弊社ライズプランニングはテレビ局出向型の番組制作会社です。
主に情報・報道番組の制作に携わっています。
今回はテレビ番組の中でよく聞こえてくる効果音について、その役割を解説してみたいと思います。
効果音は「強調」するのに便利
テレビ番組を見ていると効果音はたくさん聞こえてくるものですが、
これらの効果音がどんな時に鳴っているか、ということを少し研究してみてください。
たとえば、
- テロップが出てくるタイミング
- 誰かが何かに気づく時
- 誰かが食べ物を頬張る時
- クイズで正解不正解を発表する時
- 画面の切り替え
- 時計を進めたい時、日付が変わる時
- 芸人さんの変顔
などなど、色々なシーンがあるでしょう。
もしこれからテレビ業界に就職したい、という方がこれを読んでくださっていたら、
ぜひ一度、一つの番組にどれだけの効果音がついているか、メモをしてみる、ということをやってみてください。
どんなタイミングにどんな音がついているのか、ということを研究するだけでもかなりの勉強になると思います。
さて、こういった効果音の目的は、映像の中で起こっている現象の強調です。
SEが入ることによって面白いテロップがより面白く、頬張っている食べ物がより美味しそうに、クイズがより盛り上がって見えてきます。
なかなか映像業界の人間じゃないと見ることができないものだとは思いますが、効果音が入る前の映像と比べてみると、効果音ってすごいな〜!と感じるものです。
効果音が入っていない映像はどこか寂しい感じがするんですよね。
特にバラエティ番組なんかはふんだんに効果音が使われているので、効果音が入っていないと寂しい感じがします。
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映像に緩急がつく
効果音を使って映像を強調することができると、映像に緩急がつきます。
面白いところがより面白く、真剣なところがより真剣になっていけば、見ていても山あり谷ありという感じで、視聴者が長く映像に集中することができるんですね。
つまり、効果音というのは長く視聴を続けてもらうための仕掛けの一つでもあるのです。
もちろん効果音だけでなく、ナレーションだったり画角の切り替えだったりテロップ出しだったり…色々な方法で「なるべく視聴者に長く映像を見てもらうためには」という工夫をしていうのがテレビ番組です。
とにかく視聴者を飽きさせないために、様々な工夫がされているんですね。
効果音の塩梅は難しい
番組を飽きずに見続けてもらうために入っている効果音ではありますが、「たくさん入れれば飽きないだろう!」ということでもありません。
入れれば入れるほど確かに強調される部分は多くなりますが、逆に強調されているシーンが多ければ多いほど、煩雑なうるさい番組になってしまいます。
たとえばネットを回遊していても、広告がたくさん出てくるサイトはすぐに閉じたくなりますよね。
スーパーのチラシなんかも、全部特価として書かれていると、何を買ったらいいのかわからなくなる時があります。
生活感のある例を挙げてしまいました笑
同じように、効果音もやたらめったらついていればいいというわけではありませんし、
一つ一つも大き過ぎず、小さ過ぎずを狙わなくてはいけません。
さりげなく強調させる。効果音自体が主役になってはいけないのです。
そういった塩梅を探っていくためにも、既存のテレビ番組の研究をすることは大切なことですね。
- どれくらいの量の効果音が入っていたらうるさくなく見られるのか
- どれくらいの大きさで入っているものなのか
- どんなタイミングで入っているのか
ということをぜひ、研究してみてください。
効果音を選んでいるのは
テレビ番組の効果音を選んでいる人は誰なのか?というと、
音効さんと呼ばれる人たちです。「音響効果」の略称で、映像に編集段階でBGMや効果音を加える仕事になります。
テレビ番組の音効さんは、
映像を見て、シーンに適したBGMや効果音を選ぶ仕事をしています。
台本や映像をチェックしながらディレクターと打ち合わせをし、作品に合う音や音楽を入れる箇所などを確認していきます。
映像に合う音が見つけられなかった時は、イメージに合う音を新たに収録したりすることもあります。
ディレクターが具体的に「ここにこういう音を入れてください」という指示をすることもありますが、音効さんに全てお任せ、という場合もあり、チームによってさまざまという感じですね。
ちなみに音効と混同されやすいMAという仕事もあります。
MAは収録された現場の音を整理し、音効が用意した音をつけ、ナレーションを収録し、放映できる状態に仕上げる人のことです。
番組によっては音効さんがMAも行うこともありますが、厳密には違う仕事となります。