テレビ業界の裏話

番組制作の編集ってどんなことをするの?働き方は?

「編集」と聞くと、新聞や雑誌、書籍などの出版物をイメージする方が多いと思いますが、

テレビ番組制作においても「編集」という作業があります。

 

「編集」の意味を辞書で調べてみますと、

 

一定の方針に従って資料を整理し、新聞・雑誌・書物などにまとめること。また、撮影済みの映像を映画などにまとめること。また、その仕事。

「週刊誌を―する」「動画を―する」

(大辞林より)

 

とあります。

 

例えば、子供の入学式や運動会とか学校のイベント、仲間とのライブ活動、家族旅行などで撮影します。

それらは「記録」です。

 

子供のイベントや家族旅行の映像をおじいちゃんやおばあちゃんに見てもらう、

学校のホームぺージに学校のイベントを映像で紹介する、

ライブ活動をレコード会社へのプロモーションとしてDVDにする、

など、誰かに見てもらうために、余計なシーンや長くてだらだらした映像はカットしたり、

主人公の表情がはっきり写っているところをフューチャーしたりと、飽きずに見てくれるようにまとめますよね。それが編集です。

 

この編集という作業はディレクターの仕事ですが、編集を専門的に行っている人もいます。

今回はテレビ業界における「編集」の仕事について、紹介していきたいと思います。

 

編集の仕事とは

 

テレビ番組制作の現場において、番組が放送されるまでの流れは

  1. 企画
  2. リサーチ
  3. ロケハン
  4. ロケ
  5. 仮編集
  6. 本編集(EED)
  7. ナレーション・音楽入れ(MA)
  8. 放送

というような流れになります。

 

撮影をしてきた映像は、「素材」と呼ばれます。

さらに番組の内容によっては撮影してきた映像だけではなく、

  • 資料映像や肖像画などの画像
  • 新聞や雑誌の記事
  • わかりやすく説明するためにイラストやCG

などを作成することもあります。

それらをひっくるめて「素材」といいます。

 

1時間番組とすると、CMが何箇所かに入りますから、

映像は正味45分前後です。

 

用意される素材はスタジオメインのバラエティ番組か、VTR収録メインの密着番組か、

など、番組のジャンルにもよりますが、放送時間の5倍から10倍くらいの量が集められます。

 

番組が面白くなるかどうかは編集の腕次第です。

関連記事:テレビの編集マンが世の中から誤解されていること

 

編集の仕事は2種類ある

 

編集の仕事は2種類あって、それぞれが専門職です。

 

一つは、撮影してきた素材を放送尺になるように構成に沿ってつなげていく

テレビ業界の用語では、「オフライン編集」とか「仮編集」と呼ばれる編集です。

 

撮影が終わったら、翌日からこのオフライン編集が始まります。

 

ディレクターが「ファイナルカット」や「プレミア」、「エディウス」などの編集ソフトを使って、パソコンで編集します。

番組によっては、このオフライン編集だけを専門に行う「編集マン」が入ることもあります。

 

もう一つは、「本編集」や「EED」と言われる編集作業。

EEDは”Electrical Editing”の略。

 

ポストプロダクションという編集とMAの総仕上げをするスタジオでの作業です。

 

この編集をする人は、「エディター」あるいは「オペレーター」と呼ばれています。

それぞれについて、詳しく書いてみます。

 

編集マンが入る場合

 

  • ディレクターがほかの番組と掛け持ちをしている
  • ディレクターが編集が苦手
  • レギュラーの番組で、ディレクターはその番組での経験が少なく、番組のテイストを編集マンが熟知している
  • ドキュメンタリー番組で、ディレクターが番組に入れ込みすぎている
  • 仮編集の期間が短い

などのケースでは編集マンが入って「オフライン編集」や「仮編集」を行います。

 

ドキュメンタリー番組でディレクターが取材と撮影をしている場合、テーマや対象人物に入り込みすぎて客観的視点を見失ったり、

説明が不足して不公平かつ、わかりづらい映像になってしまうことがあります。

 

ディレクターが撮ってきた映像を俯瞰でみて繋げていくことで、視聴者にわかりやすく伝えることができるのです。

 

主観の目で何度も同じ映像を見ていると、麻痺してしまいます。

また、何日間も取材対象者と接していると、対象者と同調しやすくなっていってしまうものです。

 

