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テレビディレクターの仕事についてインタビュー

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キー局で夕方の報道番組のディレクターを務める森さん。
去年の夏に、漠然と温めていたテーマを映像にできたとおっしゃいます。
そのことも含め、番組制作についてお話を伺いました──

 転職してテレビディレクターの仕事に就いた

 

テレビの仕事に興味を持ったのは、10代半ばの頃からです。
久米宏さんがキャスターだった頃の「ニュースステーション」を、
当時、家族で見ていました。

その頃「ニュースステーション」は、分かりやすいニュース番組だと世間で話題になっていて、
部活から帰った後、なんとなく一緒に眺めていたという感じなんですが、
天安門事件やベルリンの壁といった重大ニュースが伝えられるのを見ていて、
メディアの力が世の中を動かすことがあるのでは、と感じていました。

今、振り返ると、その頃から漠然とメディアの仕事をしたいと思っていたんだと思います。
職種で言うなら、ジャーナリスト的な仕事ですかね。

社会人としての最初の仕事は、
結婚式場などの配膳をする仕事でした。
数年間、そこで働きましたが、
やはりテレビの番組制作に携わりたかったので、転職しました。

転職して、最初に入社したのは、主にドキュメンタリー番組を作る制作会社です。
実はADはやりたくなかったんですけど…(笑)
もちろんそんなわけにはいかなかったですね。
もう、考えている暇もないほど忙しかったです。

その後、キー局の朝の番組のスポーツコーナーを担当することになりました。
そこでは6年ほど仕事をしました。
ディレクターになりましたが、ニュース番組をやりたいという気持ちはずっと持っていました。

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テレビディレクターの仕事は世の中を動かせる

 

そしてその後、別のキー局の朝の情報番組に携わりました。
それはとても視聴率のいい番組で、メディアの影響力というものを感じられた番組でもありました。

キー局についてはこちらを参照:
テレビ番組の放送局とは

特に、レアメタルをテーマとして扱ったとき、それを強く感じました。
レアメタルは携帯電話などに使われている希少金属ですが、
「宝の山」にもなりうる貴重な資源だということを取り上げたんです。
そうしたら、ほかの放送局の番組でも追随するように情報が流され、
「携帯電話回収ボックス」を、町のあちこちで見かけるようになりました。

もちろん、自分だけが「発見」したテーマではありませんが、
発信した側として、世の中を動かしたという実感を得られて、
テレビってすごいなあと思うのと同時に、満足感もありました。
回収ボックスを見るたびに、心の中でガッツポーズをしましたね(笑)

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テレビディレクターの仕事で嬉しかったこと

 

去年(2015年)の夏、戦後70年の番組特集企画で、
ドイツに取材に行きました。
プロデューサーにダメ元で企画を出したら「行っておいで」とオッケーをもらったんです。

日本と同じ敗戦国のドイツ。
それぞれの、過去の戦争に対する向き合い方というのが根幹のテーマでした。  

実は高校を卒業して、1年間アルバイトをしてお金を貯めて、
約2年、ドイツに留学したことがあるんです。
当時は戦後50年の節目でした。

ドイツは5月8日が敗戦記念日なんですが、
ドイツ国民の中には「ドイツがナチスから解放された日」という認識があることをそのときに知り、
自分たちの選挙で選んだ政権なのに「解放」と言うのか…と、
疑問を持ったというか、不思議な気がしたんですよね。
そんな記憶が、このテーマの企画を出すきっかけにもなっていたと思います。  

去年の7月に取材に行きました。
自分自身でコーディネートをし、街の人たちの声を拾いました。

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予算の関係などで、話を聞きたかった人や足を運びたかったところ、
全部に行けたわけではなかったのですが、
自分としては、20年間、ずっと記憶の底にあったこと、伝えたいと思っていたことを、
映像として、番組としてかたちにできたという感触がありました。  
約1か月後の8月にオンエアとなり、いろいろ反省点はあったにせよ、
自分発信で大きなテーマを扱えたことは、とても嬉しかったですね。

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──お話をうかがって

 

いろいろな番組で経験を積まれた森さん。
ドイツの取材のお話からは、
自分の中に「映像化してみたい」「取材してみたい」と思うテーマを見つけることの大事さが伝わってきました。
どんな仕事をしていても「いつか」という思いを持ち続けること。
それは働くうえでのモチベーションとなり
自分の背中を押してくれるものだと思います。

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kitamura
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