これから自分の進む道を決めなくてはいけない就活生の方で、テレビ業界を目指されている方へ、
普段何気なく見ているテレビですが、家にテレビがあれば無料で番組を見ることができますよね。
最近はインターネットで配信している番組も多く、ネット上で見逃し配信をしている番組が急激に増えました。
しかし映像配信サービスは有料のものもあります。
Netflixやアマゾンプライムビデオ、huluやU-NEXTなど、お金を払わないと配信サービスを利用できないものもあるのに、テレビはどうして無料なのでしょうか?
これからテレビ業界へ就職を検討している方には、ぜひテレビ業界の構造についても理解を深めて欲しいと思います。
今回は無料で見られるテレビの業界構造について、詳しく解説していきます。
テレビ業界の成り立ち
今では当たり前に各家庭にテレビがあって、テレビ番組を楽しめる時代ですが、テレビは大昔からあったもの、というわけではありません。
テレビについての研究は戦前からされていたものの、1945年敗戦直後にGHQからテレビの研究を禁止された過去もあります。
民生用のテレビが発売されたのは1952年の松下電器産業(のちのパナソニック)が初めて、さらに国産のテレビが発売されたのは1953年のシャープのものが初めてになります。
民間放送が初めて始まったのは1953年8月28日の日本テレビの番組でした。
当時の主な番組は大相撲、プロレス、プロ野球などのスポーツ中継や、記録映画などで、今のようにいろいろな番組があった、というわけではないのです。
テレビ放送は誰もが行えるものではなく、放送事業者が行うことができる免許事業で、その免許を与えているのは総務省です。
放送事業者はマスメディアの中でも主要な報道機関ですが、それと同時に防災機関としても位置付けられています。
- 放送法の規定
- 災害対策基本法
- 国民保護法
などによって指定公共機関としての指定に基づいた災害報道が求められる機関で、今でこそ「娯楽」と考えられがちですが、有事の際に速く、正確な情報を国民に伝えるためのものなのです。
テレビ局の収入源
テレビをつければ無料で見ることができるテレビ番組ですが、どこから収入を得ているのでしょうか?
テレビ局の収入源について解説します。
広告収入
テレビ業界を目指している人ならご存知だと思いますが、テレビ業界の主な収入源は広告です。
テレビを見ている時に流れるテレビCM。
お金の流れで言うと、
広告を出したいスポンサー企業→広告代理店→テレビ局
という流れになります。
例えば新商品のCMを出したいスポンサー企業がいたら、そのスポンサー企業はまず広告代理店に連絡をします。
「これこれこういう商品を出すのでテレビCMを放送したいです」
そうすると広告代理店がその商品のターゲット層と視聴者層が一致している番組の広告枠を紹介します。
洗剤のCMなのであれば、主婦層が見ているだろう夕方の情報番組や家事や家庭のことについて深く掘り下げている番組など。
そういった放送枠を広告代理店を通してスポンサー企業は購入するのです。
テレビ局側では、スポンサーが広告を出したいと思ってくれるような面白い番組、視聴率の良い番組を一生懸命作っているわけですね。
広告を見て「これいいな!」と思った消費者がその商品を買うことによって、スポンサーもまた売上を伸ばしていくことができる、という仕組みです。
受信料
前項で説明した広告収入によるビジネスモデルで成り立っているのは民放放送局です。
それにたいしてNHKは公共放送で、受信料によって成り立っています。
NHKを見ていると、番組を紹介する番組CM以外にはCMがないのがわかります。
公共放送であるNHKに関しては、収入源が全く異なるんですね。
関連記事:NHKにCMがないのはどうして?番組の仕組みを解説!
ユーザー課金
HuluやNetflixなど、直接ユーザーが課金している動画配信サイトもあります。
実はHuluは日本テレビ放送網傘下のHJホールディングス株式会社が日本での事業を100%承継し、行っています。
またNetflixで放送されていた人気番組『テラスハウス』はフジテレビとの共同制作のコンテンツです。
他にもスカパーやWOWOWなど、有料チャンネルとして運営しているものもあります。
ライツ収入
ライツ、というのは権利のことを指します。
テレビ番組から派生して作られたグッズや、コンテンツを海外に販売して輸出した場合の権利収入がこれに当たります。
番組の人気度にもよりますが、海外にはアニメ関連のものが輸出されやすいですね。
その他の事業
テレビ局は実は放送事業以外にもいろいろな事業を行っています。
- フジテレビの都市開発事業
- 日本テレビのスポーツクラブ事業
- テレビ東京のEC(インターネットショッピング)事業
ほかにも不動産事業などもあります。
2017年度の放送事業者売上高は3兆9,337億円で、詳しい内容に関しては総務省のページで確認することができますので覗いてみてください。
テレビ業界の構造についてざっくりと解説をしてみました。
どのような流れでお金が動いているのか、どのようにして仕事が回っているのかというのは、どんな業界に入るにせよ知っておいた方がいいことです。
興味のある業界についてはビジネスモデルを調べてみるようにしましょう。
関連記事:2020年コロナの影響でテレビ業界の採用はどんな風に変わった?