大学の形態は時代とともに変わっていくようですが、最近は卒業時期についても必ずしも3月とは限らず、秋に卒業というケースが増えているようです。
また働き方も多様化してきているため、春に一斉就職する人ばかりではなくなってきています。
秋に卒業する人や、卒業してもすぐに就職をしない人、あるいは卒業前に働き始める人などいろいろです。
理由は様々ですがこのような人たちが増えることで秋採用の需要は徐々に増えている状況です。
今回はそんな秋採用について現状の分析と中でもテレビ業界の秋採用はどうなのかについて書いてみたいと思います。
一言でいうとテレビ業界はどちらかというと秋採用に向いている業界だと思います。
秋に卒業して秋採用を希望するケース
秋採用を希望する人で一番多いのは卒業時期が秋という人ではないでしょうか。理由としては
- 留学していたので卒業が秋になった
- 単位がとれなかったので半年遅れの卒業になった
- 教育実習で卒業が遅れた
- 一時期休学していた
など。
その他秋に卒業する人の中には大学院の人もしばしば見受けられます。
大学院の場合、所属のゼミや単位の取得方法がイレギュラーなので卒業時期は必ずしも春ではないようです。
また秋に卒業している人の就活時期をみると人によりさまざまです。
卒業年の春から始める人、あるいは前年の秋に卒業してそれから1年かけて就活をする人もいます。
卒業する年の春から秋採用に向けて就活を始める人は、他の多くが来年卒業の学生さん達です。その中にまじって一緒に就活をしているようです。
採用側からはそのあたりは最初わからないことが多く、面接をしていて気付いたりします。
話をしていくうちに
「あれ、秋に卒業ですか?」
「はい」
「では秋から働けるのですか?」
「はい!」
という感じでわかり、では秋採用にしましょうとなることもあるような状況です。
多くの学生さんたちが卒業の1年前から就活を始めることを思うと、このような人は春からはじめて長くても半年なので、秋卒業で秋採用というのはある意味効率的かもしれません。
秋に卒業する人の中には、前の年の秋に卒業したという人もたまに見かけます。
通常の春からの就活に乗り遅れてしまったので、卒業後しばらくはアルバイトなどをしていて翌年の春から就活を始めているような人ですね。
日本ではまだ秋採用が定着していないため、働き始める時期は会社に合わせるしかないと考えている人もいるようで、そのような人は秋採用が可能である話をするとそれなら早く働きたいとなることが多いように思います。
またこのような人たちの就活方法は大まかに二通りあります。
リクナビ新卒やマイナビ新卒のような新卒サイトからエントリーしてくる場合と、リクナビ転職、マイナビ転職のような転職サイトからエントリーしてくる場合の2種類です。
これも秋採用が定着していないことのあらわれかと思います。
秋採用を探している人は何を利用して就職活動をすればよいのか、自分は第二新卒になるのか、新卒になるのかなど迷うところではないでしょうか。
春に卒業して秋採用を目指す人
秋採用を希望する人の中には普通に春に卒業している人もいます。
このような人たちの理由としては
- 春に卒業したがすぐに働きたくなかった
- 春に卒業したがしばらくはいろんなバイトをして自分の適性を見たかった
- 本当は春に卒業できたのだが、良い就職先が決まらなかったので就職浪人として在籍だけしている
- 来年の春卒業するが専門学校なので秋から働くことができる
など。
就職浪人については、かつては卒業してから就職までに正規に職に就かずブランクがある場合、就活に不利といわれていたので、費用がかかっても就職浪人として大学には在籍しておくという学生がいました。
ただ、最近は働き方が多様化してきたので、このような考え方は少なくなってきているようです。
このように春に卒業した(あるいは卒業予定)場合であっても秋採用を希望する人がいます。
このような人たちの殆どは新卒就活サイトからエントリーしているようですが、春に卒業して秋から働きたいと明確に意思を伝えてくる人は今のところごくわずかです。
秋採用について積極的に歓迎している企業はまだまだ少ないため、おそらく採用に不利になる可能性も考えているのではないでしょうか。
今後は働き方の多様性に応じて秋採用をする企業も徐々に増えていくと思います。
秋から就業したいという希望がある場合は秋採用についての企業の方針を積極的に聞いてみるのも良いのではないでしょうか。
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企業が秋採用するわけ
では企業側から見て秋採用をするわけは何なのでしょうか。
大まかに言うと以下のような理由があると思います。
- 春に予定人数を採用できなかったので補充したい
- 秋にかならず仕事の需要がある
- 外資系なので秋が都合が良い、留学生などを積極的に採用したい
