弊社ライズプランニング[広告部]はテレビCMをメインに取り扱う広告代理店です。
テレビCMに関する役立つ知識を紹介していますが、今回はテレビCMで使われている注意表現について、どんなものがあるか、どういった表記をしなくてはいけないのか、ということをまとめてみました。
テレビCMを見ていると小さな文字で「※これは〇〇です」というような、注意表記がされていることがありますよね。
あれが注意表現です。
テレビCMには考査がある
テレビCMは広く多くの人に見てもらうものになりますので、
視聴者に誤解を与える表現が使われていないかどうか、ということを審査する表現考査と呼ばれるものがテレビ局で必ず行われます。
基本的にはどのテレビ局でも同じようなルールで審査されていますが、一応審査基準はテレビ局ごとに違うので、たまに同じCM素材でも「あちらのテレビ局ではOKだったけど、こちらのテレビ局ではNG」といったことが起こり得ます。
ただ、NGになったから放送できない、というわけではなく、
NGになっている表現の部分を修正していくことで、放送しても問題ない内容にブラッシュアップする、というのが目的です。
テレビCMをする時はこの表現考査と同時に、
テレビCMを放送する企業が本当にきちんとした企業かどうか、ということを審査する業態審査と呼ばれるものも行われます。
過去に重大な事件や事故を起こしているとテレビCMが放送できない可能性もあります。
また、占いや宗教などの根拠がないもの、科学を否定するようなものに関してはテレビCMを放送することができません。
テレビ局は、このような審査を行うことによって、「誰もがテレビCMを放送できる」という状態を作らないようにし、メディアとしての信頼度を高めているのです。
関連記事:CM考査で改稿依頼になった事例を紹介
お酒や飲料に関する注意表現
テレビCMのルールは民放連放送基準で定められています。
基本的にはこの内容に沿っていれば、CM素材としては問題ないです。
CMは、健全な社会や生活習慣を否定する表現を用いてはいけない(民放連放送基準91条)
この基準に沿って、
各種酒類や飲料のCMでは「空き容器(飲んだ後)はリサイクルへ」という文字が表示されています。
また、各種酒類のCMでは、
- 「お酒は楽しく適量を」
- 「飲酒は20歳になってから」または「20歳未満の飲酒は法律で禁止されています」
といった注意表記がされます。
お酒のCMについては、アルコール依存症の方への配慮もあり、「ゴクゴクッ」といった飲み物を飲む時の音を誇張して流すことが禁止される、などの経緯もありました。
関連記事:お酒のCMをする時に知っておきたい需要とこれからの広告表現
テレビCMだと分かるように表記をする
CMは、それがCMであることを何らかの方法で明らかにしなければならない(民放連放送基準92条)
ニュース映像やテレビ番組のワンシーンをオマージュしたようなCMの場合は、
それがCMであることが見ている人に分かるように、
- 「これはCMです」
- 「これは〇〇(スポンサー名)のCMです」
- 「〇〇(スポンサー名)’s AD」
といった表記がなされます。
テレビ本編を見ていて、その出演者そのまま商品を紹介するインフォマーシャルのようなやり方の場合も、
コマーシャルであることが分かるように文字が明記されることが多いですね。
視聴者にはCMとCMではないものの区別がすぐに分かるように放送しなくてはいけません。
関連記事:テレビCMを出稿するときに知っておきたい業界ルール
何がCMされているのか、その対象がはっきり分かるようにする
CMでは、事実を誇張して視聴者に過大評価させてはならない(民放連放送基準100条)。また、錯誤させてはならない(民放連放送基準122条)
演出上現実ではあり得ないことを表現する場合は「(これは)CMによる演出です」という注意表記をしたり、
宣伝対象以外のものをCM内で用いる場面がある際は、
- 「実際には〇〇が必要です」
- 「オプション装着車」「グレード別装備」
- 「実際とは異なる場合があります」
といった表記がされることがあります。
関連記事:景品表示法についてCMをする前に知っておきたいこと
健康食品などの取り扱い
人々の健康に関わるものというのはとりわけ広告業界が注意を払わなくてはいけない部分です。
健康食品などで使用者の体験などをCM内で使用する場合は、「個人の感想です」といった文字表示をする必要があります。
関連記事:テレビの放送基準とは?どんなことが定められている?
テレビCMには色々なルールがありますが、
基本的にはCM制作時に絵コンテというCMのカット画と内容を記した設計図のようなものを先に作ります。
それらをテレビ局と共有して、考査にひっかかりそうなものは先に修正をするような形で進められますので、ぜひ広告代理店に、CM制作段階からご相談いただけますと幸いです。