今回はテレビ業界の就職は難しいのかについて現状を踏まえながら解説してみたいと思います。
最も難しいのはやはりテレビ局
斜陽産業になったのでは無いかといわれつつ、テレビ業界ではやはりテレビ局への就職が最も難しいでしょう。
キー局ともなれば平均年収は1000万越えと言われ、華やかなイメージはいまだに残っていると言えます。
一般的に採用面接は2〜3回という企業が大半であるのに対し、大手テレビ局の場合は6次面接、多い時は8次面接という所もあるほど、テレビ業界の中でもテレビ局への就職は最も難しいと言われます。
就職活動の時期も全体的に早めで、実は12月までに終わっている所が多く、特にキー局は早い時期から始まっており、局により時期も異なるので、受ける側は大変なことだと思います。
テレビ局に就職したいという人の中には全国様々な局を受ける人もいるので、選別、移動など本当に難しいと思います。
特に人気が高いアナウンサーについては1000倍を超える倍率とも言われる局もあります。
局によりますがかつてはアナウンサーも普通の正社員と変わらい採用形態だったので、表に出ていた人が、年齢を重ねて裏方に回っていたり、制作現場にいたりというようなことも見受けられました。
現在では通常の正社員とは異なる契約の所が増え、生き残っていくのも難しい業界だと思います。
関連記事:アナウンサーになるにはどんな方法がある?
学歴はそれほど関係ない
これだけ倍率が高く難しいテレビ業界の就職なので、学歴も高くないと絶対に無理ではないかと感じると思いますが、実は学歴はそれほど関係ないという局もあります。
面接の際に学歴は伏せられているという所もあるのです。
学歴がベールとなり本質が見えずらくなるということのようですが、これには私もちょっと驚いたくらいです。
それだけ学歴より本人の真の姿をみて選考したいということではないでしょうか。
テレビ業界は斜陽と言われ続け、実際ネットに広告収入の多くが移ってしまった現在、テレビ業界は誰が見ても本当に変わらなければ生き残っていけないという状況になっています。
- マンネリ化している
- 横並びの似たような番組ばかり
- スポンサーが求める視聴者と実際が乖離している
- 10代〜30代の若者のテレビ離れ
などが言われてしまっています。
とはいえ地方のとりわけ高齢者はいまだにかなりテレビに依存しており、重要な視聴者層となっているのは昔も今も変わりません。
ただ、高齢者もインターネット世代になりつつあるため、高齢者向けの番組ですらこれまでと同じ作りでは生き残りが厳しくなっているのです。
- テレビ業界はインターネットの動画配信とどう差別化をしていくのか
- インターネットの情報をどんな形でテレビ業界に取り込んでいくのか
- 両者の相乗効果をどうやって構築していくのか
など難しい課題は今も山積みです。
すでに古い体制になりつつあるテレビ業界には、
学歴は良いけど新しいものを生み出していくパワーのある人材が実際の所少ないのを現場では痛いほど感じているのだと思います。
そのためテレビ業界の就職では学歴ははっきり言ってそれほど問題ではなく、難しいのは何ができるのか、何を作りたいのかという明確な個性と意欲をどうやって伝えるかではないかと思っています。
関連記事:テレビ業界の面接でしてみるといい逆質問
インターネットに強い人が求められる
テレビのネット同時配信が言われはじめてすでに数年経ちますが、実際様々な形でテレビもインターネットを活用するようになってきています。
それに伴い、最近テレビ局の仕事にはサイバーと頭に付く仕事が増えてきています。
現在はテレビ局や番組で公式ツイッターを持つのは当たり前ですし、今後インターネットをどのように活用していくか、というところはまだまだ始まったばかりという状況です。
サイバー系の仕事には学生さんのアルバイトが多く入っていて、やはりそこは若い感覚無しでは絶対に難しい分野でもあります。
正直言って今のテレビ局の管理職世代ではサイバー系の仕事はおそらく無理で、言葉すらわからない人が多くいることでしょう。
インターネットの動画配信が増えたとはいえ、視聴者はテレビとネット上のコンテンツに必ずしも同じものを求めているわけでもありません。
ではこれからさらに増えていくインターネットの情報をどんな風にテレビに活用していくのかは選択肢が複雑すぎる反面、可能性は限りなくあります。
変化に鋭く反応していけるようなインターネットに強い世代、そして新たなものを生み出していける創造性の強い人材を、
就職活動においてテレビ業界も必死で探しているというところではないでしょうか。
言い方を変えれば若い人は、上の世代にに強く意見を言える時代であるとも言えます。
テレビ業界への就職は確かに難しいかもしれませんが、これまでのようにテレビ局に合わせた自分を作るのではなく、思い切って自分の意見ややりたいこと、特にインターネットを活用する個性的な企画や考えを打ち出していければテレビ業界への就職にも可能性がでてくると思います。
関連記事:テレビ局にはどんな部署があるの?
テレビ業界は周辺事業も強化したいと思っている
テレビ局の決算書の中には、知らずに見ると不動産系の企業ではないかと思ってしまうようなところがあります。
企業が大きくなってくると不動産投資で安定経営を目指すというのはありがちな戦略ですが、これについてはテレビ局も例外ではないということです。
そんなテレビ業界では収入の減少が危惧される状況において、不動産などの他事業をより強化しようという動きが強くなっていることは当然のことだと思います。
不動産事業の拡大のほか、映像にまつわる周辺事業の拡大や、教育分野など多大なコンテンツを生かして今後どんな分野に伸ばしていけるのかが発展の鍵となるはずです。
そのためテレビ業界の就職においては番組作りに対する意欲だけではなく、もう少し広い、いわば経営目線になってみて、どんな周辺事業が可能なのか、自分ならテレビと何をくっつけた商品をつくるのかなど、様々な案を出してみるのも良いかもしれません。
テレビ業界では若い層のアイデアを少しでも多く望んでいます。
かつて東急電鉄が沿線に巨大な街を構築していったように、テレビ業界というメディアの広告力を使った新たな街づくりですら、夢物語ではないと思っています。
先日山口百恵さんのラストコンサートが高い視聴率となったのを見れば、有料企画として過去の映像を利用してストリーイング有料配信してみる事業も可能性があるかもしれませんし、
海外ロケを国別にまとめたものをネット上で商品化するなど、
著作権の問題などいろいろあるにしても、考えられる周辺事業は実はかなりあるのではないかと思っています。
難しいテレビ業界の就職を目指すのであればそんな別の視線からの意見を考えてみるのも悪くないと思います。
テレビ業界はまだまだ伸び代があると私は思っています。若く新しい感覚で人々が楽しめるものを数多く世の中に出せたら楽しい時代になるのではないでしょうか。
関連記事:テレビ業界に就職したいと思ったきっかけ、どんな理由が多いの?
