弊社ライズアドバートはテレビCMをメインに取り扱う広告代理店です。
今回はマーケティング業界でよく使われる「顧客インサイト」という切り口からテレビCMを考えていきたいと思います。
顧客インサイトとは
顧客インサイトとは、顧客自身が意識していない、無自覚の潜在的ニーズを表す言葉です。
例えば、何かしらの商品を購入した人に「なぜこの商品を購入したのですか?」と聞いてみると「なんとなく」「いつも買ってるから」というような答えが返ってくることがありますが、
これは商品を購入するときに消費者が意識している理由です。
実は、さっきテレビでピザのCMを見たからピザを注文している、とか
コーヒーを飲みたいと思って飲んでいる人も、本当は「ゆっくり休憩したい」というような潜在的な心理があるからその行動に至っている、ということがあります。
こういった顧客自身も意識していない潜在的なニーズを理解し、それに寄り添ったアプローチをすることで、
競合他社との差別化ができたり、効果的なマーケティング施策を考えることができます。
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顧客インサイトへのアプローチ成功例:大戸屋ホールディングス
顧客インサイトは消費者自身が意識していない潜在的な欲求だ!と言われても、なかなかピンと来ないと思います。
ここで大戸屋ホールディングスの顧客インサイトアプローチ成功例を見てみましょう。
大戸屋は定食屋さんですが、定食屋というのは男性がたくさん食べるための場所というイメージが一般的に強く、ターゲットであった女性の集客をしにくいという課題がありました。
女性は「1人での外食が苦手」という心情があり、それを分析したところ「1人で店に入るところをみられたくない」というインサイトがみつかりました。
それによって2階以上や地下に店舗を構えるようになったんですね。
それが多くの女性客の集客につながったのです。
そういえば大戸屋って2階や地下の店舗が多いですし、壁に向かっている1人席が多いですよね!私もよく利用しています〜!
このように、顧客のニーズをさらに深掘りしてインサイトを見つけていくことが、マーケティングを考える上ではとても重要なことなのです。
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顧客インサイトの見つけ方
ではそういった顧客インサイトはどのように見つければいいのでしょうか?
顧客ニーズと顧客インサイトは違う
まず前提として知っておきたいのは、顧客が考える「〇〇が欲しい」というのは表面的なニーズの話であって、顧客インサイトとは異なる、ということです。
「〇〇が欲しい」というのは顧客が自覚している意識です。
探りたいのは、その裏にどのようなインサイトがあるか、ということです。
インサイトは、「顧客自身は無意識で気づいていないけれど、そのブランドや商品を買う理由になること」です。
つまり決定打となるような無意識の欲求を探す必要があります。
インタビューやアンケートから顧客の本音を探る
顧客インサイトを探るために一番簡単な方法はやはりインタビューやアンケートです。
これらのインタビューやアンケートを実施するときは、「本音を引き出す」ということが大事です。
「どうしてこの商品を選んだのですか?」というような設問だと「なんとなく」「いつも買っているから」というようなインサイトを見つけづらい回答が多くなってしまうでしょう。
そのため、いくつか仮説を立てて設問を用意すると良いと思います。
例えば「この商品のパッケージが可愛いから売れているのではないか?」「この商品をテレビCMで知ったから売れているのではないか?」というような仮説を立て、それをアンケート回答の選択肢に用意します。
選択肢以外の理由の方の場合は「その他」とし、自由記述としてもらうと良いでしょう。
データを読み解く
集めた顧客データをどのように分析するか、ということが顧客インサイトを見つけるために一番大切なところです。
顧客の答えてくれたアンケートにある言葉をそのまま捉えるのではなく、仮説を立てたり、複数の視点で読み解くということをやっていきましょう。
アンケート結果をシェアして、何人かでディスカッションするのも良いと思います。
また、テレビCMを放送するときは顧客のペルソナ(ターゲットの仮想的な人物像)を設定することもとても重要なことです。
- 年齢
- 性別
- どこに住んでいるか
- 職業
- どんな休日を過ごしているか
- 趣味
といった細かいところまで設定ができると、マーケティング施策も考えやすくなります。
こういったマーケティング展開は広告代理店の最も得意とするところです。
アンケートやインタビューの結果もぜひお持ちいただき、相談させていただきながら、顧客インサイトを分析していきましょう。
ぜひお気軽にご相談ください。