弊社ライズプランニング[広告部]はテレビCMをメインで取り扱う広告代理店です。
大量リコールなどの不祥事が起こってしまった時、
該当製品の使用中止と修理、取り替え、回収、廃棄などを要請するために流されるのがお詫びCMです。
テレビCMというと、商品やサービス、社名を宣伝するもの、と思いがちですが、
こういったお詫びのためのCMもあります。
今回はこのお詫びCMを流す時に知っておきたいことをまとめてみました。
お詫びCMは30万円程度で制作可能
お詫びCMの場合は新規で撮影を行うということが少なく、
リコール商品の呼びかけなどであれば、製品の画像があれば制作をすることが可能です。
テレビCM制作をする上で一番お金がかかるところは撮影の部分なので、撮影なしでCMを制作する場合は30万円以内で制作することができるんですね。
一般的には、商品画像とともに型番などの必要情報をテロップとして入れ、
何枚かの画像をスライドショーのように繋いで動画にする、という作り方が多いかと思います。
最終的にその映像にナレーションを入れ、音楽や効果音などを入れます。
ただ音楽も流さないものや、単調なピアノのみにするなど、あまり華美ではない映像になるよう配慮します。
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お詫びCMの一般的な内容
ナレーションやテロップは最初に「お詫びとお願い」や「大切なお知らせ」とし、
「〇〇を探しています」だったり、事故発生・リコールの報告などを行います。
そして製品の確認と使用中止を要請し、
連絡先を提示したあと謝罪する、といった内容になっているものが多いです。
テロップのフォントは明朝体のものが多く、全体的にシンプルに、伝えたいことのみを入れたCMです。
日本で最初に放送されたお詫びCMは三洋電機の1985年に石油ファンヒーター事故を受けて制作された「山陽電気からのお詫びとお願い」と題したCMであるとされています。
このCMでは動画やBGMは一切使われず、リコール製品の写真にテロップがのせられたもののみが表示され、
男性ナレーターが事故の報告と謝罪、製品の修理のお願いを語るだけ、という表現になっていました。
ナレーション文言は以下のようになっています。
サンヨー石油ファンヒーター『CFH-S221F型』をお持ちのお客様で、まだ補修・交換がお済みでない方は、お求めのご販売店、または三洋電機窓口まで、至急ご連絡下さいますようお願い申し上げます
また、「〇〇を探しています」というのは定番の呼び掛け方です。
日立アプライアンス・サンウエーブ工業の「ツマミが飛び出している、キッチンユニット用電気こんろをさがしています」というような文言は、
型番を確認する必要がなく、製品の特徴だけで視聴者が確認をすることができるので、
型番だけではなく、こういった製品の特徴で限定ができるものなのであれば、このような表現の方が分かりやすいかと思います。
制作会社、広告代理店を通じてテレビ局とも相談しつつ、どのような表現・内容にするのが一番伝わるか、といったところを考えながら制作をしていくと良いでしょう。
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お詫びCMが印象を良くすることも
2005年に松下電器がFF式石油暖房機事故を受けて、お詫びCMを放送しました。
当時は、自動車や家電などの欠陥が内部で隠蔽されている企業が大きく報道されていた時期だったため、欠陥発覚後いち早くお詫びCMを流し、松下電器は逆に株が上がった、という歴史もあります。
松下電器のお詫びCM以降、各企業によるお詫びCMが続々と放送されるようになったのだとか。
このように、謝らなくてはいけないことに関しては誠実に、迅速に謝る、という企業の姿勢が逆に評価されるということもあります。
何か問題が発生した時に、迅速にお詫びCMを放送する、というのは、大きく企業イメージを下げないためにも必要なことでしょう。
CM制作は通常1〜2ヶ月ほどはかかるものではありますが、
すでに商品の画像などの素材が揃っていれば、特急で制作することも可能です。
そしてテレビ局にテープの搬入を行えば、納品から1週間後にはテレビCMを放送することができる場合もあります。(テレビ局にもよります)
とにかくこういった時はスピード感が命ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
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企業価値を高める色々なお詫びCM
東日本大震災による影響で、東京電力は福島第一原子力発電所事故、ならびにそれに伴う計画停電や節電への協力についてのお詫びCMを複数制作し放送しました。
またENEOSや出光興産など石油元売各社は、地震による各製油所、油槽所の操業停止、及び被災地への融通に伴う石油製品の供給不足について協力を願うCMを放送しています。
そのほかにも、
- JR西日本の減便ダイヤのお知らせ
- ユニ・チャームの震災の影響による商品仕様変更
- ヤマト運輸の非常取り扱い措置
- NTTグループやKDDI、ソフトバンクなどの通信各社の非常取り扱い措置
など、地震関連ではさまざまな企業がお詫びCMを制作、放映しています。
大変なことが起きた時だからこそ、企業をあげて取り組む姿勢を見せることで、企業価値を上げていくこともできます。
このようなCM放送も検討してみても良いかもしれません。
急な制作などにも対応いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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