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テレビ番組制作現場で求められる正しい日本語!ら抜きやさ入れ、アクセントの話

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作り手目線でテレビ番組を見ていると、色々な制作スタッフの配慮を感じます。

多くの人に見られることを意識して作られた映像というのは、実は多くの人に見やすい映像になるように作られているんですよね。

もちろん一般的な視聴者の方にとっては「違和感ない映像」になっているはずなので、テレビを見ていて「見やすいなぁ!」と意識的に思うことはあまりないと思います。

ですがそこにはさまざまな配慮がされているのです。

今回はその中でも、「正しい日本語」に注目して、制作現場で配慮されているポイントをご紹介してみたいと思います。

テロップ(スーパー)では正される、「ら抜き言葉」「さ入れ言葉」

  • 食べれる
  • 寝れる
  • 着れる

というような言葉は「ら抜き言葉」と言われており、正しくは、

  • 食べられる
  • 寝られる
  • 着られる

という言葉になります。

「ら」が抜けているから、ら抜き言葉と言われているんですね。

同じようなもので「さ入れ言葉」というものもあります。

例えば、

  • やらさせてもらう
  • 行かさせる
  • 休まさせていただく

というような言葉。

正しくは、

  • やらせてもらう
  • 行かせる
  • 休ませていただく

となります。

こちらは余計な「さ」が入っていることから、さ入れ言葉と言われています。

こういった言葉は番組の出演者の方が口語(しゃべり)で使っていても、

テロップやスーパーでは正しい日本語の表記になっていることが多いです。

つまり、タレントさんが「私はすぐ寝れる〜!」というコメントを言っていても、

テロップでは「私はすぐ寝られる〜!」というテキストが出ていると思います。

テロップ入れのテレビ的ルール テレビ番組は、映像と音声とテロップで構成されています。 テロップは映像画面に入っているテキストで、文字による情報です。 ...

実はこういったら抜き言葉やさ入れ言葉も現段階では文化庁からは誤用とされているのですが、

もしかしたら今後変わっていくものかもしれません。

というのも、言葉の文化というのは日々進化しているもので、若者言葉というものがあるように、新しく生まれる言葉もたくさんあります。

そして昔は誤用とされていたものが、一般的に広く浸透して認知されると「正しいもの」へと変わることがあるんですね。

そうやって言葉も実は時大とともに変化しているものなのです。

現状はら抜き・さ入れもテロップでは正すようにしていますが、今後変わることがあるかもしれません。

ら抜き・さ入れはテロップでは正すようにされていますが、中には「正しくはないけれど、今回は間違った言葉の方をあえて使う」というシーンもあります。

このように言葉の文化もまたナマモノですので、

日々勉強しながら制作をしていかなくてはいけません。

最近はら抜き・さ入れ言葉を話される方も多く、

「そちらの方が自然ならわざわざテロップで正す必要もないのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、

やはりテレビは公的なメディアですので、誤用とされるものはなるべく使わないような判断がされることが多いです。

特に口語はまだしも、書き言葉だと違和感を感じる人が多いという理由もあります。

そういった誤用は番組へのクレームの原因にもなります。

実は番組に寄せられるクレームもかなりの数になったりすることがあるので、「正しいものを使っている」ということを言えるようにしておくためにも、なるべく正しいとされている日本語を使うようにしています。

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「2月」「4月」のアクセント

2月や4月、みなさんはどう発音しますか?

  • がつ[二\カ゜ツ]
  • がつ[シ\カ゜ツ]

と、頭の音にアクセント(頭高型)を持って来られる方が増えていますが、

正しくは、

  • がつ[ニカ゜ツ\]
  • がつ[シカ゜ツ\]

です。(尾高型)

ツまで高い音のまま発音する尾高型のアクセントというのですが、

一応公式としてはこちらが正しいアクセントになっています。

ただ、頭高型のアクセントで発音している人が多くなりましたね…!

基本的には尾高型が正しいので、ナレーションなどを入れる時に頭高で読まれるナレーターさんにはアクセントを正していただくようにディレクションが入ります。

※ちなみに「カ」に半濁点(゜)がついているのは鼻濁音と呼ばれるものです

日本語はアクセントによって意味が変わる同音異義語もたくさんありますので、

テレビ番組制作ではやはりアクセントについてもかなりシビアに配慮されています。

このアクセントも先ほどお話しした言葉と同じように、

時代によって正しいアクセントが変わっていくものです。

何が正しいのか、ということは都度勉強して学んでいかなくてはいけません。

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制作現場では辞書も大活躍

しかし日々変わるもの、と言われると「じゃぁ何を持って正しいと判断すればいいの?」と不安に思う方も多いでしょう。

制作の現場にはさまざまな辞書が並んでいることが多いです。

映像編集をするスタジオにはたくさんの辞書置いてあり、編集をしていく中で「あれ?これ正しくはなんだっけ?」と思った時に調べられるようになっています。

広辞苑はやはり定番ですね。

また、アクセントを調べる時はアクセント辞典というものが使われています。

こういったものを利用して、不明瞭なものは必ず調べて根拠を確かめ、

その上で番組制作が行われています。

これからテレビ業界を目指そうと思っている方はぜひ、

普段から知らない言葉やアクセントが気になった言葉などを調べる癖をつけてみてください。

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長倉 さやか
ライズプランニング(広告部)」の長倉です。広告手段としてのテレビの使い方やテレビメディアの楽しさを多くの人に知ってもらえるように執筆しております。


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