社会的な問題に抵触するようなテーマの場合、平等性が要されますので、ディレクターが取材対象者に偏ってはいけないのです。

そのためにも、取材に行っていない人が編集することが必要なときがあります。

 

仮編集の期間は、1時間番組なら1週間から10日くらい。

2時間番組なら2週間から20日くらいが目安。

 

映像が繋がったらプロデューサーに試写(プレビュー)してもらい、チェックしてもらいます。

プロデューサーからOKが出ると、本編集(EED)の作業に入ります。

 

本編集(EED)

 

本編集は、専門のスタジオで作業をします。

ポストプロダクションと呼ばれるところで、映像制作の最後の仕上げをしていくところに、そのスタジオがあります。

 

ワンカットワンカット、

  • 映像の色味を整えたり
  • 画面が斜めになっていたら水平にしたり
  • モザイクをかけたり
  • カットとカットのつなぎを派手な動きをつけたり
  • テロップを入れたり

と、視覚的な映像処理を施していきます。

この作業は2日から3日くらい。

 

専門の機材が設置してあり、その操作には専門的なスキルを要します。

関連記事:映像編集の仕事に向いてる人とは?どんな所で働けるの?

 

編集マンの働き方

 

仮編集の編集マンは、ほぼフリーランスです。

編集マンの会社もありますが、働き方はフリーランスと同じです。

 

「1時間番組で編集期間は10日でお願いします」と発注されたら、自分でスケジュールをたてて、10日以内にプレビューできるように編集していきます。

 

プレビュー間近になると作業室に泊まり込みをして、睡眠時間を削って作業する場合もあれば、

自身できっちりスケジュールを立てて、朝10時から19時まで作業をする、と決めてやっている人もいます。

 

本編集(EED)の場合は、2日間とか3日間の場合、

エディターさんが途中で代わることもあるし、ひとりのエディターさんが仮眠や休憩をとりながら通しでやる場合もあります。

 

EEDの場合はスタジオという特別な場所で行うため、そのスタジオもスケジュール管理が必要です。

EEDは、人とスタジオの両方のスケジュール調整が必要になってくるんですね。

関連記事:テレビ制作業界の映像編集現場で使われている専門用語

 

編集のギャラの考え方

 

仮編集の編集マンは番組の予算によってギャラはいろいろです。

 

テレビ局によっては経験や貢献度やレベルによってランクがあり、そのランクでギャラが決められることもあります。

 

制作会社からの発注だと、番組の予算から割り出されます。

 

エディターさんの場合は、ポストプロダクションの社員や契約社員が多いようです。

ギャランティはその会社のルールで決められて支払われます。

関連記事:テレビスタッフになるための専門学校、という進路はどう?

 

編集マンになるためには

 

編集マン、エディターともに専門学校を出ている人が多いです。

 

かつて編集マンは、映画の編集からテレビへ移ってきた人が多くいました。

今はアシスタントディレクターやディレクターを経験して、編集へ特化していった人もいます。

 

エディターの場合、専門知識が必要に思われますが、ポストプロダクション(会社)で育てようとしているところもあります。

 

専門学校ではなくて普通の4年制大学を出て、エディターのアシスタントをしている人もいます。

関連記事:大学と専門学校・どちらがテレビの仕事に就きやすいか

 

編集マンに向いている人

 

作業に入ると、ほぼ同じ場所にずっと座りっぱなしです。

外に出かけたり誰かと接したりということはなく、話をするのはディレクターやADさん、プロデューサーなど限定された人たち。

 

幅広いコミュニケーションは必要ではなく、雑務があるわけでもないかわりに、プロフェッショナルとしての価値が求められる仕事です。

 

編集マンであれば、

日々進歩する編集ソフトのスキルを自身で取り入れて学んでいくこと

テレビや映画を見て、構成を参考にしたり、物語を構築したりすること

 

エディターさんもオンエアをみて、

流行りの編集やテロップの出し方、色味などをアップデートしていかなければなりません。

 

視聴者は毎日テレビを見ているので微妙な変化は感じないものですが、

同じ番組でも1年前の番組と比べると明らかに違います。

 

微妙な変化をしているからこそ、変わらないと思うのかもしれません。

 

どちらにしても、探求心の強い人が編集の仕事は向いていると思います。

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テレビ制作歴25年。テレビの業界の内側と、テレビ番組の裏側をわかりやすく発信していきます。


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