- 司法試験、会計士など資格やスキルが重視されるのでそもそも春採用は向いていない
- もともと通年採用していた
など。
そもそも春に一斉入社する背景としては日本の多くの主に大企業が終身雇用制度を取り入れていたことにあり、定年の時期が訪れた社員は一斉にごそっと退職するので、その分を新卒採用で補充するという循環ができていたからということがあります。
現在では退職年齢も
まちまちになりつつあり、終身雇用という考えはすでになくなりつつあります。
また新入社員は研修や教育が必要な場合が多く、一度に多くの新入社員がはいることはそもそも企業にとってかなりの負担になることも否めない状況でした。
大手航空会社のように大勢採用はするものの研修は一度にできないため、もともと入社日時を数カ月ずらしていたようなケースもあります。
現在では一斉に就活が始まり一斉に4月に入社することのメリットは徐々に企業側にも無くなりつつあるのではないでしょうか。
新卒採用のやり方についてもこれまでのようにリクナビやマイナビの新卒採用サイトを利用するのではなく、知名度がある企業は自社サイトに直接呼び込むケースもあるようです。
あるいは、今後はネットやテレビCM等を利用して知名度を上げ、自社サイトに通年で誘導するという方法が多くなっていくように思います。
そんな状況もあり秋採用が徐々に注目されつつあるようです。
研修制度が無い中小企業やそもそも研修が必要ないような企業にとっては実はいつ採用しても変わりないという企業の方が多いのかもしれません。
さらに良い人であれば春に限らずいつでもほしいというのはどこの企業でも同じではないかと思いますし、企業によっては秋から仕事が集中するからどうせ採用するなら秋からが良いという企業も実はあったのだと思います。
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テレビ業界の秋採用について
テレビ業界は秋採用に向いている業界だと思います。
テレビの番組編成が大きく変わるのは4月からで、この頃になると新しい番組が多くでき、番組には多くの新卒さんたちが入ってきます。これは一般的な企業と似たような状況です。
とはいえ、テレビのトータル放送時間は変わらないため新たにできる番組もあるかわりに無くなってしまう番組もあるので、携わるスタッフの総人数はさほど変化していないというのが実際のところです。
中には番組の名前だけは新しくなったものの、かかわるスタッフはほぼ同じというニュース番組や情報番組がたくさんあります。
ではなぜテレビ業界でも春に多くの新卒さんが入っているのかというと、春を区切りに辞める人がやはり多いので補充が必要になること、また新たな番組にはこれまでのスタッフとは別のスタッフが必要になるからなどのような理由があります。
たとえばニュース番組だった枠がバラエティ番組に変わるときには同じスタッフでは無理だったりするわけですね。
とはいえ、テレビ業界全体ではかかわる人数が多いので、春に限らず通年に渡り辞める人はいて、また途中で入る人もいます。
中には辞めてしまって人が足りないけど補充したくても人がいないので、春まで何とか待ってそこで多めに取っておくという番組もあるようです。
そういう意味では秋も番組の大きな改編があるので、テレビ業界では需要が集中する傾向があります。
春に新卒さんたちが大勢入るまでは待てないので秋の改変のタイミングで人が欲しいという状況です。
そのためテレビ業界は秋に募集がかかることが実はとても多いです。
現状では秋は人がなかなか動かず、困っているという番組がたくさんあります。
またテレビの現場は常に番組を作り続けていますから春なら新人研修ができているかというとそういうわけでもありません。
結局は現場にすぐに入って先輩のやり方を見ながら覚えていくという方法がほとんどで、これは春に採用されても秋に採用されても変わりはありません。
特に秋は年末の特番の準備が始まる時期でもあるので、実はとても採用の需要が増える時期なのです。
そんなわけでテレビ業界というのはとりわけ秋採用に需要がある業界であると言えるわけです。
もしテレビ業界に興味を持っている人で、様々な理由から秋採用を希望しているのであればその路線で探してみると案外入りやすいかもしれません。
その場合どうやって秋採用をしている会社を探すかについては、現状ではまだまだ春の新卒採用が主となっていますから、リクナビ、マイナビなどの新卒サイトと、第二新卒用の転職サイトなどの両方を見てみるのが良いでしょう。
実際秋採用を希望している人は(数はまだ少ないですが)現段階では同程度の比率で新卒サイトまたは転職サイトからの応募があるような状況です。
テレビ業界においては秋採用は決して不利ではなくかえって行きたい番組に行きやすいかもしれませんので
あきらめずにチャレンジしてもらいたいですね。
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