テレビCMはもともとある程度まとまったご予算がないと放送することができないものでした。
「やってみたいけどきっと高いんだろうな」という漠然としたイメージで放送を諦めていた企業様も多いのではないでしょうか。
実は最近は以前よりもテレビCM放送のハードルはぐっと下がっていて、SASという15秒CMを1本から放送することができるセールス形態ができました。
今回はこのSASについて、広告代理店である弊社ライズアドバートが解説したいと思います。
SASとは
SASは『スマート アド セールス』の略で、15秒CMを1本単位で購入することができるサービスの名称です。
もともとはASS(アドバンス スポット セールス)という名前だったものを2020年2月から名称変更し、2020年9月現在では以下のテレビ局がSASを実施しています。
【関東】
- 日本テレビ
- テレビ東京
- フジテレビ
- TBS
【関西】
- 読売テレビ[日テレ系列]
- MBS[TBS系列]
- 朝日放送テレビ[テレ朝系列]
【中京】
- 中京テレビ[日テレ系列]
- CBCテレビ[TBS系列]
- テレビ愛知[テレ東系列]
【福岡】
- 福岡放送[日テレ系列]
- 毎日放送[TBS系列]
SAS展開をするテレビ局は今後も順次増えていくと思われます。
15秒1本の枠から購入することができるので、例えば一番規模が大きく、値段も高い東京キー局の枠でも数十万円で購入することができるということです。
これまではキー局でテレビCMをするのであれば最低でも500万円単位で予算が必要でしたが、SASの誕生によってテレビCMの参入障壁がグッと下がったと言えるでしょう。
関連記事:関東でテレビCMを流したい!予算はいくらくらい?どんな流し方があるの?
今までのテレビCM枠の買い方
テレビCMの枠というのは大きく分けて
- スポットCM
- タイムCM
の二つがあります。
特定の番組のスポンサーになり、毎週同じ番組の中でテレビCMを放送するのがタイムCMで、
それに対してスポットCMは特定の番組のスポンサーになるのではなく、ある程度時間帯を指定してその中でランダムにCMを投下するという方法でした。
タイムCMは基本的に2クール(6ヶ月)からの販売になるので、ある程度まとまった金額が必要になります。
スポットCMの場合は2週間程度の期間から出稿ができるため、これまでは「お試しでテレビCMを流してみる」だとか「初めてテレビCMを放送する」という企業様の場合は、こちらの流し方を選んでいただいていました。
しかしスポットCMを放送するにしても、それなりに効果を得るためには複数本のCMを流す必要があり、最低でも10本程度は流すことができるくらいのまとまった料金でのセールスとなっていたわけです。
その単位が、東京キー局の場合は大体500万円でした。
今回SASが始まったことによって、最低出稿金額が大幅にダウンし、より「お試し」という形でテレビCMを放送できるようになった、ということです。
SASがおすすめなケース
SASは15秒のCMを1本から購入することができるのですが、やはりバラ売りのような形になるため、まとめてCM枠を購入するのに比べると単価は高くなってしまいます。
お店で何か物を購入する時に、まとめて買った方がお得になるのと同じですね。
少々割高になってしまうSASですが、どのような場合におすすめなのでしょうか?
CM実績を作りたい時
まずは「テレビCMを放送した」という実績が欲しい企業さまに一番におすすめしたいです。
テレビCMというのは誰もが出せるものではありません。
考査と呼ばれる審査のようなものがあり、その考査も
- きちんとした企業かどうか調べる業態考査
- CMの内容が誤解を与える表現になっていないか調べる表現考査
の二つがあります。
これを通過しないとCMを放送することはできません。
テレビCMを放送すれば、公式サイトなどでも「テレビCMを放送しました」という記載を載せることができ、ブランド力を高めることができるでしょう。
またテレビCM用に制作した映像を公式サイトで配信するなどして流用することができます。
関連記事:テレビCMを制作してWEBでも配信したい時に気をつけたい権利の話
CMのお試しをしたい時
今後テレビCMを積極的に放送していきたいけれど、まずはどのような流れでCMを放送するのか、スケジュール感が手順が知りたい、という場合もSASはおすすめです。
SASはCM枠を1本単位で購入することができますが、スケジュールとしては
- CM用映像制作
- 素材の搬入
- 放映
と進む形ですので、通常のCMとあまり変わりません。
まずはCM業界のことを知るためにSASで出稿してみるというのも良いと思います。
短期集中の広告を出したい時
「割高になってもいいので、数本だけ1日に流したい」というような特殊なケースの場合もSASはおすすめです。
通常スポットCMは期間がほとんどの場合、2週間からとなりますが、1日だけでいい、というような場合でもSASは対応がしやすいです。
時期によって空いている枠や枠の値段も変わりますので、SASについては広告代理店にまずはお問い合わせください。
関連記事:テレビCMを扱う広告代理店には何を依頼できるのか?