テレビ番組を見ていると「音声さん」という言葉が出てくることがあります。
なんとなく番組を見ているだけだと気づかないですが、テレビ番組は視聴者が視聴しやすいように、色々な工夫がなされていて、音声もまたその一つです。
カメラを回してれば、出演者が喋っている声が全て記録できるというわけではなく、
スタジオでの収録であれば、出演者一人一人にピンマイクがつけられており、それぞれの音声を録音して編集段階で映像と合わせ、番組の演出として「この人の発言が面白いな」と思われるものをピックアップして音声がつけられているのです。
カメラだけで音も記録しようとしても、全員の声をクリアに録音することはできないんですよね。
ドラマやロケなんかの屋外撮影の時は、屋外の撮影ではブームマイクと呼ばれるマイクを使って音声を拾ったりすることもあります。
今回はテレビ番組制作の現場での音声さんの仕事内容や働き方について紹介して見たいと思います。
報道番組の音声さん
弊社ライズプランニングは主に報道・情報番組で番組制作を行なっています。
報道番組での音声さんはどんな感じなのかというと、
実は上記に紹介したようなブームマイクを使っている音声さんは報道番組にはいません。
基本的にはスタジオから生放送でおとどけする番組だからです。
基本的に報道番組の制作に関わっている音声スタッフはスタジオとサブコントロールルーム(副調整室)と呼ばれるところで仕事をしています。
サブコントロールルームは「サブコン」や「サブ」と略されることが多いですが、
ここでは放送に乗せる映像や音声をチョイスして調整しています。
複数のマイク、カメラで収録を行なっているので、
内容から判断して、どのカメラを使うか、どの音をどの音量で流すか、といったことを瞬時に決めるのがお仕事です。
音声スタッフはどんなことをするのかというと、
- 使用機材の準備(消毒なども行います)
- 予備マイクのスタンバイ(機材トラブルがあった時に予備マイクをすぐ出せるようにしておきます)
- 放送中のトラブル対応
- ピンマイクやイヤホンをキャスターや出演者につける
といったことを行なっています。
生放送だと音声チェックができないままに放送になったり、
ちょっとしたトラブルが放送事故につながってしまうので、かなり緊張感があります。
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バラエティー番組の音声さん
バラエティー番組の場合は働く場所が大きく変わります。
基本的には、収録ものになるかと思いますので、その場合は
- 打ち合わせ
- 準備
- 収録
- 編集
- MA(音声編集)
といった流れになります。
ブームマイクなどを使うのはバラエティ番組の方が多いですね。
さらに、編集作業では、音楽や効果音をつける作業もあります。
クイズ番組に出てくる正解不正解の音や、お笑い芸人さんがロケで相方さんにツッコミを入れたときの「バシっ」という音など、テレビ番組にはさまざまな音がついています。
そういった音を選んでつけていくのも音声スタッフ、音響効果さんのお仕事です。
これはMA(エムエー)と呼ばれる音声編集作業で行われます。
関連記事:番組制作さいごの工程『MA(エムエー)』について解説します
実は女性も多い音声さん、どんな人が向いてる?
実は業界の中でも女性スタッフが多いというのが音声スタッフの特徴です。
長時間のロケや放送に立ち会い、その間ずっと音に集中していなきゃいけないので体力も精神力も必要なお仕事。
ただ重たいものをずっと持っていなくてはいけない、ということはあまりなく、
昔からマイクはそこまで重いものではなかったため、女性が多かったのかなと思います。
最近はカメラなども小さく、軽くなってきましたが、カメラは昔は本当に重たいものが多かったので、男性が多かったですね。
また、音声は映像とのバランスを考えたり、
複数の音声をバランスよく掛け合わせていく必要があるので、そういったバランス感覚を持っている人が向いています。
他のものと合わせる、という意味でコミュニケーション能力も必要になってくるでしょう。
たくさんのスタッフさんたちとコミュニケーションをとりながら進めていく仕事のため、チームで動くことが得意な人の方が重宝がられますね。
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音声さんが使っている機材
音声さんはどのような機材を使っているのか、少しご紹介して見たいと思います。
こちらはテレビの生中継などでよく使われているピンマイクです。
免許不要で使えるB帯のマイクですね。
中級機のガンマイクで、ファンタム電源なしで充電してつかうことができるのが特徴のマイクです。
ワイヤレスピンマイクとガンマイクを組み合わせて使う、というのは番組制作の現場では一般的な収録方法になります。
基本はピンマイクで声を録って、
ガンマイクで声と環境音を録る感じですね。
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