どんな仕事でも、
- 3日
- 3週間
- 3か月
- 3年
の法則というのがあります。
これは仕事を辞めたくなる時期のこと。
この法則、もちろんADにもあてはまります。
それぞれの時期、どんなことがあって、辞めたくなるのでしょうか。
今回は「ADの仕事を続けていて辛い」と感じるタイミングと内容について書いていきたいと思います。
3日目で感じる「辛い」の原因
まだキャリアが全然ない、働き始めたばかりの頃。
- 思い描いていた仕事と違う。
- 思ったよりも、仕事がハード。
という理由で辛いと感じることもあるのですが、その逆も実はあります。
ある新人ADさんが配属された、その日は、春の大嵐の日でした。
その大嵐が巻き起こした被害の取材のため、その部署は、ほとんどスタッフが出払ってしまい、新人スタッフの指示をする先輩がいなかったそうです。
その日は、見学をすることになったのですが、彼にとっては放置されたと感じたようです。
「大事にされていない…」
大学を卒業して、社会人になる。
それまでは自分軸で生きてきたのが、突然、会社軸や仕事軸で動かなくてはならない。
会社や仕事のスケジュールに自分を合わせていかなくてはなりません。
それまでは、付き合う人も、自分が好きな人や居心地のいい人を選ぶことができました。
大学の授業やアルバイトも、嫌だったりうまくいかなければ、辞めてほかを選ぶことができました。
それまでの人生は、自分で選ぶことができたのですが、社会人になるとそうはできません。
学生と、社会の新人とで、大きく違うのは、「自分で決められることがない」こと。
自分で決めることができないのは、自分に無理を強いることにもなります。
それがストレスとなってきます。
学生から社会人へ、気持ちのシフトできない場合、ここではうまくやっていけそうにない、と感じるのかもしれません。
特にテレビ業界の仕事は、毎日決まった仕事をするわけではなく、
日によって忙しさも違いますし、それは今までやってきた学生アルバイトとは勝手が違うことだと思います。
仕事にマニュアルもありません。
そこに大きなギャップを感じるのでしょう。
関連記事:テレビ業界の志望動機が「テレビが好き」という人が制作で感じるギャップ
3週間目に感じる辛さ
- 学生から社会人へシフトすることができた
- 仕事のスケジュールや段取り、先輩や同僚にも馴染んだ
そんな3週間目くらいに、辞めたい!と思う人が出てきます。
仕事に慣れてくると、周囲の状況が見えてきます。
学生時代の同級生と、あるいは、他部署に配属された同僚と話す機会が何度かあるころ。
自分のやっていることや待遇の違いに目がいってしまいます。
同級生たちは、大人っぽくなっていたり、知的な雰囲気をまとっていたり、イキイキとしていたり、変身したように見えるかもしれませんね。
ADなら、ほかの局や番組にいった同僚が、楽しそうにしている様子を目にするかもしれません。
また、仕事に慣れてくると、先輩や同僚のちょっと嫌な面を見ることもありそうです。
例えば
- ディレクターの指示が、わかりづらい
- ディレクターがすぐ怒鳴る
- プロデューサーから嫌味を言われた
- 同僚が悪口を言っている
- 先輩ADが、喫煙室に行ったら戻ってこない
などなど。
自分がADのころに、実際に目の当たりにした人たちです。
嫌な気分にもなりました。
他のところに行けば、もっといい経験ができるのでは、と考えるのは、そのころ。
仕事や環境に慣れて、周りに視点がいくようになると、他者の欠点に焦点が当たってしまいます。
一つ嫌なことに気づくと、あれもこれもと目ざわりになってきます。
3週間目となると、なんとなくディレクターの仕事やプロデューサーの仕事も見えてきます。
そうすると、自分はそうなれるのかな?そういう仕事したいのかな?とこのまま仕事をしていった先の自分を想像します。
その将来の姿が、自分が想像していた姿とどうなのか?
相違があれば、どうしようかな、続けようかな、方向転換したほうがいいのかな、と悩むかもしれません。
でもテレビ業界なら、方向転換も結構しやすいと思います。
他のジャンルの番組に携わってみたい、もう少し違う仕事がしたい、という時は、
周りで一緒に働いている先輩たちに相談してみてもいいでしょう。
関連記事:テレビ業界の仕事のキャリア形成、将来的にどう働いていく?
3か月目に感じる辛さ
緊張が解けて、仕事や環境にも慣れてくるころ。
4月からスタートして3ヶ月が経つと7月ころになります。
暑さもあって、だんだんと体に不調が起こりはじめます。
就職をきっかけに一人暮らしを始めた人は、食生活が体に影響しはじめます。
- 痩せた あるいは 太った
- 皮膚炎や粘膜炎、アレルギー症状が出る
- 咳こむ、風邪をひく
- 胃炎や胃腸炎をおこす
…などなど
生活リズムや環境の変化、食生活の変化、仕事のストレスなどが、体に出てくる人もいます。
3か月目くらいに、そうしたことが出やすいです。
例えば、生活リズムが狂うのは、深夜勤務で夜中の12時から翌日お昼までの勤務があったり、
スタジオ収録のときは、朝7時集合して、夜22時終了そのあと撤収して片付けして朝7時解散、というイレギュラーなことが入ると起こりがちです。
食生活の変化は、学生のうちは食事は親が用意してくれたのが、
1人暮らしを始めて、朝はギリギリまで寝ているので、朝食はとらない、
帰宅してから料理する時間がないのでコンビニで買っている、など、ほとんどの食事をコンビニで賄っていると、栄養がかたよります。
そうした時間の乱れや食の偏りは、体にストレスを与えます。
疲れを感じるのも、このころ。
体調の変化や疲れの原因が、仕事や環境や仕事仲間との関係にあるんじゃないかな、ここが自分に合ってるのかな、と考えるようになる時期です。
関連記事:ADに休みはあるの?休日は何をしてるの?
AD3年目に感じる辛さ
3年続くと、立場は、アシスタントディレクターのチーフを任されて、そろそろディレクターに昇格できるころ。
ここまでくると、岐路に立っている自分を感じます。
目の前にはいくつかの分かれ道が見えています。
たとえば
- このままその番組でディレクターになる道
- 今までやったことのない番組に移って、しばらくADを続ける道
- 映像関係で、テレビ以外の道
- 映像以外の道
年齢的にも、20代後半になっています。
もし、映像以外の仕事に関心が生まれたら、方向転換は早いほうがいい。
テレビをやってみたからこそ、いくつかの選択肢が立ち上がります。
その中でADの仕事の辛さを感じることがあるでしょう。
誰にでも、壁は登場します。
乗り越えるのか、それとも、しばらく向き合うのか。はそれぞれ。
そのときに、
- 自分がなぜ、テレビというメディアを選んだのだろうか。
- テレビというメディアの社会的な役割はなんだろう。
- 自分はテレビでどうしていきたいのだろうか、
と、自分なりの目的や目標を見出す、いいきっかけかと思います。
3年目までにそれらを見出せると、あとは、自分を信じて邁進していけるでしょう。
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