弊社ライズアドバートはテレビCMをメインに取り扱う広告代理店です。
今回はマーケティング業界でよく聞かれる心理学用語、ハロー効果について解説してみたいと思います。
どのような広告媒体においてもこのハロー効果は扱うことができるのですが、テレビCMのおいてはどのように扱われているのか、ということも一緒に解説します。
普段無意識にみているテレビCMですが、実は論理的な仕掛けが色々されているんですよね!
多くの人の印象に残るため、心理学的な仕掛けもたくさん考えられています。
ハロー効果とは?
ハロー効果とは英語では「halo effect」と表記され、
ある対象を評価するときに、その一部の特徴的な印象に引きずられて全体の評価をしてしまう効果のことを言います。
ハロー効果と聞くと挨拶の方の「Hello!」の方をイメージされる方が多いかと思いますが、
ハロー効果のハローは「halo」で、これは聖人の頭上などに描かれる後光などを意味します。
そのためハロー効果は後光効果とも言われることがあります。
なんだか少し面白いネーミングですよね笑
これは直感や先入観など、非合理的な心理現象である「認知バイアス」の一種で、
アメリカの社会心理学者であるエドワード・L・ソーンダイクが1920年に発表した論文の中で提唱した社会心理学用語です。
マーケティング業界でのハロー効果について考えてみると、
人はモノやサービスを購入するときに、
- 価格
- 商品・サービスの内容
- タイミング
など様々な要素を考慮して実際に購入するかどうかを決めますよね。
どの要素をもって購入に至るかというのは人によって異なりますが、広告を見て影響されることによって購入を決めることがあるでしょう。
ここにハロー効果が働いていることがあります。
テレビCMに見られるハロー効果
例えば、開発されたばかりの商品のテレビCMをするとします。
開発されたばかりの商品なので、まだ世間的には全く認知されていない状態です。
なので、認知度を高める、ということを一番の目的にテレビCMをするとします。
話題性を呼ぶために、今をときめくアイドルグループのセンターポジションの方を起用しました。
すると、商品そのものは認知されていなかったのに、起用されたアイドルの方の印象に引きずられて、商品の印象もまたよくなります。
- アイドルの清純そうなイメージが商品にも投影されて、さっぱりした爽やかなイメージに
- アイドルの若々しいイメージから影響されて、フレッシュなイメージに
- アイドルの可愛いらしさから連想されて、おしゃれで可愛い女の子が持っていそうな商品イメージに
というように、起用されるアイドルの方のイメージがそのまま商品イメージへとつながっていくのです。
これがハロー効果で、テレビCMの中のアイドルというのはCMの一部分(後光)でしかありません。
ですがこの一部分を感じ取ることで、対象であるCM商品の印象が影響を受けるのです。
そのため、テレビCMではどんな人をキャスティングするのか、ということがとても重要になってきますよね。
商品にどのようなイメージを持って欲しいのか、ということから考えてキャスティング案を出していきます。
まずは商品に持たせたいイメージを箇条書きで出してみると良いでしょう。
そこから連想されるタレントさんの名前を挙げていきます。
タレントキャスティング費用は人によって様々ですが、
ドラマで主演を張るようなタレントさんの場合は数千万円ほどキャスティング費用がかかることもあります。
制作予算の中でキャスティングだけに予算を割くことはできませんので、
いくつか出た案の中から、広告代理店やCM制作会社(あるいはキャスティング会社)を通してキャスティング費用を調べ、相談して決めると良いと思います。
また、テレビCMではタレント起用だけでなく、他のハロー効果も考えられます。
例えばアニメーションを使ったテレビCM。
この場合は柔和な印象を与えたり、ポップな印象を与えることが可能です。
他にも、音楽を可愛らしい音楽にすることによって、優しい印象を与えたり、とハロー効果は色々な角度から狙うことができます。
いずれにせよ、商品やサービスにどんなイメージを持ってもらいたいか、ということを先に具体的にしておくことが一番大切でしょう。
ハロー効果のメリットとデメリット
ハロー効果にはポジティブ・ハロー効果とネガティブ・ハロー効果があります。
意味は字面通りの意味で、
テレビCMの場合は、起用したタレントさんが不祥事を起こしてしまったり、浮気や不倫などのネガティブな話題が上がることで、それが商品やサービスイメージにまで波及してしまうことが主に挙げられるかと思います。
そういったリスクを取り除くメリットがあるということで、AIタレントの起用が始まったりもしていますね。
キャスティングをするときは、ポジティブ・ハロー効果だけでなく、
ネガティブ・ハロー効果のことも考えてみると良いでしょう。
例えば、キャスティングするタレントさんにどんなネガティブイメージがあるのか、SNSなどでリサーチしてみるのも良いと思います。
それらを把握した上でキャスティングすれば、リスクもある程度予測することができるでしょう。
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