毎日、テレビでは、グルメ番組が数多く流れています。
テレビだけではなくて、雑誌、新聞、ラジオ、なども含めると、みなさん、日々何かしらのグルメ記事を目にしているでしょう。
テレビ番組でグルメ系の情報番組に長年携わってきましたが、どんな店を「取材したい!」と思うのか、書いてみたいと思います。
お店を取材されたい、と思う方は必見です。
お店の特徴が一目で分かる!
お店によって、特徴や売り、アピールポイントはさまざま。
ホームページに写真があれば、ひと目で分かって助かります。
飲食店の店主さんたちは忙しいので、ホームページまで手が回せない方が多いと思います。
ネット検索すれば、ホームページがなくても、「食べログ」や「RETTY」にお店があれば、すぐヒットします。
そこでは写真や基本情報、メニューが大まかに把握することができるので助かっています。
そんな写真を拝見して、特徴が一目で分かると、取材候補に入ります。
店主さんによっては、口コミサイトの口コミでマイナス評価を気にされる方もいるかもしれません。
マイナス評価は参考にしますが、それがそのお店の総合的な評価だとは思いません。
マイナスもプラスも目を通して、総合的にどうなのかな、と考えます。
オーダーを間違えられた、とか、提供時間が長かったというのは、たまたまだったのかどうか、状況を読み取ります。
高級店であれば、スタッフさんへの教育が徹底されているでしょうが、たいていのお店は、アルバイトさんが頑張っていますからね。
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お店の強みが一文で書ける!
どんな料理か、どんな特徴があるのか、が一文もしくは一行で書けるかどうか、というがの決めてになります。
- 「カレーが人気の店」
- 「ステーキが話題の店」
- 「唐揚げで行列ができる店」
これでは、ダメです。
「今」、「なぜ」、
その店を取り上げるのか?
という理由が伝えられるかどうか、です。
人気や話題や行列という形容詞は、「今」でなくても構いません。
来月でもいいし、再来月でもいい。いつでもいい。
いつでもいいなら、「今」取材する必要はないのです。
季節限定メニューやその季節だからこそ食べたいもの、などだと、「今」取材したいものになりやすくなります。
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何はともあれ、おいしい!
必ず取材する前に、取材スタッフはお店へ食べに行きます。
普通に行ってみて、おいしいかどうか確認します。
味覚は人それぞれなので、おいしいか、そうではないか、というのは個人的な基準になりますが、
丁寧に調理されていたり、工夫があったり、クセになりそうだったり、味わいが深かったり、個性があるかどうか。
味を表現できるかどうか。
ただおいしい、ではなくて、特徴をとらえられるかどうか、を確認します。
直接お店に伺うと、店主さんのお店への愛情が伝わります。
古くたって、多少雑然としてたって、清潔だったり調理場が整っていたりすると、「ちゃんとしてるな」と感じられます。
汚い店がテーマであっても、画面を通して汚く映るだけで、調理道具や食器はキレイだったり、食材はちゃんと扱われていたりすれば、その汚さがさらに美味しさを演出することもあります。
逆にそういったものを感じられないと、基本的には取材はしないと思います。
単に雑で汚いお店に見えてしまうからです。
取材を受けるメリットとデメリット
取材を受けて、テレビで取り上げられると、お客さんがいっとき、増える可能性があります。
そのお客さんたちが続けてきてくれるかどうか、週に1回、月に1回でも、続けてきてくれるかどうかは、そのお店の味がお客さんの嗜好と合うかどうか。
また、対応がいいかどうか。
テレビを見て訪れたお客さんが、常連さんになってくれれば、取材を受けるメリットになりますよね。
また、テレビに出たおかげで、足が遠のいていた常連さんが、久々に訪れてくれることもあるでしょう。
お店自体が移転して、場所がわからなくなっていた、ということもありますし、
お客さんが遠方に引っ越してすっかり忘れてしまっていた、という場合もあります。
テレビで取材されるということは、元気にこの場所で営業しているよ!というアピールになります。
その反面、テレビに出ると、新規のお客さんが増えることで常連さんが入りづらくなる、ということもあります。
「いつもならふらりと立ち寄れたのに、急に行列ができちゃって、すぐ入れなくなった」と嘆く常連さんも出てくるかもしれません。
お店や会社のオーナーさんから、いくら払えばテレビに出してもらえるのか?と聞かれることがあります。
テレビに出られることを謳っている代理店もおみかけしますが、私自身、お店と取材料のやりとりをした経験はありません。
純粋に、このお店はみんなに知ってもらいたい!取材する価値がある!と思えるかどうかでテレビスタッフは動いています。
何年リサーチをやっていても、まだ知らないお店がたくさんあります。
その町や、そこに住む人たちの心の糧になっているような、味わい深いお店が、まだまだあって、私たちの生活を支えてくれていたり、励ましになっていたりします。
そうした「情」の部分や、経済ではない「価値」にスポットをあてて、広く知ってほしいなぁと現場のスタッフは思うのです。
では今日はこのあたりで。