宣伝広告媒体の中で独走を続けているテレビCMですが、近年ではWEB広告が躍進してきており、テレビに次ぐ広告媒体としてWEBが注目を集めています。
最近ではテレビCMに比べてWEB広告の方が費用対効果が高い、というお話をよく聞きますが、
しかしその考え方は本当に合っているのでしょうか?
WEB広告が向かない商材やサービスだってもちろんあるでしょうし、
何より宣伝広告媒体を単体で見ること自体が間違っているのではないかな、と私は個人的に思っています。
今回はテレビCMの費用対効果は高いのか、低いのか、ということを
WEB広告の現状と絡めながらお話してみたいと思います。
売上発生が明確でないテレビCM
テレビCMに比べてWEB広告の方が費用対効果が高いと言われている理由の一つに、
WEB広告にはコンバージョンという概念があり、そのコンバージョン毎に広告費が発生する仕組みになっている、ということが挙げられると思います。
コンバージョンとは
インターネット上では商品取引やビジネス向けのサービスで獲得できる最終的な成果。
資料請求や問合せ件数、オンラインショッピングサイトならば商品購入、情報提供サイトやコミュニティサイトでは会員登録などがコンバージョンにあたる。
コトバンクより引用
つまりワンクリックや、新規申し込みといった成約ごとに広告費がかかってくる、というのがWEB広告の特徴なわけです。
最近だと、アフィリエイト広告に出稿する企業が増えましたよね。詳しくはアフィリエイトの広告主になるという宣伝方法で。
EPC等の指標があるのです。
対してテレビCMの場合は、放送をしてみないとどれくらい効果が得られるのか、ということはわかりません。
残念ながらテレビCMをすれば必ずものすごく売れるようになる、ということではありません。
テレビCMも流せばいいわけではなく、売れるCMにはそこに緻密な戦略が隠れているものです。
そう思うと、テレビCMにおけるマーケティングについて詳しくない方は、テレビCMの費用対効果は低い、と思ってしまうでしょう。
しかしテレビCMもきちんとした戦略を立ててABテストをしながら放映するようにすれば、きちんと効果を得ることができますし
WEB広告に比べると即効性があり、爆発的な人気を引き起こす可能性も秘めています。
消費行動だけで測ってはいけない影響力
そもそも消費行動だけで効果を測る、ということ自体が間違っているのではないかな、と思います。
例えば最終的にコンバージョンが出たのはWEB上でかもしれませんが、
それまでにユーザーがどんな媒体でその商材にたどり着いたかというのは不明なわけです。
テレビCMしか広告を出していない場合はテレビCM単体の効果を測定することができますが、
テレビCMをした上でWEBでも広告を出している場合はテレビCMがきっかけで商材にたどり着いた顧客数を正確に測ることはできないわけです。
さらにいえば、WEB広告というのはテレビCMに比べると信用度の低い広告媒体になります。
どうしてもテレビCMは放映するまでに複雑なステップが必要ですし、広告代理店を通して、なんども考査を受けて、
きちんとした団体、企業であることが証明されないとテレビでCMを放映することはできません。
でもだからこそ、テレビCMが直接的に消費活動へと繋がらないにしても
その商材のブランド力、つまり認知度と信用度を高めることはできるのです。
テレビCMで見たものを改めてWEB広告で見た時に、ユーザーは「テレビで見た!」と思うでしょう。
つまりテレビCMというのは直接的な消費活動にはならずとも、複数の広告媒体を並行して利用するメディアミックスの中ではかなり有効な手段となり得るはずなのです。
そう思うと、広告媒体毎に費用対応かを考える、というその考え方そのものが間違っているように感じられませんでしょうか?
テレビCMが向いてる状況とは
最後に、テレビCMがどんな状況の場合に向いているか、というお話をしたいと思います。
テレビCMをやるのに向いているのは
- 知名度を短期間で上げたい時
- 新規顧客を獲得したい時
- ブランド力、信頼度を上げたい時
といった状況の場合です。
確かにコンバージョン毎に広告費がかかる仕組みになっているWEB広告は、消費活動単体で見れば費用対効果の高い広告と言うことができるかもしれません。
しかし、WEB広告がテレビCMに比べて費用対効果が高い、というのは一概には言えないことなのです。
そもそも広告のリーチの仕方が全く違って、
WEB広告の場合はリスティング広告やディスプレイ広告が主な広告手段かと思いますが、それはユーザーが特定のものを調べた時に広告をリーチさせる方法です。
対してテレビCMの場合は「なんとなく」テレビを見ている人が多いので、受動的に広告を視聴者へリーチさせることができ、
新規顧客を獲得しやすい広告媒体になっています。
費用対効果から広告媒体を決めるのではなく、それぞれの特性を理解した上で、どの広告媒体にどれくらい予算をかけるのか、ということを考えた方が良いかもしれません。
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では今日はこのあたりで。