テレビでCMをしている会社はなぜテレビのCMをするのでしょうか。
そこにはいろいろな理由があると思われます。
今回はそこに焦点をあてて考えてみます。
企業がCMをやろうと思うきっかけ
企業がテレビCMをやろうと思うきっかけはどんなものなのでしょうか。
これは企業の事情により様々ではありますが以下のような理由が例として挙げられます。
- もともとCMをやっているが新たに新商品が出る場合
- 新店舗、新施設、病院設立など新しくできる店舗や施設を知ってもらいたい
- これまで主に紙媒体などの他の広告手段を使っていたが、売れ行きがいまいちなので他の事をやってみたい
- 売上が調子がよく利益が出そうなので、テレビCMもやってみたい
- 会社自体は新しいが、出資金が豊富にある。商品を売りたいので、最初からテレビCMをやりたい
- 会社は知られているがイメージがあまり良くないので良いCMを流してイメージを高めたい
- BtoBの商品だが個人に知ってもらいたい
- 会社を立ち上げたので、それほど資金は無いが、とにかくテレビCMをやって売りたい
- 信用のためにテレビCM放映実績が欲しい
- 社長がテレビCMに出演したい
だいたいこんなところではないでしょうか。
そして、これらのきっかけはCMをやる目的でもありますよね。
CMをやる目的によってテレビCMの活用の方法も変わってくると思います。
目的別にみるテレビCMの活用法
企業によりきっかけがいろいろであるように、目的も実は微妙に異なると思います。
ところが、多くの企業はとにかく売りたい、売り上げを伸ばしたいという考えにとらわれるからか、やり方は同じだと思いがちなのですが
目的によってテレビCMの活用法は異なるのです。
ではそれぞれの目的のためにどのようにCMを活用するべきか、
また、企業がどのようにCMを活用しているか、ということについて話していきたいと思います。
1.もともとCMをやっているが新商品を出す
もともとCMをやっていたけれど、新商品を出すのでその宣伝のためにCMをやる。
これは大手企業に多いパターンです。
トヨタが新車を発売する場合や、明治が秋にチョコレートの新作を発売する場合、花王が新しい洗剤を出す場合などですね。
これら大手企業はテレビCMにかける広告費も大体決まっていますし
テレビCMの枠も、タイムCM(番組提供の形)で半年から一年という長い期間をとっている場合が多いです。
あらかじめCM枠を押さえておいて、新商品に合わせて、CMを差し替えたりしていくわけですね。
関連記事:番組のスポンサー【タイムCM】とは
2.新しくできる店舗や施設を知ってもらいたい
新しいお店や新しい商品、娯楽施設や、病院など新たに何かができるときに周辺の人達に知ってもらいたい。
そんな時にテレビCMを活用したいのであれば、スポットと呼ばれるCMをするのが良いでしょう。
スポットCMなら
- 費用
- 期間
- 時間帯
- 地域
- テレビ局
などある程度自由に選ぶことができます。
もし10月1日にオープンするのであれば、その2週間位前からオープン日までCMを流すとか、
オープンの前後に集中的に流すというやり方がおすすめです。
もう少し細かく言えば、オープンの前までは「○月〇日オープン!」というCMにして
オープン当日は画像は同じで言葉だけ変えた「本日オープン!」というCMにするとか。
そんなこともできます。
タイムCMに比べると期間も決まっていないので、CMをやると決めてから実際に放映するまでもタイムCMより早いです。
関連記事:タイムCMとスポットCMの違い。どちらを選べばいいの?
