テレビ番組を見ていると、「テロップ」と呼ばれるものがほぼ全ての番組に付いています。
テロップってどういうもののことを言うのか?
テロップを作るのにルールはあるのか?
今回はこの「テロップ」について解説していきたいと思います。
テロップとは
テロップとは
テレビ画面に、テレビカメラを通さずに文字・図形・写真などを写し出すための送信装置。また、その文字や図形など。もと商標名。
コトバンクより
このように定義されています。
上図のように、テレビ番組が放送されている画面の下側に、出演者の発言などがテキストとして表示されているものがテロップですね。
ちなみによくVTR中などにスタジオにいる出演者の様子が抜かれて、小さい小窓のようにして画面左上、もしくは右上に出ているものを「ワイプ」と言います。
生放送なんかでは全員分のワイプが抜かれていて、そのうちどれを実際の放送画面にのっけるか、ということをスイッチして決めているんですね。
さらに番組ロゴや番組内で扱っているテーマなどを要約して画面右上、もしくは左上に出しているものをサイドテロップ(サイドスーパー)と読んだりしています。
ワイプは実際テレビカメラを通して映しているものを本放送の上に重ねているような仕組みですが
テロップやサイドテロップはテレビカメラに映しているものではなく、別で作っているテロップを送出機で送出して作っています。
よく「スーパー」なんて言い方もされますが
スーパーというのは「スーパーインポーズ」(superimpose)の略で、これは「重ねる」という意味です。
つまり放送画面に重ねているものを全てスーパーと呼ぶので、スーパーはテロップ以外の画像なども指します。
数あるスーパーのうちの一つがテロップ、ということですね。
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テロップの歴史
今でこそ色々なものがデジタル化しているテレビ業界、
テロップも今はパソコン上で作って送出していますが、実は昔は「テロップカード」という紙でテロップを作っていました。
紙に書いた文字を電気的に映し出すような仕組みで作られていたんですね。
ものすごくアナログに作られていた時代もあるのがテロップ。
昔は編集もテープを切って貼ってしていた時代がありますからねー!
長い歴史の中でテレビも大きく変わってきています。
テレビCMも最近は素材をテープで納品するのではなく、データで納品するようになりつつあります。
機材も高いものが多いので一度にガラッと変えることはできず、まだまだアナログな部分が残っているテレビ業界ではありますが
それでも業界に携わっていると「どんどん変わろうとしているんだな」と日々感じるところがあります。
テロップ作りのルール
テレビ番組というのは多くの人が見るものであり、
元はと言えば緊急時に正確な放送を素早く行うために作られたものです。
つまり信用第一のメディアです。
最近ではインターネットの方が情報が速いですが、それでも「テレビで放送されているもの」というのは「信頼度」という意味ではインターネットにまだまだ負けません。
実際テレビ業界を志して弊社ライズプランニングに面接に来てくださる方の多くが、インターネットではなくテレビを選んだ理由として
「ソースがしっかりしていて、信頼できるメディアだから」というようなことをよく言ってくださいます。
テロップも同じで、放送にのっけるものですから非常に気を遣って作られています。
誤字脱字はもちろん、放送規定に則って、「電波に乗せて本当に大丈夫なものか?」ということを常に意識して作られているんですね。
表記についてはテレビ局それぞれで独自のルールがあったりしますが
「ら抜き言葉」なんかは気をつけているテレビ局が多いようです。
最近は喋り言葉だと「食べれる」「起きれる」みたいな言い方を多くの人がしますが
日本語として正しくは「食べられる」「起きられる」なんですね。
これがら抜き言葉です。
出演者の喋った言葉はら抜き言葉でも、それをテロップにする時にはきちんと「ら」が足されていたりします。
他にも、視聴者が読みやすいようになるべく文字を詰め込みすぎないよう配慮したり、
テロップに音をつけたりしてエンタメ要素を追加したりと、色々な工夫がされています。
そういったところに注目しながら番組を見てみると、また新しい発見があるかもしれません。
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生放送でテロップミスしたら
完パケものに比べると少なくはなりますが、生放送の番組でもテロップが入れられている番組は多いです。
情報番組、報道番組の場合は生放送でテロップがたくさん入っているものが特に多いですね。
こういった番組でテロップのミスが起きてしまうこともあります。
どうしても生放送ではそういった間違いが起こってしまうことがあるんですよね。
その場合は番組内で訂正とお詫びをするケースが多いです。
特に情報番組は尺が長いものが多いですから、番組内でお詫びが入ることが多いですね。
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