テレビ局に入りたい!と、すでに就職活動されている方も多いでしょう。
テレビ局への就活準備は何をしておくべきか書いていきます。
大事なことは、テレビ局がこれからどうなっていくのか、そして、自分はテレビ局でどんな仕事をしていきたいのか、を自分の言葉で話せるようにしておくことです。
テレビ局がどうなっていくのか予想する
テレビ番組が好きだから、テレビ局にはいって、番組制作をしたい!という志望動機の方も多いと思います。
この志望動機では、テレビ局に通りません。1000人以上エントリーして受かるのは20人前後です。
テレビが好きだからという気持ちは、エントリーしている全ての人が持っているからです。そして、番組を作りたいという動機も薄いです。なぜなら、番組制作をしたいのであれば、テレビ局に入らずとも制作会社に入ればできるからです。
むしろ、制作会社に入ったほうが、テレビ制作が確実にできます。テレビ局に入りたいのなら、なぜテレビ局でなければならないのか、が志望動機に必要になります。
なぜ、テレビ局?
たいていの方は、テレビ業界は賃金格差がある世界だと承知しているかと思います。テレビ局員の年収は、経済誌が特集する年収ランキングでも上位に入っているほどの高年収ですが、制作会社の場合は、年代別平均年収に到達するかどうかです。
テレビ局に入れないのなら、テレビ制作の道は諦める、という学生も多くいます。
余談ではありますが、制作会社からテレビ局へ転職するという道もありますし、フリーランスになって手広く映像制作をするという道もあるので、制作をしたいのならテレビ局にこだわらなくてもいいと思うのですが…ずれましたが、年収の高さや福利厚生の充実度でテレビ局に魅力を感じている方も多いことでしょう。
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テレビ局の役割を考える
さて、本題にもどります。テレビ局の役割とはなにか、を知らないことには自分はテレビ局で何がしたいのか、見えてこないと思います。
テレビ局は、番組をつくることだけではありません。番組制作にかかわる費用を確保しつづけなくてはなりませんし、365日24時間放送し続けるために番組スケジュールをたてて、時間通りに運行されなければなりません。
そのため、スポンサーとのパイプ役になる営業もあれば、視聴者に求められている番組を生みだし、どのタイミングで放送するか決める戦略的な編成、放送が滞りなくされるようなシステムや技術を担う部署もあります。
テレビが放送されるための骨幹部分を担うのがテレビ局の役割であり、制作というのは、枝葉の部分といえます。
では、制作の現場にテレビ局員はいないのか、といえばそうではありません。制作に関わるスタッフは
- プロデューサー
- ディレクター
- AD
- 構成作家
- リサーチャー
- カメラマン
- 音声
- 照明
etc….
と10人程度から数十人規模までのチームで行われますが、そのなかで、局員は一人か二人ほどです。
チームのトップである、チーフプロデューサーが局員です。
彼らは、作品の責任をもち、作品の品質と予算とスケジュールと危機管理をしています。
テレビ局にはいって、制作に携わりたい!のであれば、このポジションを担わなくてはなりません。
ごくレアなケースですが、テレビ局員でありながら、ディレクターでもある場合があります。
その場合も、プロデューサーを兼任しているか番組の責任者です。そのポジションを担える素養のある人をテレビ局は求めている、ということです。
さらに、これからのテレビがどうなっていくのか、を想像しなくてはなりません。
各テレビ局は有料の配信事業も行っており、テレビで番組を見ない人に、どうやって番組を見てもらうのか、を考えて事業を展開しています。
さらにこれからは、ほかの映像コンテンツとテレビ番組との競争が続いていきますから、どうやって常に勝ち続けていくのか、を提案できなくてはなりません。
テレビを見ない20代以下の世代に、いかにテレビを見てもらうのか。
テレビを見るだけではなく、自発的にどう盛り上げさせるのか。あるいは、テレビ番組へ参加させるにはどうしたらいいのか。と、ターゲットにしている視聴者層にいちばん近い就活生からも導き出したいと考えています。
