弊社ライズプランニングはテレビ局出向型の番組制作会社です。
主に情報・報道番組の制作に携わっています。
今回は「ワイドショー」について、解説をしてみたいと思います。
弊社は特に情報・報道番組の制作が多いので、必然的にワイドショーへの関わりも多くなります。
実際に制作に携わっている立場から、解説をしてみたいと思います。
ワイドショーとは
ワイドショーは英語のように感じますが、和製英語です。
テレビ番組のジャンルの一つで、「ワイド」という言葉には番組内でジャンルを限定しない幅広い内容を提供する、という意味が込められています。
ちなみにワイド番組という言葉もありますが、ワイド番組とは、1週間のうち複数の曜日にわたって放送される番組を指す言葉です。
番組編成表を見ているを分かりやすいのですが、月曜〜金曜まで毎日放送されている番組なんかは、ワイドに(幅広く)その番組が放送時間を占めています。
これが帯やベルトのように見えるので、帯番組やベルト番組などと呼ばれることもあります。
ワイドショーの歴史
日本で最初のワイドショーは、1964年4月、日本教育テレビ(NET)が朝に放送した『モーニングショー』だと言われています。
この『モーニングショー』の成功を真似て、その後平日正午の時間に『アフタヌーンショー』が開始されたり、深夜枠や平日午後枠のワイドショーが広まっていき、視聴率があまり取れない時間帯を盛り上げていきました。
実は放送開始当時は映像を撮影して編集する、というVTR技術がなく、
スタジオからのトークと新聞社から提供されたニュース原稿を中心に生放送で放送されていました。
1970年に『東京ホームジョッキー』(フジテレビ)にて番組内でのテレビショッピングが開始。
さらに1976年、ワイドショーの番組構成として、芸能ニュースがメインラインナップになる状態が始まり、テレビ局と専属契約をした芸能リポーターが誕生します。
ワイドショーは今日の日本のテレビの文化を作る原点ともなっているんですね。
1990年代以降は、芸能ネタ重視の構成から社会問題などを積極的に取り入れるようリニューアルしていき、情報番組という呼称で呼ばれることが多くなりました。
2010年代からは、準キー局である関西や愛知地区制作の全国区番組が増えました。『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)や『ゴゴスマ』(CBCテレビ)などがそうですね。
これはキー局の経費削減に繋がっています。
また2021年4月からは、TBSの『ラヴィット!』が始まりました。
こちらは日々のニュースには一切触らない、新しいタイプのワイドショーです。
他局とはカラーが全く違う番組で、エンタメ要素が強く、初期は視聴率が低迷していましたが、徐々に知名度があがり、今では人気番組となっています。
私もよく見ています笑
ワイドショーの歴史を見ていくと、テレビ番組の歴史もまた分かってくるように思いますね。
ニュース番組とワイドショーはどう違う?
ニュース番組とワイドショーの細かい違いをしっかりと言える人は少ないのではないでしょうか。
なんとなくわかってるつもりでいても、改めて聞かれるとわからなくなりますね笑
まず大きな違いは、扱う内容です。
ニュース番組は主にニュースのみを扱いますが、ワイドショーはニュース以外の多様な情報をを扱う番組です。
また、ニュース番組ではアナウンサーがニュースを読み上げるという構成が多いですが、
アナウンサーがニュースの内容について意見を述べたりすることはありません。
ワイドショーでは局のアナウンサー以外が司会をすることが多く、さらに、アナウンサーだけでなく、
- 芸人
- タレント
- アイドル
- 専門家
など、幅広いジャンルで活躍する方が集まり、ニュースや各種の情報に対して意見を述べます。
この意見は公平公正である必要はなく、公共への放送として不快な内容になっていない限りは、偏りがあっても構いません。
意見はみなさん違って当たり前ですからね。
それらの意見を討論させることによって、番組が面白くなっていくのがワイドショーなのです。
ワイドショーは何を考えて作られている?
弊社にはワイドショーの制作現場で働くアシスタントディレクターやディレクターが多数所属しています。
ワイドショーの制作では一体どのようなことが考えられているのでしょうか?
視聴者のみなさんからすると、「ワイドショー」というくくりで見た時、
どの局の番組も大差ないように感じられるかもしれませんが、
制作しているスタッフ側としては、やはり他局とは違うカラーが出るように、自分らしい映像になるように、ということを大切にしています。
まだ誰もやったことがないようなことに常に挑戦し続ける。それが番組制作のお仕事なのではないかなと思います。
その局らしいカラーというのはあるもので、
さらには番組制作業界の中でもディレクター個人個人の「〇〇さんらしい映像」というのものがあるものなのです。
ぜひそういったところにも注目して、番組を見てもらえたら嬉しいですね。