テレビ番組制業界に入って仕事をする場合、未経験の方は最初はアシスタントディレクターとしてキャリアをスタートさせます。
名前の通り、ディレクターの隣でディレクター業務をフォローする仕事です。
テレビ番組制作にも色々な工程がありますが、その中でも今回はロケの仕事について、どのような種類のロケがあるのか、それぞれどんなところが大変なのか、ということを紹介していきたいと思います。
アシスタントディレクターでも最初からロケに同行することは多いですし、ロケの種類についてもある程度知識を持っておいた方が良いでしょう。
ロケの内容によって、その大変さや仕事内容も変わってきます。
ドッキリ系のロケ
演者さんに絶対にバレてはいけないドッキリ系のロケは本当に大変です。
演者がどのような動線で歩いてくるか、どのようなことを言うか、みたいなことを想定して組み立てていかなくてはいけないですし、もちろん人間ですから思ったようなリアクションや行動をとってくれなくて、派手な映像にならない、ということも多々あります。
一生懸命準備をしたけれど、お蔵入りになってしまう、ということも多いですね。
一番大変なロケ現場と言っても過言ではないでしょう。
再現ドラマ
話に基づいてその時の状況を再現ドラマとして説明する、という映像をみなさんも見たことがあると思います。
この再現ドラマは実際に放送されている尺は短いものが多いですが、ほとんどの場合が一日がかり、それなりの濃度のものであれば数日かけて撮影することもあります。予算も結構かかるものなんですね。
またこういった再現ドラマ系はADがロケ場所や役者さん、小道具から衣装まで全てを準備しなくてはいけないことが多く、ADにとってはかなり大変なロケになります。
街ブラ系のロケ
街をブラブラする、いわゆる街ブラ系のロケもADにとっては大変なことが多いです。
もちろん許可は取っておかないと撮影できませんし、通行人の方などに気を配る必要もあります。
そして何より、タレントさんが街を歩くロケをする時は撮影することができる時間にかなり制約があります。
時間的制約がある中でテキパキ動かなくてはいけないというのはかなりしんどいことですね。
制限時間内の中で決められた工程をどのような段取りで進めていけばきちんと全工程を完走することができるのか、常に考えなくてはいけません。
関連記事:街歩き番組のロケ、撮影に許可は必要?公道と私道で違う対応方法。
カメラ一台あればできるロケ
カメラが一台あればできるロケというのはADにとっても難易度の低いロケになります。
例えば、
- お店紹介(飲食店の食べ物紹介など)
- インタビュー、街録
- 密着取材
などですね。
お店でメニューを紹介する時は、ADの一番の仕事は箸上げになるでしょう。
料理を食べたらどんな感じなのか、ハンバーグを切ったらどれくらい肉汁が出てくるのか、ラーメンの麺はどれくらいのもちもち感なのか。
そういったことを映像で伝えるために重要になってくるのが箸上げと呼ばれるものです。
箸で料理を持ち上げて、より料理に関する情報が多く伝わるような映像にしていきます。
最初は手が震えてしまったり、上手にカメラさんと息が合わせられなかったりして、ADにとっては難関となることが多いです。
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また、インタビューや街録などは、カメラ一台でできるので段取りなどは大変ではないのですが、インタビューになかなか答えてもらえない、企画に沿った回答をなかなか得られない、ということもあり、ものすごく時間がかかってしまうことがあるので、それは大変かもしれません。
例えばインタビューさせてもらった人にそのままついていくような企画の場合は、人を選ばないと面白い映像が撮れるかわかりません。
そういった判断をするのはディレクターだと思いますが、ADはずっとそのロケ隊についていくことになりますので、何日も街録が続く、ということもあるのです。
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大切なのは、ほうれんそう
ADにとってどの現場に行っても大切になってくるのは報告・連絡・相談のほうれんそうです。
ロケの場合はスケジュールのマネージメントがADの仕事になることも多いので、例えば一軒目のお店でのロケが早く終わりそうなら二軒目のお店にすぐに連絡して、「早めに着きそうなんですが、何時からロケを始めても大丈夫でしょうか?」みたいなことが言えると、全体を巻きで終わらせることができるかもしれません。
迷った時はディレクターに相談すればいいんです。
そしてそういった細かいことをきちんと報告して共有すること。
たくさんの人が関わって映像を作るテレビ番組制作の現場では、情報を共有して一緒に進めていく、という感覚が何よりも大切になります。
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