CM・広告の仕組み PR

保険のテレビCMを放送する時に気をつけたい広告の表現

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今回は保険のテレビCMについて書いてみたいと思います。

保険のテレビCMというのはよく見かけると思いますが、保険のCMを流す場合にはどのようなことに注意すればいいのかについて保険の種類別に書いてみます。

 

保険の種類

 

保険には大きく分けると

  • 生命保険
  • 損害保険
  • 医療保険

があります。

 

生命保険というのはその名の通り人の生命に関する保険で、万一亡くなった場合の保険が代表的で

損害保険というのは基本的に物にかける保険で、家にかける火災保険や、車にかける自動車保険に代表されるような保険になります。

 

また、3番目の医療保険は生命保険の類に入れることもあります。

 

そもそも保険というのは万一の場合に備えるものですが、日本は公的な補償が比較的行き届いている国なので、これを補うものとして各自考えていけばよい商品だと思います。

 

特に3番目の医療については、日本の健康保険の仕組みは今のところ、国民の負担を大きく減らしていると思います。

 

それでも補う意味で医療保険に入る人が多くいます。

保険は企業向けと個人向けの商品がありますが、テレビCMされるのは個人向け商品がほとんどです。

 

それぞれの保険にはCM等の広告のガイドラインがあるので、それにそってCM文言などは考査されることになりますから注意が必要です。

関連記事:広告を出す時に注意したい、考査について

 

生命保険の場合

 

生命保険の場合は生命保険協会が定める適正表示ガイドラインの中でテレビCM等の広告に関する指針が示されています。

 

生命保険のテレビCMでは補償内容の優良性を表示するケースが多くなると思いますが、その場合に表示しなければならない必要事項や、加入条件に誤解のないようにするなど留意点が定められています。

 

まずテレビCMを行う場合には

  • 行う企業の社名、商号等を正しく表示すること
  • 市場リスク情報を載せること

社名、商号等については表示する事項のすべてを判読する手目に必要な表示時間がCM上きちんと確保されていることや

テレビCMには保険会社、代理店等の記載があればよく、募集人名の表示は無くてもよいことになっています。

 

また市場リスクについては、一般消費者が市場リスク情報について十分に認識できる大きさで記載すること。

枠囲いや目立つ位置への記載、文字の大きさなどにより、市場リスクの情報以外の事項と同じ程度の印象を与える表示となり、誤解を与えることのないような注意も必要であると書かれています。

 

この市場リスクというのは株のような金融商品に代表されるリスクと似ていて

保険の場合も金利通貨の価格や金融商品市場における相場の変動により、損失がありうる商品の場合そのリスクを記載することが求められます。

 

変額保険や、年金保険、外貨建て保険など市場価格調整機能を持つ保険については市場の動向によりリスクが生じることを的確に理解してもらうことが必要だということです。

 

市場リスクを有する生命保険募集に関しては、独自に別のガイドラインも設けられており

特に留意すべき事項を示しています。

 

ただ、テレビCMは基本が15秒または30秒なので、これらの内容について網羅しつつ商品を紹介するのはなかなか難しいことです。

 

そのため生命保険のテレビCMの殆どはあまり詳しい商品内容を表現しておらず

知名度を上げるイメージCMを作って流している保険会社が多くなっています。

 

詳しい表現を載せるとそれに伴い、リスク情報や、優良性を裏付ける情報など記載しなければいけない文言が増えてしまうからだと思います。

 

誤解を与えないような文言、たとえば加入可能年齢など補足事項が不要な文言についてのみ、テレビCMで表現しているケースもありますが、

誤解を与えない表現かどうか、顧客にリスクがないかどうかとう、よく考えたうえで文言を選ぶ必要がありますので、

いずれにしても広告代理店を通してテレビ局と相談しつつ進めるのが良いでしょう。

関連記事:広告を出す時に知っておきたい法律について代理店が解説

 

損害保険の場合

 

日本損害保険協会が広告倫理綱領を定めており、テレビCMにおいてはそれを参考にすることになります。

広告倫理綱領の目的は、

社会、公共的使命を深く認識し、保険商品、サービスの提供を通じて、国民経済及び産業経済の安定、工場への貢献を目指すことにあります。

これをもう少しわかりやすく言うと

  • 適切な表示、わかりやすい表現
  • 一般消費者に著しく優良・有利であると誤認を招かないこと
  • 公正で公平な広告活動
  • 損害保険会社としての品位を損ねないこと
  • 消費者団体等外部の意見・要望に配慮すること

のような基本理念になっています。

 

損害保険は生命保険以上に種類が豊富にあることや、保険が支払われるケースも多岐に渡ることから

生命保険以上に商品を細かく表現するのは更に難しくなります。

 

保険会社としてはテレビCMで本来なら優良性、有利性を最も打ち出したいところだと思いますが、

万人に共通する事柄というのはなかなかないため、こちらについても企業イメージテレビCMが多くなるのは致し方ないところだと思います。

 

最近見られるテレビCMのように

「事故の際、代わりに対応します」というように一部の共通するサービスを打ち出して個性を出しているCMもあります。

インパクトがある上手なテレビCMの一つではないでしょうか。

関連記事:CMの表現考査とは?放送する映像を作る時に知っておきたいこと

 

医療保険について

 

医療保険というのは万一病気になったときに補助するタイプの保険に代表されます。

生命保険や損害保険と異なり医療については日本の場合は公的医療保険が充実しているので、最も補助的な保険といえると思います。

 

自営の人も国民健康保険の加入が義務付けられていますし、

中小企業は全国健康保険協会、

大企業は組合保険、公務員は共済組合保険など

国民全員が何かしらの医療保険に加入しているはずなので、基本的には医療費で生活をひっ迫されるということはあまりないと思います。

 

それでも日本の高齢化に伴い、医療に不安を覚える人が多いことや、

この先今の公的医療の仕組みを日本が続けていけるかどうかの疑念もありますし、

医療の進歩により逆に高額医療もあるということが背景にあるのではないでしょうか。

 

医療保険についてもやはりケースバイケースで一つの商品名を打ち出すのが難しいので、

多くの保険会社はイメージが良くなるようなテレビCMや企業名だけを出すようなテレビCMにしていると思います。

 

いずれにしても保険のテレビCMについては代理店と相談しつつ、文言を吟味してから制作に入ることをお勧めします。

関連記事:CMの広告代理店と制作会社の違い、どちらに何を頼むのか

ABOUT ME
長倉 さやか
ライズプランニング(広告部)」の長倉です。広告手段としてのテレビの使い方やテレビメディアの楽しさを多くの人に知ってもらえるように執筆しております。

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