テレビ業界では業界用語が多用されています。
よく言われる「ザギンでシースー」というようなコテコテのテレビ業界用語(と思われているもの)は現在は全く使われていません。
ただやはり業界用語は多用されており、なるべく業界用語を最初から理解できた方が、混乱が少なく仕事を覚えていくことができると思います。
テレビ業界はどうしても納品納品という毎日ですので、新人ADが入ってきたからイチから丁寧に全て仕事を教えて…という時間をとっている暇がありません。
先輩について回って、仕事をしながら新しいことを覚えていく形になるので、テレビ業界に入る前に専門用語を少しでも知っておくと楽だと思います。
今回は新人のうちに知っておくと良いテレビ業界用語のうち、主に編集作業をする時に使われる言葉を紹介してみたいと思います。
新人ADでもいきなり編集所で編集作業!ということがあります。
最近はパソコンで簡単な編集はできるようになっているので、まずはディレクターがオフライン編集と呼ばれる簡単な編集を手持ちのパソコンで行うのですが、その後テロップをつけたり音楽や効果音を入れる音響効果の作業は編集所にて行います。
この編集作業を行う時のテレビ業界用語を解説します。
箱
「箱」という言葉はテレビ業界では度々使われるのですが、編集作業の場面で使われる場合は「編集所」のことを指します。
他にも撮影用のブースやスタジオなどを「箱」と呼んだり、箱馬のことを「箱」と言うこともあるのですが、編集作業の時は「箱」と言われるのは編集所です。
劇場やライブハウスを「箱」と呼んだりすることもあるので、この言葉自体を聞いたことがあること方もいるかもしれません。
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朝10(あさじゅう)など、時間に関する専門用語
朝10(あさじゅう)は朝10時、という意味です。
テレビ業界では朝10から始まる現場が結構多くて、「明日朝10だ〜」なんてセリフはよく聞くんですよね。
また数字にまつわる業界用語は多いように思います。
例えば夜の24時を過ぎても作業がある日なんかもあって、夜通し作業が続く場合は「32時解散」なんて言い方をすることもあります。これは「次の日の朝8時に解散」という意味です。
深夜番組の放送時間は「26時〜」というような表記をされることもありますよね。
また時間に関しては「H(えっち)」という言われ方をすることもあります。4時間スペシャルを「4HSP(よんえっちえすぴー)」なんて言い方をすることも多いです。
あとは24時のことを「てっぺん」と言うこともありますね。これは時計の針がちょうど短針も長針も一番上にうるから「てっぺん」です。
吐き出す
データを編集ができる状態にするために、ハードディスクなどに移しておくことを「吐き出す」と言ったりします。
ディレクターがオフライン編集をする前に、アシスタントディレクターが撮影してきた素材を編集することができる状態にすることを「デジタイズ」と言います。
このデジタイズを指して「吐き出しておいて〜」というような言い方をされる場合もあります。
他にも、XDCAMなどのテープにデータを落とし込むことを指して「吐き出す」という言い方をすることもあります。「エクスポート」の日本語版だと思っておくと良いかもしれません。
白
まだテロップなどが入っていない、オフライン編集だけを行った状態の素材を「白(しろ)」と言います。
映像は出来上がっているのですが、テロップやワイプなどが入っていない状態の映像のため「まっさらな状態の映像」になります。
そういった意味で「白」と呼ばれるんですね。
他にも「白完パケ」「白完」と呼ばれたり、何も入っていないという意味で「クリーン」と呼ばれることもあります。
これに対して、テロップやワイプなどが全て入った状態の映像を「黒(くろ)」と言います。
テロ原(てろげん)
テロ原は「テロップ原稿」の略です。
映像のどこにどんな内容のテロップを入れるのか、ということを一覧にしたものがテロ原です。
テロップ原稿の作成はディレクターが行う現場も多いですが、ある程度経験を積むとアシスタントディレクターの仕事になることもあります。
知ってる業界用語はありましたか?
今回は編集に関するテレビ業界用語について解説してみましたが、また別のシーンで使われる専門用語については別の記事でも紹介していきたいと思います。
特にテレビ業界にこれから入ろうとしている方にはぜひ、テレビ業界用語の予習をしておいてください。
業界に入ると毎日のように業界用語が飛び交っていますし、急いで対応しなくてはいけないことも多いので、知っていて損はありません。
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