CM総研によると2018年10月からの1年間で、東京都を含む15の自治体が首都圏でCMを放映しており、自治体が認知度アップや観光客の呼び込みなどを目的にテレビCMを利用するケースが増えています。
ブランド米のCMで有名タレントを起用するケースが多く、事例としては、
- 山形県の新品種の「雪若丸」のCMに田中圭さんを起用
- 岩手県のご当地米「金色の風」のCMにのんさんを起用
- 福井県「いちほまれ」のCMに歌手の五木ひろしさんを起用
その他にも、茨城県では地元の海鮮丼のPRのためお笑いコンビのカミナリを起用するケースなどが見られました。
地方のPR事業の一環として、芸能人を起用したテレビCMを行うのは、地元出身の人たちにも喜ばれることでしょう。
今回は地方PRとしてのテレビCMの利用について、広告代理店のライズアドバートが解説してみたいと思います。
出身の有名タレントを起用する
地方出身のタレントさんというのは、やはり地元愛があるものですし、ロケなんかで地元を訪れることも多いので、CMにも起用しやすいという面があると思います。
タレントさんのファンの方はもちろん出身地を知っている方が多いですから、タレントさんがCMに出演してくれれば、そこから興味を持ってくれる方も多いでしょう。
ただ、有名タレントを起用する場合は、その出演料がそれなりに高くなってきてしまうのは考慮しなければいけません。
CMを放送する場合はCM放映のための放送枠獲得にもお金がかかりますが、CM制作にもお金がかかります。
制作費は新規で撮影を行う場合は100万円程度から行うことができますが、そこに出演料が入ってきますので、ここがタレントさんの知名度によってかなり振り幅が出る部分となります。
また、有名タレントを起用する場合は、契約期間も制限されます。
多くの場合、1クール(3ヶ月)や2クール(6ヶ月)の契約か、1年間の契約、となるでしょう。
その期間を超えてCM映像を使用したい場合は、別途料金がかかってきますので注意が必要です。
また、もし競合他社のCMには出演しない、などの制限をかける場合はさらに出演料が高くなることがあります。
ただ自治体が行うCMの場合は、あまりこういったことはないかもしれません。
関東エリアでCMをする場合の料金
基本的には観光誘致のためだったり、ブランド米などの特産物のPRになるかと思いますので、CM放映地域は関東エリアになるかと思います。
関東キー局でテレビCMをする場合は、最低でも放映料のみで1000万円程度の予算が必要になります。
初めて関東エリアでテレビCMをされる、という企業さまでだいたい2000万円程度から始められることが多いです。
もし最初からそこまでの予算をかけるのが難しいという場合は、TOKYO MXなどの独立局を使ってみるのも良いかもしれません。
関東は広域圏といって、複数の都道府県に放送域がまたがっている地域です。
なので関東の中の特定の都道府県でテレビCMを放送したい、といった時は独立局を使います。
放送域が狭くなる分、独立局では安価でCMを放送することが可能で、50万円程度からCMを放送される企業さまもいらっしゃいます。
TOKYO MXでは東京都のCMも多く流れています。
また他にも、SAS(スマート アド セールス)といって、放送枠を1枠から購入することができるサービスもあります。
これは近年開始したサービスなのですが、もともとはある程度パックになっている金額でないと放送できなかったテレビCMが、空き枠を1本から購入することができるようになった、というイメージですね。
多少1本単価は割高になってしまいますが、お試し的にテレビCMを放送するのであれば良いかと思います。
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タイムCMというやり方も
テレビCMには
- 特定の番組のスポンサーとなって、その番組の中で毎週テレビCMを放送するタイムCM
- 特定の番組には入らず、ある程度時間帯を指定してその時間帯の中でランダムにテレビCMを放送するスポットCM
があります。
例えば、地方の特産品に興味がありそうな視聴者が見ているような番組のタイムCMに入る、というようなやり方もあります。
毎週色々な地域にロケに行くような番組や、日本の良いところを紹介するような番組ですね。
そういった番組のスポンサーになれば、旅行好きな人などの目にも留まりやすくなり、観光誘致に繋がることもあるでしょう。
スポットCMに比べるとどうしてもタイムCMの方が番組編成などの影響があるため、融通が利きにくいというデメリットがあります。
また基本的には6ヶ月〜の出稿になるので予算も必要ですが、選択肢の一つとして検討してみても良いのではないでしょうか。
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