CM・広告の仕組み PR

タバコ銘柄のCMはどうしてないのか

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弊社ライズプランニング[広告部]はテレビCMをメインに取り扱う広告代理店です。

今回はタバコ銘柄のCMはどうしてないのか、ということを解説してみたいと思います。

えいぞーさん

日本たばこ産業(JT)のCMは見たことがあるけど、そういえばタバコの銘柄を広告するようなCMって見たことないなぁ!

実は昔はタバコの銘柄のCMもあったのですが、今はタバコの銘柄をCMすることは禁止されているのです。

タバコの銘柄についてのテレビCMは禁止されている

以前はタバコの銘柄に関するテレビCMも放送されていたのですが、

1998年(平成10年)4月以降、タバコの銘柄(商品)についてのテレビCMは、民放連放送基準110条・111条・附則2の5などに基づき、取り扱いを禁止しています。

タバコを専売している日本たばこ産業(JT)はこれ以降もCMを行なっていますが、その内容は銘柄の宣伝の代わりに喫煙マナーの啓発へと変わっています。

タバコ銘柄を宣伝するCMを全面的に廃止した理由としては、

  • 健康への害
  • 環境への害
  • 公共の場での規制が不徹底なこと
  • 青少年育成のへの悪影響

などが主なものとされています。

以前はどこにでもタバコの広告があったため、それが未成年の喫煙につながってしまう、という問題がありました。

テレビCMの規制を受けている商品として、タバコは一番に例に挙げられる商品でしょう。

実はタバコだけではなく、テレビCMで取り扱えないものというのは色々なものがあります。

放送基準に基づいて取り扱うことができない業種
  • 許可・認可のない広告主
  • 私的な秘密事項の調査を業とするもの
  • 科学を否定するもの

詳しくは別の記事にて紹介していますので、そちらもぜひご覧ください。

テレビCMをするにあたって業態考査でNGとなってしまう企業とは?テレビCMを放送する時、テレビ局で考査という審査のようなものを受ける必要があります。 この考査には、 テレビCMの表現に...

タバコCMの歴史

今から50年以上前の1960年代では、成人男性の喫煙率はなんと80%を超えていました。

ちなみにこの頃の女性の喫煙率は15%でかなり開きがあります。

2010年にはタバコ勢の大幅増税の影響もあってか、喫煙率は男性で約32%、女性で10%となっており、全体的に下がっていますね。

タバコの広告が徹底して禁止されるようになるまで、実は色々な出来事がありました。

1972年大蔵省の指導により、たばこパッケージの側面に『健康のため吸いすぎに注意しましょう』の表示が義務化される。
1984年たばこ事業法第四十条第二項の規定に基づき、1985年以降の『たばこ広告に関する指針』が大蔵省より出される。
1985年4月(社)日本たばこ協会が設立され、大蔵省の指針に基づき、広告・販売促進活動に関する自主規準、包装表示に関する規準を決定。午後6時から9時までのTVCM、女性向け雑誌や読者の50%が未成年の雑誌への広告、未成年に人気のある芸能人の起用等が自主規制される。なお、TV、ラジオ、雑誌に関しては8月以降より実施。
1987年8月女性の喫煙を描いた広告を自主規制。
1989年1月午前5時から午後9時までの間のTVCMを自主規制。
1995年10月日本たばこ協会は広告・販売促進活動に関する自主規準等の改訂を行い、土曜日、日曜日、祝日、年末年始のテレビ・ラジオCM、小中高の学校から100m以内の屋外広告が自主規制される。
1996年4月未成年者喫煙防止のため、全国たばこ販売協同組合連合会は屋外に設置された自動販売機を午後11時~午前5時の間稼動停止とする自主規制を開始。
1998年4月日本たばこ協会の自主規準改訂により、TV、ラジオ、インターネット等でのたばこ銘柄のCMが自主規制される。
たばこ広告(Wikipedia)より引用

この変遷を見ていると、やはり未成年が喫煙をしてしまう、ということがかなり大きな問題だったのかなと思いますね。

関連記事:テレビCMでは禁止されているサブリミナル効果を使った映像

タバコCMを禁止しているのは日本だけではない

実はタバコのCMを禁止しているのは日本だけではありません。

欧州連合と世界保険機構(WHO)の両方が、タバコ広告を許可してはならないとしています。

2005年に実施されたタバコの規制に関する世界保健機関枠組み条約は参加国の憲法が禁止していない限り、条約に同意した168カ国全部がタバコ広告を禁止することが義務付けられています。

世界的にもタバコのCMというのは禁止されている国が多く、これが日本独特のものではないことが分かります。

関連記事:日本のCMと海外のCMってどんな風に違う?

喫煙シーンもあまり放送されなくなった

昔はドラマや映画などにおいても喫煙シーンがよく使われていました。

男性のタバコを吸う姿がかっこいいとされていたこともありましたし、

タバコを吸うことが一種の演出になっている作品も多かったかと思います。

成人であれば喫煙は違法ではないので、テレビ番組の中で喫煙するのも成人は問題ありません。

そして喫煙シーンがテレビ業界で禁止されているわけでもありません。

ですが、最近はテレビ番組の影響力の高さなどを鑑みて、喫煙シーンを暗黙の了解的にNGとしています。

社会風潮の影響もあり、喫煙シーンがテレビに映ることはほとんどなくなりました。

関連記事:テレビCMのルール!広告主が知っておきたい基礎知識

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長倉 さやか
ライズプランニング(広告部)」の長倉です。広告手段としてのテレビの使い方やテレビメディアの楽しさを多くの人に知ってもらえるように執筆しております。

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