3.他の広告手段を使っていたが、他の広告を試したい
現在の様にインターネットの広告がまだなかった時、テレビCM以外の広告手段ではやはり紙媒体の広告が主として利用されていたと思います。
今でもこれは根強く残っていて、新聞や、折込ちらし、雑誌などを使っている企業は多いです。
ところが、売れることは売れるが、横ばいであるとか、
最近売れ行きが悪くなってきたという場合、
ほかの広告手段を取りたくなりますよね。
新聞広告はサイズを選べますし、折込チラシは地域を選べますが、
売り上げを上げるためにサイズを大きくしたり、チラシを入れる範囲を広げていくと思ったより費用が嵩むから、というのも理由としてあるでしょう。
紙媒体は広告枠を大きくしようとするとかなり予算が必要になってきます。
そこに大きく予算を割くのであればテレビをやってみてもいいのではないかと思うんですね。
このような時にテレビCMを活用する場合は、やはりスポットCMをお勧めします。
期間を短めにして、あまり多額の予算をかけずに、(商品にもよりますが)
できれば最初は地方局を利用して、どれだけテレビCMの効果があるのかを検証するつもりで、やってみることです。
余裕があれば、
- 【テレビ】+【紙媒体の広告】をやる地域
- 【テレビ】のみの地域
- 【紙媒体の広告】のみの地域
という風にABテストをして研修するとなおいいでしょう。
効果があれば、効果のある地域に予算を多く使っていけばいいと思います。
関連記事:新商品のCMを地方局からやると効果的?
4.売上が調子がよく利益が出そうなので、テレビCMもやってみたい
これは嬉しい悲鳴ですよね。
決算で利益が出そうなので税金を払うより、テレビCMでもやってみようというものです。
このような企業も意外に多いと思います。
この場合は時期、金額を選べるスポットCMが向いています。
決算前にCMのオンエアまでこぎつけないと、今期の経費に組み入れられないので、決算前のオンエアにすることが大事ですよね。
ところが、だいたいの企業は決算間近になって焦って決めるので、間に合わなくなる場合があります。
CM素材があれば比較的期間が迫っていてもいいのですが、
これからCMを作らなければならないという時は、
できれば3カ月くらいは余裕を持ちたいです。
最短でも2か月という所でしょうか。
決算前はこういった企業が多いので、広告枠もすぐ埋まってしまいます。
目処がたったらすぐに動いた方が良いでしょう。
5.会社自体は新しいが、出資金が豊富にある。商品を売りたいので、最初からテレビCMをやりたい
最近は、ベンチャー企業と大手企業を結び付けることを生業とする専門の会社が多くなってきたように思います。
個人、または小さな企業が開発した、ネット技術や、ネットサービスに多額の資金が集まってできた会社です。
起業したばかりなのに豊富な資金があり、売りたい商品もあるので、最初からテレビCMにまとまった金額をかけようというものです。
このような企業は全国CMまたは主要都市でのCMをする場合が多いです。
商品が売れると見込んで大手企業も出資をしているわけですから、CM制作にもそれなりに費用をかけてインパクトあるものにして、
枠取りもスポットとタイムCMの両方を利用するといいと思います。
最近のテレビCMはインターネット系ビジネスの広告が本当に増えましたね。
関連記事:スマホアプリのCMはどうやったらインストールを促進できるのか
6.会社の認知度は高いが、さらにCMを流してイメージを高めたい
これはパチンコ店、不動産などに多いパータンです。
私はパチンコなどの娯楽が決して悪いとは思いません。娯楽も人間には必要ですよね。
しかしどうしても悪いイメージを持つ人が多いのも否めません。
そもそもCMには考査という審査があり、この基準で「射幸心をあおるようなCMはしてはいけない」という決まりがあるので、
じゃらじゃら玉が出るようなパチンコのCMを見ることはないと思いますが、
少しでもいいイメージを持ってもらい、幅広い人たちに来てもらいたい、と企業は思いますよね。
これは不動産業界にも言えるのですが、
不動産は、価格が大きいので、だまされるのではないかという不安を持つ人が多くいます。
そのため、不安を取り除く様なイメージアップのCMをすることはとても重要です。
このような目的の場合、長く、恒常的にCMをやり続けるタイムCMのようなやり方が向いているでしょう。
それなりに費用はかかりますが、番組の提供になるというのはかなりの信頼を得ることは間違いありません。
できれば、まじめな番組のスポンサーになるのがいいでしょう。
放映期間は半年が基本です。
関連記事:不動産のCMを他社と差別化して制作するにはどうしたらいいのか
7.BtoBの商品だが個人に知ってもらいたい
たとえば、住居の地面から下の土台部分の構築や
マンションの生ごみを処理するディスポーザーや
玄関の指紋認証ロックなど
このような商品は通常は直接個人が購入して取り付ける物ではなく、住宅を買う時に、すでに取り付けられているようなものです。
つまり商品としてはBtoBなのですが、最終的に購入するのは個人なので、個人が知っていないと、まわりまわって需要が来ないというものです。
実はこういう商品はとても多いと思います。
これまでは住宅メーカーに一生懸命営業に行っていたけど、住宅メーカーが個人にちゃんと説明してくれない限り、需要はなかなか伸びない、なんて時があります。
そんな時はとにかく多くの人に知ってもらうためにテレビCMをしてみよう、というものです。
こんな時はいきなり多額の費用をかけるのではなく、お試しでやってみるのをお勧めします。
スポットCMで期間と地域を選んで(できれば2カ所以上)
これまで比較的売れていた地域となかなか売れなかった地域で検証するなど。
それにより認知が広がったのかを検証していくわけです。
BtoB商品の場合、直接販売ではないので、検証に多少時間がかりますが、やってみる価値はあると思います。
関連記事:CMのお試しをしてみませんか?