テレビ局がいま、どんな事業をしているのか、どんなことを考えているのか、は、テレビ局のホームぺージを見れば書いてあります。
社長あいさつ、事業内容、IR情報、プレスリリース、事業報告をみれば、テレビ番組だけではない事業の広がり、どんな企業が傘下にあるのか、最近グループになった企業をみれば、こういう方面へテコ入れしようとしているんだな、とわかります。
採用情報を見れば、先輩からのメッセージや各部署の仕事内容があります。自分がやりたい仕事が漠然としたイメージでしかなかったのが、詳細に知ることで、いろいろと興味を持てるかもしれません。
ホームぺージの全てに目を通して、この局はどんな方向に力を入れているのだろうか、これからテレビを使って何をしようとしているのか、想像してみましょう。
自分の言葉で表現する
テレビ局がどうなっていくのか、そのなかで自分はどんな仕事をしたいのか、と深く考えてきました。イメージもできていると思います。しかし、それらが自分が考えている通りに伝えて、相手に伝わらなくては台無しです。
どんなにイメージトレーニングをしていても、いざ文章化、言語化しようとすると、適切な言葉がみつからない、何を言いたいか迷子になってしまう、おなじことばを繰り返してしまう、話したのはいいけど、伝えたかった内容とは違った、ということが起こります。
そういう時は原稿に書いてみることをお勧めします。
大学生活で、自分で考えて書く、ということを疎かにしてきた人は、ここで見透かされます。
テレビ局員は、表現することを生業としているプロですから、その言葉が誰かのコピーなのか、それとも学生本人の内側から出ている言葉なのかはすぐ分かります。
自分の言葉で話すためには、自分の経験をベースにすることです。自らがやってみて、感じたことを盛り込むことで、自分の言葉となります。
もし、自分が書いてみた言葉が心もとないな、と感じたら、類義語辞典で調べるようにしましょう。
テレビ局員は言葉にシビアです。言葉の使い方が適切ではない、間違っている、表現が薄い、理解していないのに難しい言葉を使っているなど見受けられたら、減点になる可能性があります。
出発点は「テレビが好きで制作したい」であっても、自分が所属しているグループのなかで、どんなことをしてきて、嬉しい思ったり悔やんだりしたのか、それが、制作という仕事のどんな面で、活かしていけるのか、そのテレビがこれからこういう展開をしていくなら、自分はこういうことができる、と話せるようになると、説得力が増すことでしょう。
ローカル局への対策
ローカル局の場合は、キー局よりも、独自で制作している番組が少ないです。
ほとんどがキー局や準キー局の番組です。
朝の情報番組やニュース番組を見ていると、最初はキー局のアナウンサーが司会していたのに、途中からローカル局のアナウンサーに代わるときがあります。そしてニュースが地域のニュースや特集になったりしますが、一つの番組のなかで、キー局からローカル局へ乗り替わる部分をローカル局が受け持ちます。
オリジナルの番組では、地元のグルメ系の紹介番組や地元企業を紹介する番組、医療情報番組などが多いようです。
キー局に比べると、地域密着型の番組づくりや事業を展開しています。
ローカル局の場合は、視聴者とテレビを通しての交流だけではなく、SNSでのやりとりやリアルな場でも接点が多いです。
面白い番組をつくるよりも、いかに地域の人たちにテレビという媒体をつかって有益な情報を届けるか、テレビを使って楽しんでもらえるか、という意識をもつことがいいかと思います。
テレビを見ているだけでは、その裏側の制作工程は知る由もありません。番組だけでそれを想像しようにも、限界があります。
ネットでは、多くの情報を入手することができます。自分が入りたい局が発信している情報を読むことで、想像の幅が広がります。全てを読み、対策を立てること。これは、テレビ制作の仕事にもつながっています。
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