン)が収録(録音・録画)されること。
(2)出演部分(シーン)が国内外のテレビ放送などで放送され、あるいはインターネット
などで送信されること。
(3)出演部分(シーン)がビデオ、DVD等に収録され、販売や配布されること。
(4)出演部分(シーン)の全部または一部が削除されたり、他の映像などと合体編集され
た場合でも、〇〇(テレビ局)に一切異議を唱えないこと。
(5)出演に関する一切の知的財産権は〇〇(テレビ局)に帰属すること。
(6)私の出演について肖像権など一切の権利を主張しないこと。
これらに同意します、という文言が続き、その後
- 指名
- 親権者(未成年の場合)
- ご連絡先
- サイン
などを書く箇所が設けられていることが多いです。
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同意書にサインをもらうのはADのお仕事
弊社は情報・報道番組の制作に携わっていますので、よく街録(がいろく)と言われるものに出かけていきます。
みなさんも情報・報道番組を見ていて、「街の人の声は…」というようなものを一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?
新橋や渋谷など、街録がよく行われている場所があって、番組の趣旨や扱うネタに合わせて場所を決め、そこでインタビューを撮影しているのです。
そしてインタビューに答えてくださった方には必ず、同意書へのサインをお願いしています。
これはADのお仕事で、ADとして番組制作のお仕事に就いたら早々に任されるお仕事でもあります。
もちろん情報・報道番組だけでなく、他のジャンルの番組でも、ロケで一般の方との絡みがあるような場合は必ずこの同意書にサインをいただきます。
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書面で許諾が必要な理由
書面で許諾が交わされていることによって、安心して番組制作を行うことができます。
インタビューという形で、その場では同意をしていただけた方でも、
- やっぱりテレビには映りたくない
- テレビに映るなら出演料が欲しい
- このカットは使われたくない
というような要望が後から出て来ることがあります。
そういった要望が発生してトラブルにならないように、取材を受けて頂いて撮影に協力していただいたら、その場で同意書へのサインをお願いするようにしているのです。
テレビ番組をよくよく見ていると、街歩きのバラエティ番組なんかでは、出演タレントと会話をした後に、一般時の方にスタッフが駆け寄って行く姿が後ろの方に映り込んでいたりすることがあります。
これが同意書をもらいに走りに行っているADの背中です笑
きちんと書面で同意をもらうことによって、証拠としても残りますし、
連絡先を書いて頂くことによって、お知らせをしたり、何かしらその後にコンタクトを取りたい場合にコンタクトを取ることもできるようになります。
取材の同意書はロケ前に必ず用意しておくものの一つになります。
取材同意書は、基本的にはテレビ局ごと、あるいは番組ごとに決められたフォーマットがあると思いますので、それに従って作成すれば大丈夫です。
街録に出かける時は、同意書の内容もぜひチェックしてみてください。
それから、今回は取材同意書についてご紹介しましたが、ADがもらわなくてはいけない許諾というのは他にもたくさんあります。
ぜひ就業する前に、許諾関係のことについても勉強してみてくださいね