弊社ライズプランニングはテレビ局出向型の番組制作会社です。
主に情報・報道番組の制作に携わっています。
今回はお酒を飲む番組について。

最近お酒を飲む番組が増えているように思います。
町の居酒屋や飲み屋を訪ねていって、店主やお客さんと語らう町ぶら系もあれば、スタジオでゲストと飲み会っぽく盛り上がるトーク系もありますね。
ほろ酔いでのトークは、ガードが緩みがち。
つい飲みすぎて、うっかりしゃべってしまうのはお酒のなせる業。
酒飲み番組について、各局の有名番組とその切り口について考えてみました。
見出し
元祖!酒飲み番組は、BS‐TBSから始まった
お酒を飲む番組は、BSから始まりました。
今も人気のある番組ですが、BS-TBSの「吉田類の酒場放浪記」月曜日夜9時から放送しています。
この番組、2003年にスタート。長寿番組ですね。
最初は”大人のライフスタイル”を紹介する情報番組の一コーナーにすぎなかったのですが、人気があり、番組へと昇格していきました。
世の酒飲みたちは、この番組を見ながら晩酌するを楽しみにしているそうです。
飲めない人は酒場の雰囲気を味わうために見ているそうです。
居酒屋好きな人達は、旅に出なくても全国の居酒屋を見てまわれる、と旅気分なんだとか。
吉田類さんと地元の方たちとのやり取りにも癒されるんだそうです。
BS放送の視聴率は、一般的に1%とると高視聴率です。
全BS放送すべての番組で、いちばん視聴率を取っているこの番組。
始まった当初はスポンサーがついていなかったのですが、今は一番スポンサーがついているのではないでしょうか。
最初は吉田類さんが行き当たりばったりに居酒屋巡りをしていたそうで、ほんとにアポなしだったそう。そのため制作費は30万円。
たったの30万円で高視聴率番組という伝説となっています。
この番組は吉田類さんのキャラクターでファンが根付いているといえます。
吉田さんはイラストレーター兼俳人。知性と人柄がにじみ出るコメントや交流は大人の余裕が
ちなみに、吉田類さんは、山登りもご趣味で、NHKでは「ニッポン100低山」という番組をお持ちです。

BS-TBSは酒のみ番組の宝庫
次は同局の「夕焼け酒場」土曜よる6時から放送。
MCはきたろうとAKB48武藤十夢で、居酒屋を訪れ、料理を味わいながら店主と語り合う。
店の成り立ちや苦労話を聞きだすのを主軸としています。
宝酒造の一社提供で、お酒は焼酎(ハイボール)のみ。
BS-TBSでは、ほかに「町中華で飲ろうぜ(やろうぜ)」と「おんな酒場放浪記」、
ドラマでは「居酒屋新幹線」(主演 眞島秀和)がラインナップ。
関連記事:テレビ番組制作でスタッフが意識している「わかりやすさ」とは
BS‐TBS以外の酒飲み番組
BSフジは、「ウィスキペディア」。
ウイスキーについてのうんちくを、ドラマとドキュメンタリーで構成した番組が。
BSテレ東は、「辰巳琢郎の琢葡萄酒浪漫」。
ワイン通の辰巳琢郎さんが今、飲みたいワインをゲストのためにセレクト。
ワインにあう料理をいただきながら、トーク。
ワイナリーを訪ねるコーナーと構成。
BSイレブンでは、「太田和彦のふらり旅 新・居酒屋百選」
こちらは、アートディレクター兼作家の太田和彦さんが昼はその地の古い町並みや古刹を散策、夜は地域に根付いた居酒屋を訪れ、酒と料理に舌鼓。
杯や器のうんちくも語ります。
太田和彦さんは居酒屋放浪記の吉田類さんとも親交があり、吉田類さんが局を越えてゲスト出演したことがあります。
関連記事:街歩き番組が人気の理由と制作の裏側
東京キー局の酒飲み番組 テレビ東京編
テレビ東京「2軒目 どうする?~ツマミのハナシ~」(土曜日 深夜1時25分~)
MCはTOKIOの松岡昌宏さんと博多大吉さん。
女性ゲストを貸し切りにした居酒屋にお招きして飲み・つまみながらトーク。
貸し切りにした居酒屋は、居酒屋研究科や文筆家の方たちが一人で訪れ、その店のおススメのメニューやツマミと酒の組み合わせ、飲み方などを伝授するコーナーがあります。
テレビ東京は「孤独のグルメ」のようなグルメ系ドラマを毎期放送。
お酒のシリーズは「ワカコ酒」がヒットしています。
今期は…なんとも豪華なサンドウィッチマンとナイツがドラマで共演しているグルメドラマを放送中。
「サンドナイツがプロ野球選手だけの居酒屋はじめました」(木曜日深夜1時~)
設定はサンドとナイツがプロ野球選手だけをお客にした居酒屋をオープンさせることに。
しかし、まだメニューが決まらない。
そこで元プロ野球選手をお招きして、現役時代の忘れられない料理を教えてもらう。
どんな料理だったのか、どんな思い出なのかを再現ドラマで見せながら、料理を紹介しつつ、当時の話で盛り上がります。
東京キー局の酒飲み番組 フジ&日テレ
フジテレビ 「人志松本の酒のツマミになる話」(現「酒のツマミになる話」)(金曜日夜9時58分~)
こちらはスタジオトーク番組。MCとゲストがお好きなお酒を飲みながら、お酒の席で盛り上がること必須のテーマを振ってトークを展開。毎回、豪華ゲストがキャスティング。
「人志松本のすべらない話」のフォーマットをベースにしているよう。
日本テレビ 「1億人の大質問!?笑ってコラえて!」(水曜日夜8時~)
たまーに、「朝までハシゴ酒」「テッペンまでハシゴ旅」。ゲストが飲み屋街をハシゴ酒。その場に居合わせたお客とのからみがメイン。
NHKにも酒飲み番組がある!

NHKにも酒のみ番組があるんです。
不定期ですが、「あてな夜」と「六角精児の呑み鉄本線・日本旅」
「あてな夜」は、お酒のつまみを「あて」といいますが、京都の料理研究家、大原千鶴さんが旬の食材を極上のあてに、ゲストをもてなす番組。
「呑み鉄」は、俳優の六角精児が「酒」と「鉄道」の2つの視点で日本再発見する紀行番組。気ままに鉄道にのって、沿線上の酒蔵や鉄道遺産をめぐる旅。
TBSは、BSでは酒飲み番組の宝庫なのに、地上波は見当たらず、線引きというか、不可侵エリアというか、すみ分けをしているようです。
今回はキー局で抜粋してみましたが、ローカル局にも酒飲み番組は必ずあります。

酒から広がる番組のバリエーション
こうしてみると、「酒」を主軸にして、どう切り口をつくるのか?がわかりますね。
その切り口を最適に表現するのは、どういう構成が最適なのか。
- 飲み歩きロケなのか、スタジオなのか。
- トークなのかドキュメンタリーなのかドラマなのか。
- 主役は酒なのか?酒を飲む人なのか?
一口に酒といっても、これだけのバリエーションが生まれるというお手本になりました。
好きなこと、好きなもの、好きな人を番組にしてみたい!と思ったら、ちょっと参考になりそうですね。

