映像制作のコツ

テロップ入れのテレビ的ルール

テレビ番組は、映像と音声とテロップで構成されています。

テロップは映像画面に入っているテキストで、文字による情報です。

テレビでは番組によって、テロップを入れるのに、ルールを決めているところもあります

それを踏襲したら、個人の動画もテレビっぽくなるかもしれません。

テロップのルール① ことばは必ず辞書で調べる

編集ソフトでテロップを入れるとき、自動変換された言葉をそのまま挿入しているのではないでしょうか。

テレビ番組の場合は、自動変換を鵜呑みにせず、必ず辞書で調べます。

うっかり言い間違えてしまって、そのまま使う場合は、喋り言葉と合わなくても、テロップは正しい言葉を優先させます。

もし間違った漢字が使われていると、違和感を残します。

見ている人は、すぐに気づかなくても、「あれ?何かおかしい」と感じるものなのです。

映像の途中で違和感があると、意識はそこで途切れてしまいます。

映像を最後まで見てもらうには、最後まで意識を逸らせることなく、映像に集中させなくてはなりません。

それに、誤字のある動画は信ぴょう性がなくなります。テロップで出す漢字や言葉は必ず辞書で調べるようにします。

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テロップのルール② 下位置。2行まで。最低3秒出す。

編集するときに、画面に四角いガイドが入れられる設定があります。

この四角い線は、セーフティゾーンとかセーフマージンと呼ばれています。

再生するモニターによっては、映像の端っこが切れてしまう場合があります。

セーフティゾーンの内側に収まっていればどんなモニターでも映りますよ、という合図になる線です。

外側の線は映像を、内側の線はテロップのガイドになりますから、内側の線の中に納まるようにテロップを入れるのが大基本です。

テロップを入れる位置は、基本は下位置です。この位置が最も映像の邪魔になりません。

横書きなのは、縦よりも横の方が文字数が入れられるからです。

行数は2行まで。

1行の字数は多くても18字まで。テロップは最低でも3秒出します。2行のトータル字数は3秒で読みきって、まだ余裕がある程度の字数が適切です。

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テロップのルール③ 句読点は入れる?入れない?

『、』や『。』の句読点は、入れません。

テレビをつけて、見てみましょう。

入っていませんよね。

なぜ、入れないのか?は諸説あるのですが、60年以上に及ぶテレビ番組制作の歴史で、ないほうが見やすい、となったのでしょうね。

考えられる説は、

  1. 当初はコメントの要約だったので、それほど長い文章ではなかった。
  2. 句読点があると、文字なのか?それとも映像に映り込んでいる何か?なのか分かりづらかった。
  3. かつて、テロップは紙で入れており、1文字いくら、という計算だったので、節約するため。

などなど。

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テロップのルール④ 角ゴシが基本

コメントフォローや名前や場所などの基本情報のテロップは、角ゴシックで入れます。

ゴシックは、縦幅と横幅が同じサイズのもの。

角っぽいのを「角ゴシック」。

丸っぽいのは「丸ゴシック」といいます。

映像のテイストや雰囲気で「丸ゴシ」や明朝体を使うことがありますが、ほとんどは角ゴシを使っています。

角ゴシ以外の書体を使うときは、そのテロップや映像に意味を持たせたり、強調させたいときです。

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テロップのルール⑤ 白が基本

色は白が見やすいです。エッジ(ふちどり)は黒エッジが基本です。

もし、色をつけていたら、ベースの映像がテロップと同系色になった場合、テロップの色を変更しなくてはなりません。

白であれば、ベースの映像がどんな色になっても、映えますし対応できます。

白以外で見やすいのは、薄い黄色

赤、青、緑などの字や、エッジは目がチカチカしてきます。

強調したい言葉にだけ色を使う、登場人物が複数いる場合に、キャラクターが分かるように色で使い分けます。

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テロップのルール ⑥もっと洗練させたいときは…

テロップを入れてみると、なんだか野暮ったい感じがするなあ、と思ったら、

テロップの書体を細めして、大きさを一回り小さくしてみましょう。

野暮ったいと感じるのは、テロップの占める面積が大きいのかもしれません。

テロップ入れのときに注意すること

①映像を補足するものと割り切る

テロップは、映像では足りない情報を補足するものです。

ディレクターは映像を見せたいはず。

テロップの入れ方に悩んだら、映像が主で、テロップは従とわきまえて、映像の邪魔にならないように入れること。

②入れる前にルール化する

テロップを入れる前に、大きさや色、書体を決めておきます。

コメントフォローは下位置で白の角ゴシック。

名前は、右の縦書きで、エッジは青。

場所は左上のサイドにハーフトーンの背景をつける、など。

こうして最初に決めておくとブレませんし、全体を通してみると統一感がでます。

③3秒で読みきれる分量にする

1秒ですぐ消えるようなテロップは、見ている人にストレスを与えますし、テレビだと放送事故として扱われてしまう可能性があります。

入れたい量が多い場合でも、3秒で読みきれる量を目安にしましょう。

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今回はテレビ番組制作の現場でのテロップ入れのルールについて解説してみました。

えいぞーさん

映像編集をする時、ぜひ参考にしてみてください!

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imacharin
テレビ制作歴25年。テレビの業界の内側と、テレビ番組の裏側をわかりやすく発信していきます。







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