弊社ライズプランニングは情報・報道番組を中心に番組制作を行っています。
インターネットメディアの普及で番組制作の裏側もずいぶん発信されるようになりましたが、やはり他の業界に比べると情報が少なく、新卒さんとお話しすると、
どんな仕事をするのかまだあまり想像できていないのですが…!
とおっしゃる方が多いです。
今回はニュース番組の制作時間や流れについて、詳しく解説していきます。
完パケ番組と生放送番組の違い
まず、ニュース番組の制作について解説する前に前提として、完パケ番組と生放送番組の違いについて解説しておきたいと思います。
完パケ番組というのは、放送するのに編集が必要な番組のことです。
完パケとは完成パッケージの略で、完パケ番組の場合は一つの番組を制作するのに何ヶ月もかけることがよくあります。
完パケ番組の制作については別の記事にまとめていますのでこちらをぜひご覧ください。
リサーチを行ってネタ探しをし、許諾を取ってロケに行く場所を決めて、ロケをしたら編集をして、その後スタジオでもロケVを見ながら収録、さらにスタジオ収録分を編集…と、完パケ番組は本当に膨大な時間をかけて制作されています。
一方、ニュース番組はというと、こちらは生放送場組で「今まさに起こったことを、正確に、そして迅速に届ける」ということが課題となります。
ニュース番組を完パケ番組のように数ヶ月もかけて作っていたら、数ヶ月前の出来事がニュースで流れることになってしまいます。
それは困りますよね笑
ニュース番組の制作はとにかく時間勝負なのです。
関連記事:ニュースで扱う「ヒマネタ」って何?
ニュース番組制作が始まるのは深夜
朝のニュース番組の制作が始まるのはなんと深夜!
番組によっても時間は変わりますが、夜中の1時頃から制作が始まります。
前日のスポーツの試合結果などを簡単に編集したりしてまとめる作業が行われたりします
まだ電車も動いていない時間帯から出勤する場合は、タクシーでの出勤となります。
弊社ライズプランニングでは、学生アルバイトの方にもニュース番組制作の現場で働いていただいているのですが、
学生さんでも深夜帯のシフトがあります。
実際に深夜の番組制作の現場で働かれている学生さんにインタビューをし、お話をうかがった記事がありますので、ぜひそちらもご覧ください。
新聞から情報を拾って行く
新聞の朝刊が出たら真っ先にチェック!
朝刊の中からニュースで放送するネタを選んでいきます。
実はテレビ局というのは昔は新聞社から始まりました。
今でも新聞はその日のニュースを伝えるのに使われている大切な情報源です。
ニュース番組の制作では新聞記事の中から、より「視聴者に必要とされているだろう情報」をピックアップして、ニュース番組を作っているのです。
このピックアップされたネタをもとに、どのような番組構成にするか、
テレビ画面にどのようなテロップや画像などのコンテンツを配置したら見やすいか、といったことが考えられ、
それをもとにさらに打ち合わせをしていきます。
それらの打ち合わせが大体AM3時頃です。
関連記事:テレビ局と新聞社の関係を知るとマスコミの歴史がわかる。
ニュース班の打ち合わせ
原稿がある程度でき上がってきたらスタッフやアナウンサーが打ち合わせをします。
放送開始のギリギリまで新しい情報が入ってくる可能性があり、気が抜けません。
放送開始数秒前に原稿が差し変わることも。
生の情報を扱うというのはそれくらい大変なことなんですね。
フロアでは「間に合わなくてもいいけど、間に合ったらこっちの原稿で!」というようなやりとりが発生することもあります。
そういった場面で間に合わせることができると、達成感を感じる!とおっしゃるスタッフさんも多いですね。
放送開始!
いよいよ番組放送開始!こちらの番組はAM5時にスタートでした。
番組の制作がスタートしたのがAM1時頃でしたので、約4時間で朝のニュース番組が制作が行われたことになります。
たくさんの時間をかけて放送を行う完パケ番組とはやはり制作時間に大きな違いがありますよね。
ゆっくりじっくりこだわって作るのが完パケ番組だとしたら、
生放送番組は失敗が許されない緊張感とスピード感を感じられる現場です。
どちらが良いというよりは、どちらがやりたいか、どちらが向いていると思うか、で番組ジャンルを決めると良いでしょう。
ただ、情報・報道番組は番組制作の基礎的なところに携わることが多いので、テレビ番組制作業界に未経験で飛び込むなら、最初は情報・報道番組をおすすめしています。
完パケ番組とは違い、「生放送が終了すれば仕事も基本的には終わり」というのもあって、おやすみが比較的とりやすい、というのも生放送番組のメリットですね。
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