8.会社を立ち上げたので、それほど資金は無いが、とにかくテレビCMをやって売りたい
テレビCMをやって当たれば、すぐに商品が爆発的に売れる、だからテレビCMをやりたい、と思っているとしたら、それは違います。
テレビCMの数回のCMで億の売り上げを上げたというような都市伝説のような話をよく聞きます。
ですがそれはとてもとても稀な話です。
起業したばかりで資金がそれほどないからといってテレビCMをすることが悪いわけでは全くありません。
ただ、テレビと言えどもすぐに効果が出るものと出ないものがあります。
商品にもよりますが、最初は地方局を使ってみるとか、
ネット系の物であればBSを活用してみるなど、無理のない範囲でお試しのつもりでやってみるのをお勧めします。
関連記事:CM制作の料金を格安にする方法とそのメリットデメリット
9.信用のためにテレビCMをやりましたといいたい
これは6でお話した「会社の認知度は高いが、さらにCMを流してイメージを高めたい」という目的と似ていますが、
採用のためのテレビCMです。
企業には良い人材が不可欠ですよね。
- 良い人材がなかなか集まらない
- 内定をだしても他の会社に行ってしまう
- すぐに辞めてしまう。
など、良い人材の確保に苦労している会社は、一度でいいからテレビCMをして、信用を得て、良い人材を確保したい、と思うと思います。
企業にとって人の出入りが激しいのは、採用に手間も時間も費用もかかりますし、
何度も新しい人に仕事を教えなくてはならないので、とても負担なんですね。
特に親が「そんな聞いたこともない会社大丈夫なの?」と反対するというケースが意外に多いのです。
そんなときのために一度でもテレビCMをやりました、という事が出来れば信用が得られるので、やりたい、という企業があります。
この場合のCM放映は商品を売るためではありませんので、最小限の費用で良いと思います。
さすがに1本だけ流すというのはどうかと思いますが数本流れればいい、ということであれば、費用もさほど掛かりません。
CM制作も簡単なものにすることが可能です。
スポットCMで、時間帯もお任せにして、時期だけ選べばいいと思います。
関連記事:企業が採用のためにCMをする効果
10.社長がテレビCMに出演したい
社長がテレビに出たい、というような場合もありますよね。
社長が出るCMはタレント著作権費用などがかかりませんから、作ったCMはずっと使うことができます。
なので社長さんがテレビCMに出るというのはなかなか良いことだと思います。(キャラクターにもよりますが)
このような社長さんの場合、出るのが苦にならないわけですから、
テレビCMの他、ドキュメンタリーも向いているかもしれません。
ドキュメンタリー番組や、ドキュメンタリー風の長尺CMなどもお勧めです。
どういう人が作っている商品なのか、どういう人が考えたサービスなのか、
ということは消費者にとって消費行動の決め手にもなります。
関連記事:社長が出るCMのメリットデメリット
目的に合ったCM活用を
テレビCMというのは色々なやり方があるものです。
予算や目的によって、CMの活用方法は異なりますし、
それをきちんと考えていかないと、テレビCMを放映しても効果が得られない、ということもあります。
ただCMを流せば何かしらの数字は上がるだろう、と思っている方が多いですが
そうとは限らないんですね。
届けるべき人に届いていないCMは「CMをやっていない」ということと同じことになってしまうこともあります。
弊社ライズアドバートは広告代理店ですが、もともと番組制作会社として始まったという経緯があり、
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では今日はこのあたりで。