CMを打つに当たって、薬事法というのはとても重要になってきます。
薬事法は医薬品はもとより、医薬品以外の商品にも関係があります。
そのため関係ない分野だからと安易にCMを制作すると思いがけず薬事法に引っかかってしまう事もあります。
今回はCMを打つに当たってどのように薬事法が関係してくるのかについて書いてみたいと思います。
薬事法の歴史と薬事法が関係する商品
薬事法にまつわる歴史はかなり古く、最初は江戸時代、徳川吉宗の頃だと言われています。
それは決められた検査を通った薬以外の物はむやみに販売してはいけないというものでした。
その後明治時代になり、文明開化とともに西洋の薬品が入ってきて規制は大きく変わります。
そしてその後も時代に応じて変化しつつ薬事法が現代の形になってきました。
最近の記憶に残るところとしては、薬局でしか扱えなかったドリンク剤が、規制緩和でコンビニなどでも売られるようになったり
またもっと最近ではロキソニンやガスターのように、かつては医師の処方箋なしには買えなかった薬が、ドラッグストアのような店舗で処方箋なしで購入できるようになりました。
これらも薬事法の一環になります。
薬事法というのは、基本的には医薬品や医療機器の品質や有効性、安全性を確保するための法律でその範囲は
- 医薬品
- 医薬部外品
- 化粧品
- 医療用具
と大きく4つに分類される分野に対する法律になります。
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薬事法とCMの関連性
ではテレビCMにおいて薬事法というのはどのように関連性がでてくるのでしょうか。
薬事法においては実は広告についても記述があります。
わかりやすくいうと、上にあげた4つの分野、つまり医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器について製造方法や、効能、効果について嘘や誇大広告を行ってはならないという内容です。
そして、その虚偽、誇大広告の表現について、明示的な表現はもちろんのこと暗示的な表現も行ってはならないという内容になっています。
また、上の4つの分野についてCM等の広告を行う際、医師やその他の者が効能や効果などについて保証したり、
あるいは保証していると誤解されるような内容をCMで流すこともやってはならないと記載されています。
CM制作において、医薬品や医療機器関係で白衣を着た人が出てくるものはダメとされるのはこの薬事法に抵触するからなんですね。
また病院等で医師が使用、または医師の指導の下に使用されるような医薬品等については医療関係者以外の人たちを対象とする広告を制限しなければいけない旨も書かれています。
処方箋が無ければもらえないような薬品のCMは見かけないと思いますが、それも薬事法で規制がかかっているからというわけです。
また、これも当然のことですが、認証を受けていないものについては、CM等の広告を行ってはならない、ということも薬事法に書いてあります。
認可の降りていない製品をCMしていたらかなり問題ですよね。
当たり前のようですが、薬事法によりある意味私たちは守られているわけなのです。
CM等の広告には製造メーカーなど広告主となる業者のほか、テレビ局や、広告代理店など様々な人たちが絡みますが
薬事法においては、抵触した場合、かかわるすべての人に対し責任が問われる可能性があるということについても言及されています。
つまり広告主だけの責任ではなく、全体に責任があるのだという厳しい内容になっているということです。
このため、医薬品や医療関係、化粧品については、テレビ局も広告代理店もすべてとても慎重になるわけですね。
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薬事法は医薬品、化粧品以外にも関係している
薬事法は基本的に医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器に関する法律なのですが、実際にはそれ以外の商品にも関わってきます。
どういうことかというと、基本的には上記の4種類の分野以外のもの、
例えば食品やダイエット商品などその他の商材について、あたかも医薬品や医療品であるかのような認識、誤解されるような表現をしてはいけないということです。
よくある注意すべきものは、食品なかでも健康食品といわれるもので
これらについても誇大広告は禁止されています。
特に健康に良いとされる食品の場合は
医薬品であるかのような効能や効果を表示することは誤解をまねくので、行ってならず、
また医師や薬剤師などの推薦等、医薬品と誤解されないように十分注意が必要です。
医薬品においても医師の保証は基本的にやってはなりませんから、健康食品などの食品においても同様に医師が保証するような表現はNGとなるわけです。
なので基本的に医療従事者が保証するようなCMはNGだと思った方がよいでしょう。
健康増進の食品や健康機器、ダイエット食品などはそもそも種類も非常に多く、またCMも多いので要注意ですね。
また輸入品などをCMする場合も同様です。
医薬品でないとしても、健康によい食品や痩せる商材などをCMしたい場合に、誇大表現や、医薬品と誤解するかのような表現、また医療従事者が保証するような表現を使うことはできませんから、十分に注意が必要です。
いずれにしても、CMを打つ場合には事前に広告代理店とよく相談してみることをお勧めします。
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