「若者のテレビ離れが激しくて」というような言葉をよく聞きますが、実際のところテレビは今若者に見られていないものなのでしょうか?
私の周りでは未だにテレビの話題はよく出ますし、SNSを見ていても番組の切り抜きが拡散されて話題になっていることが多いです。
今回は試聴データを探りながら、若年層がどのようにテレビに触れているのか、と言うことを考えてみたいと思います。
Z世代もテレビを毎日見ている人が過半数
視聴頻度、ドラマの視聴状況、データから読み解くZ世代のテレビ事情|@DIME アットダイム)を参考にすると、
Z世代を対象に行われた調査で「普段テレビは観ますか?」という質問に対して、以下のような結果が出ています。
- 毎日見る…58.5%
- 週5〜6日見る…9.4%
- 週3〜4日見る…12.9%
- 週1〜2日見る…10.9%
- 2〜3週に1回程度見る…1.8%
- 月に1回程度見る…2.0%
- 2〜3ヶ月に1回程度見る…0.2%
- 半年に1回程度見る…0.2%
- 1年に1回程度見る…0.2%
- テレビは見ない…3.5%
- その他…0.4%
こちらはZ世代を対象に行われたアンケート調査です。テレビを毎日見ると答えた人が過半数。
さらに週3回以上の人は合計すると80.8%ということになり、若者のテレビ離れ、というのは実際には起きていないのではないか、という結果になっています。
ちなみに、テレビの視聴時間は若年層から中年層で減少中(2021年公開版)(不破雷蔵) – 個人 – Yahoo!ニュースというのも見てみると、
若ければ若いほど、テレビの平均試聴時間が減少しているという結果が出ています。
つまり、若者がテレビを見る頻度は高いものの、テレビを見る時間が短くなっている、ということが分かります。
現在はYouTubeやSNSなどのコンテンツも増えており、単純にエンタメコンテンツの選択肢が増えたのではないかな、とも思いますね。
関連記事:テレビ視聴者の傾向、どんな層がどんな番組を見ている?
若者が普段チェックする情報源は?
全国のZ世代の高校生・大学生・社会人の男女6953人に聞いた「もっと知りたい、Z世代。 ~情報・人との接し方とは~」|株式会社ネオマーケティングのプレスリリースを見てみると、
2021年にZ世代に対して行われた調査では「普段チェックする情報源」として、以下のような結果が出ています。
- SNS(YouTube等動画共有サイトを含む)…79.8%
- テレビ番組/テレビCM…65.0%
- WEBメディア…46.3%
- ニュースサイト・ニュースアプリ(Yahoo!、SmartNews、グノシー等)…43.5%
- 友人・知人・家族のクチコミ…27.7%
- 口コミサイト・まとめサイト…19.6%
- 屋外・交通広告…17.9%
- ラジオ番組/ラジオCM…15.7%
- チラシ・DM(ダイレクトメール)…15.6%
- 書籍…13.7%
(以下略)
チェックしている情報源としては圧倒的にSNSが多くなっていますね。
その次にテレビが続いています。
一方、最もチェックしている情報源は?という問いでは、以下のような結果が出ていました。
- SNS(YouTube等動画共有サイトを含む)…55.8%
- テレビ番組/テレビCM…14.8%
- ニュースサイト・ニュースアプリ(Yahoo!、SmartNews、グノシー等)…8.7%
「最も」とすると、これはSNSが断トツとなっていますね。
さらに情報源への信用度に関してもデータが出ており、
「テレビ番組/テレビCM」への信頼度合いについて、「信用している」「やや信用している」と回答した割合は61.7%となっており、中では最も高い割合となっていました。
若者にもテレビは日常的にチェックされており、情報源としての信用度は高い、ということがわかります。
テレビは多くの人が関わって作っているものであり、「表現に間違いがないか」「放送する内容に対してきちんと裏どりができてるか」ということにとても気をつかっているメディアでもあります。
情報の拡散力やコンテンツ量で言えばSNSに負けてしまうかもしれませんが、
若い世代にも、「テレビは信用できる情報源である」という認知をされているのかな、と感じます。
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若い世代で暇な時間の過ごし方が変わっている
同アンケートを見てると、
- X(旧Twitter)
- TikTok
- YouTube
などのSNSの利用目的は、その全てで1位が「暇つぶしのため」となっていました。
もちろん情報収集や友人とのコミュニケーションツールとして、などの具体的な利用目的も見受けられましたが、全てのSNSにおいて、暇つぶしが一番の利用目的となっているのです。
これを見るに、今までは「暇つぶし」でテレビを見ていた人が多かったのに対して、
今は「暇つぶし」にSNSという新たな選択肢ができたのだ、ということが分かりますね。
テレビ離れ、と一言で片付けると、少し意味合いが異なってきそうです。
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